2050年カーボンニュートラルへの住宅政策の迷走(その2)

2050年カーボンニュートラルへの住宅政策の迷走(その2)

「2050年カーボンニュートラルへの住宅政策の迷走」と題して、日本の住宅政策の抱えている問題について前回投稿させていただきました。

2050年カーボンニュートラルへの住宅政策の迷走・・・目立つ縦割り行政の弊害

今回は、この件に関して現在進行中の「再生可能エネルギー等に関する規制等の総点検タスクフォース(以下タスクフォース)」にて動きがあったので、新たに追加で検証してみたいと思います。

 

タスクフォース委員の質問に対する回答(令和3年6月21日提出)別紙 という2つの書類がタスクフォースサイト内で更新されています。

これは、以前からタスクフォース内で疑義があった内容を各担当省庁に問い合わせたものへの回答集なのですが、今回の回答の一部がまさに前回の私の検証内容へのアンサーとなっていたので細かく見ていきたいと思います。

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タスクフォース質問回答に、再エネ重複分5.94万kLの計算根拠が示された

ご質問①の回答として、以下の様になっておりました。

ビシっと「根拠ありますよ!」という回答となっておりますが、その真相はいかに!?

という事で、早速裏取り作業に入りってみましょう。

先ず基本的な前提条件に付いて整理すると、温暖化対策のためのCO2削減計画は、長期エネルギー見通しに連動して策定されております。なので、長期エネルギー見通しの内容と齟齬があってはなりません。

以下がその温暖化対策及び長期エネルギー見通しにおける、家庭部門の省エネルギー計画で、以下の7項目となります。

  1. 新築住宅における省エネ基準適 合の推進
  2. 既築住宅の断熱改修の推進
  3. 高効率給湯器の導入
  4. 高効率照明の導入
  5. トップランナー制度等による機器の 省エネ性能向上
  6. HEMS・スマートメーターを 利用した家庭部門における 徹底的なエネルギー管理の実施
  7. 国民運動の推進

 

省エネ貢献度を可視化してみるとこんな感じで、ほぼ全てが住宅に関連するものとなっています。

そして、1の新築住宅の省エネルギー基準適合の推進政策にはZEH誘導政策も含まれているので、3給湯器、4高効率照明,5エアコン等が含まれているため、※注意書きとして、下記の通りにダブルカウントの除外がなされている形になっています。

※1.省エネ量には新築住宅における省エネルギー基準適合の推進に伴う給湯設備の導 入による効果(35.9 万kl)は含んでいない。
※2.省エネ量には新築住宅における省エネルギー基準適合の推進に伴う照明設備の導 入による効果(26.9 万kl)は含んでいない。
※3.省エネ量には新築住宅における省エネ基準適合の推進に伴うエアコン、ガス・石油ス トーブの導入による効果(5.3 万kl)は含んでいない。

そして、省エネ量の計算には再エネは一切含まれていない形で削減案は形成されていますので、1の新築住宅の省エネルギー基準適合の推進政策にはZEH推進政策も含まれては居ますが、CO2削減計画自体の建付け上はこちらには屋根置き太陽光発電の自家消費効果による省エネ量は含まれていない形で形成されています。その為、注意書きに※で太陽光発電の自家消費量による省エネ効果の除外という書き込みは見当たりません。

では、再エネ側にダブルカウント除外と言う記述はあるのでしょうか?「長期エネルギー需給見通し関連資料」では以下の通りで、住宅の省エネ政策分の除外という注意書きはありません。

 

では進捗状況の資料「2019 年度における地球温暖化対策計画の進捗状況」を確認してみます。

成果指標として、再生可能エネルギーの総発電量を成果指標としている事から、住宅の太陽光発電による発電量はすべてこちらで計上されている形になっています。詳しくは、前回の記事をご参照ください。

つまり、2019年削減案で突如登場した「ZEH推進には太陽光発電の自家消費効果を含めている」という考え方は、現行の温暖化対策とは異なる、新しい考え方という事で間違いないようです。

(2015年削減案では、明確に再エネは除外していると記載がありましたし)

 

ZEHの定義は実は2019年から明確に決まっていた!?

さてここからが本題です。原油換算5.94万kLの出典ソースは、「総合資源エネルギー調査会 長 期エネルギー需給見通し小委員会(第 11 回会合)資料3」からとあります。つまり、先ほどのこれですね。

900万kWで年間発電量が95億kWhなので、1056kWh/kW(設備利用率12%)という計算となります。屋根置き太陽光発電の発電量としてはかなり控えめな値ですね。

実際に2019年度の住宅用太陽光発電の発電量実績が124億kWhなので、2019年実績をも大幅に下回る発電量が想定されていることになるので、再エネ目標値も想定発電量も非常に過小評価されているように見えますね。参考までに非住宅は1,189kWh/kW(設備利用率13.6%)。

太陽光発電の設備利用率12%と言えば、2012年~2014年までは調達価格等算定委員会太陽光発電の設備利用率は12%。非住宅は2012年12%、2013年13.6%、2014年15%でコスト算定委員会では計算されていましたので、2030年目標値は2013年に作られたものという事なのでしょう。

長期エネ見通しの2030年度太陽光発電導入見込量と想定発電量がオカシイ!

気になったのでこの長期エネルギー見通しにおける太陽光発電の2030年導入量の妥当性を検討してみます。

既導入量が約760万kWだったのは、固定買取制度過去公表分で確認した所、2014年12月末の755万kW、電力速報2014年度によると、家庭用太陽光発電は89億kWhの発電量となっています。89億kWh÷755万kW=1,177kWhとなりますので、妥当な所かと。

また導入量900万kW(2030年)-760万kW(2014年)=140万kWとなるので、直線的にすると「16年で140万kW=8.75万kW/年」で計算されていることになります。

グラフ化してみるとこんな感じです。2014~2019年までの現実の導入実績は、「約78万kW/年」なので、平均5kW×15万件前後(新築・既築搭載の合計)のペースとなっており、現実の約9分の1という、あまりに少ない導入目標となってますね。

2019年時点での実績導入量は1,145万kWと既に2030年目標値の900万kWを大きく超えています。というか900万kWを超えたのは、2016年9月=904万kWなので、長期エネルギー見通し発表後たった1年には、すでに2030年目標を達成できちゃうほどの低すぎる目標値です。

長期エネ見通しって国民生活や産業振興、温暖化対策等に直結する、極めて重要な計画なのですが、誰も確認しなかったんでしょうか?こういった書類って複数の統計データを確認しながら整合性をチェックする体制が無いのでしょうか?同じ省庁間でも基本ノーチェック体制なのかな?国家安全保障にも関係する極めて重要なものだけに・・・なんか残念ですね。とても・・・

ということなので、長期エネルギー見通しの2030年目標値である900万kWは2016年9月にすでに達成済み、および目標発電量95億kWhも同じく2016年中に達成済みとなっているため、あまりにも低すぎる(15年後の目標値を1年で達成してしまうというのは、目標設定の仕方が余りにも異常)、原子力に執着するあまりに周りが見えなかったのかもしれませんが・・・エネルギー計画、および温暖化計画の中で、住宅用太陽光発電の目標設定はあまりにも過小評価・ずさんと言わざる負えません。

関係閣僚から屋根置き太陽光は重点政策という話が出てくるのもうなづけますね。次回のエネルギー基本計画や新たな長期エネルギー見通しでは、根本的にやり直す必要があるように思います。

タスクフォースへの国交省・経産省の回答を分析

さて、では以上を踏まえて、タスクフォースへの回答を見てみましょう。

 

注目は②です。実際にBELS(建築物エネルギー性能表示制度)にて評価されたZEH案件の平均値を採用したのがZEH以上の一次エネルギー量44GJ(BEI0.4未満)とのことですので、2019年削減案のZEH以上の住宅の定義は、ZEH基準を上回る省エネ性能かつ太陽光発電の搭載された(大体5kW以上)高性能住宅という事。つまり、「脱炭素社会に向けた住宅・建築物の省エネ対策等のあり方検討会」の素案に記載されているZEH以上とは、太陽光発電を搭載してかつBEI0.4未満(太陽光ナシの場合の性能でもBEI0.7未満程度)の高性能住宅であるという事が確定していました。

前回委員会でZEHの定義があいまいだという話でしたが、

 

実は2019年当初から誘導目標としてのZEH以上とは(太陽光発電含めてBEI0.4未満の住宅)と明確に決まっていたようですね。

 

太陽光発電ダブルカウント(44.4億kWh=原油換算114.5万kL)の真相はいかに!

続きまして、太陽光発電の自家消費分のダブルカウントについてはどうでしょうか?

回答①の下記の部分から非常に多くの内容が読み取れます。

総合資源エネルギー調査会 長 期エネルギー需給見通し小委員会(第 11 回会合)資料3とは、先ほどの「長期エネルギー需給見通し関連資料」のことです。

つまり現行の温暖化対策による削減案では、住宅用の太陽光発電の増加分は900万kW-760万kW=140万kW分、発電量としては14.8億kWh(想定発電量も2013年当時の設備利用率12%で評価されている分しか含まれていないかつ、約8.75万kW/年しか増えない)しか見込んでいないのだから、「これを上回る分に関しては、ZEH推進策の削減量だ!」という考え方で削減計画を抜本的に見直したという事になるようですね。

2014~2019年の平均実績だと78万kW/年なので、約9分の1と激しく乖離していますので、たんまり削減量がへそくられている状態なので、このへそくりを使って楽に目標を達成する考えなのでしょう。

前回の記事で計算していた2019年に義務化見送り時の再計算では、住宅のZEH推進策で計上されているZEH件数313万件に上記の太陽光発電の自家消費相当分を割り当てると、44.4億kWh=原油換算114.5万kL相当は温暖化対策で計上されている導入量を超えた部分なので、そもそもダブルカウントでは無く、2019年削減案によるZEH推進効果で新たに発生しているという建付けですね。なるほど・・・

つまり、2015年当時の再エネ最大限導入の試算の発電量も導入量もあまりにも低すぎたために、「不甲斐ない」として「ZEH推進案でZEH相当の太陽光発電の搭載された住宅を一気に増やす!」という、国土交通省の太陽光発電大量導入への意気込みがあふれたCO2削減案という事だったと理解しました。

私はてっきり今回の素案で省エネと再エネを切り分けて、再エネは国交省の管轄ではない、という態度を示しているのかと勘違いをしてしまいました。

 

大変失礼しました。勘違いしてしまって、本当に申し訳ありません!!

 

国土交通省・及び経済産業省は、屋根置き太陽光発電はZEH推進策として、あと9年で313万戸も一気に増加させることを真剣に考えていたんですね。だから、住宅の省エネ基準の義務化による低性能住宅の撲滅よりも、太陽光発電を搭載してかつ高断熱かつ高効率建材をつかったBEI0.4未満の高性能住宅の大量導入に向けて一気に住宅政策を加速させた方がより温暖化対策として有効であるという政策変更がなされていたことになります。

 

ビシっと説明していただければ、理解と協力体制が深まるので、ぜひ明確に発表していただきたいです。

 

今回調査して理解できた、温暖化対策案における「住宅用太陽光発電」の低すぎた2030年目標値によって発生した住宅用太陽光発電による省エネ効果を、国土交通省がZEH推進計画としてカウントするのか?それとも今まで通り経産省の「再エネの最大限導入」が吸収するのか?

省庁間の駆け引きが今裏で行われており、その結果がどちらになるかで今後の住宅政策は大きく変化すること間違いなし。という事で今後の動向に注目していきたいと思います。

ZEH推進による太陽光発電の自家消費分はどの項目に含まれるかで、今後の住宅政策は大きく変わる!

さて、上記の調査内容をまとめると、今後のタスクフォース内での議論の結果次第では、日本の住宅政策は大きく2つと・・・考えるもおぞましい最悪の3つ目のシナリオが考えられます。

  1. 国土交通省が独自に作成した2019年削減案通り、2015年温暖化対策として計上されている2030年900万kWから導き出された最大導入量の自家消費相当分である(5.94万kL)を超える分(44.4億kWh=原油換算114.5万kL相当)は、ZEH推進政策の成果として認定された場合
  2. 上記が否定され、再エネ分は従来通り「再エネ最大導入」の成果とし、2015年削減案の様に明確に太陽光発電分は除外して断熱・設備の高効率化のみを成果とす。
  3. これ最悪のシナリオです。2019年削減案は2020年義務化を見送るためのダミー削減案で実現する気無し。義務化見送り後はまた住宅の太陽光発電は我関せずとして国土交通省は何もしない。既に2016年に住宅太陽光は目標達成済みとする経産省も何もしない。環境省は蚊帳の外で何もできない。

 

上記の2つと、無責任すぎてあり得ない3つ目、合計3方向性が想定されます。

1.太陽光発電を含めたZEH推進政策が国交省の所管となった場合(ベストシナリオ)

1の場合は、住宅政策としては、太陽光発電を含めたZEH推進政策でも特に削減量の46%を占める戸建てZEH推進が最大の温暖化対策となりますので、ZEH推進のためのロードマップとその具体的な支援策や、新築時の太陽光発電の義務化のタイミングなどが主たる論点となる事になります。

つまり、ZEH推進案として、太陽光発電を含めたZEHを2030年までに313万戸以上確実に量産できるプラン。現状の年7万戸前後では到底達成不可能なので、2030年頃までに、現在の4倍以上となる年間30万戸ペースまで引き上げる必要があります。

公開された資料をエクセルで計算してみると、戸建てはこんな感じになりました。

想定された新築のフロー割合だと、ZEH以上は48%となってましたが、戸建てと共同住宅含めて総戸数89.7万戸の48%=43万戸/年なのですが、2030年ストック数は戸建=227万戸、共同住宅=87万戸なので、そもそも割合が異なるようで、ZEHストック数227万と全体のZEHフロー割合48%の整合性のとれる割合を逆算してみると、2030年にはZEH以上は戸建ては約70%程、共同住宅では25%程度必要だという事になりました。

非常に高い目標ですが、これでも2019年削減案(NDC26%)なので、NDC46%となるとさらなる上積みが必要です。

このシナリオになる場合は、日本の未来はまだまだ明るい、これから十分挽回可能となるベストシナリオ!

2.太陽光発電を除いたZEH→断熱基準義務化&規制強化政策という本来の温暖化対策に戻った場合(へそくり使い込む前の本来のシナリオ)

2の場合は、2020年に誤った政策判断で義務化を見送ってしまったため、これは極めて困難なシナリオです。まず現状の政策の前提となる2019年削減案(経産省のへそくりである住宅太陽光の自家消費分を使い込んでしまった「へそくりの使い込みがばれちゃった案」)が全否定されてしまったため、自動的に2020年省エネ基準の義務化みおくり自体が間違った政策判断であるとして温暖化対策上の深刻な問題となります。

この致命的な政策判断ミスを早急に是正する必要があるので、例えば2022年に即時義務化スタートなどと、根本的な住宅政策の変更を行うと同時に、義務化基準を数段上まで、段階的な義務化レベルの引き上げを抜本的かつ可及的速やかに必要があります。(これは各方面への負荷も1のZEH推進の比では無いので、現実論がお好きな方々にはあり得ないルートに見えます。)

3.「今まで通り温暖化対策は誰も何もしない」縦割り行政の弊害ここに極まる場合(これだけは絶対あってはならない、極限のワーストシナリオ)

3.はダメです。絶対ダメ。というか、ここまで国土交通省が腐ってしまっているという事は考えられないだろう。と言うレベルの極限のワーストシナリオです。

もし、平然と3のシナリオを通ろうとするのであれば、国土交通省は温暖化対策なんで、1ミリもやる気ありません。めんどくさいので適当にスルーしちゃおう。住宅政策は国土交通省以外の省庁は手も足も出せないのだから、どうせ誰も何もできないだろうし、タスクフォースで河野大臣に怒られるかもしれないけど、そんなの下向いてればすぐ終わる。素人の政治家なんてちょろいもんだし。と言う感じのヤバい集団ってことになっちゃいます。私の知っている範囲の国土交通省の官僚の皆様は、全員真剣に対応している方ばかりでしたので、仮に上の方にヤバい人がいたとしても、ちゃんと修正してくれるはずです。

いずれにせよ、2019年削減案で国土交通省がZEH推進政策で「住宅太陽光発電へそくり」に手を出してしまったので、1か2どちらかのルートを通ることになります。(見つけてしまった他人のへそくりをうっかり使ってしまった場合、先に見つけたもん勝ちとして自分のものと主張するのか?それともバイトしてこっそり元に戻すのか?一般家庭ならかなりもめそうな案件ですね・・・)間違っても3は選択して欲しくないです。

個人的には国土交通省の2019年削減案通り、ZEHからみの太陽光発電自家消費分が国土交通省の管轄となり、それを踏まえてZEH推進のためのロードマップを具体的に示して頂きたいです。これが最も今後の住宅政策においては良いシナリオになる様思いますので、中心となる国土交通省の今後の動きに注目していきます。

「媒概念曖昧の虚偽」がもたらず不幸なすれ違い

今回、2050年カーボンニュートラルへの住宅政策の迷走を調査して、頭に常に浮かんできたのが、「媒概念曖昧の虚偽」です。

「媒概念曖昧の虚偽」とは、人によっては意味異なる言葉や概念がある事を悪用し、その持つ意味を時々によって変化させたり、曖昧なまま議論を進めたりすることで、自分に有利な議論を進めるためのだましのテクニック。

今回はZEHと言う言葉の持つ意味や定義があいまいなまま、ZEH推進政策について語るという、まさに「媒概念曖昧の虚偽」の典型的な事例だなと。

  • 国土交通省→私たちにとっての「ZEH以上」とは2019年削減案では太陽光含めてBEI=0.4と省エネ性能を持つ住宅、でも普段はZEHと言えば太陽光は含まずにトップランナーより少し一次エネルギー量の少ない住宅ですけどね。外皮基準や太陽光発電を含むかどうかは場合によって違う。専門性が高いから一般人の皆さんにはちょっと難しいですかねー(笑)
  • 経済産業省→ZEHとは最高性能を誇る高性能住宅。「平均ZEH」はBEI=0.8以下で、太陽光発電を含むかどうかは場合によるが今回は含まないかな?たぶん・・・。
  • 工務店などの実務者→ZEHはゼロエネルギーハウスなんだから、ZEH補助金が申請できる仕様の住宅。具体的には太陽光発電は5kW以上搭載で外皮UA値は0.6未満、設備高効率化にてBEI=0.7未満のもの。
  • 私→最新の削減案である2019年案では、削減案に登場する、誘導政策で発生する省エネ性能区分は「誘導基準」「トップランナー基準」「ZEH以上」の3つしかない。したがってZEH以上というカテゴリーがZEH推進政策の誘導目標となるので、ZEHとはZEH以上で定義されている太陽光発電含めたBEI0.4前後の住宅である。もしZEHとZEH以上が異なる物であるのであれば、「誘導」「トップランナー」「ZEH」「ZEH超え」の4カテゴリーで政策誘導目標をコントロールする必要がある。(2015年削減案では、省エネ基準の義務化が政策目的だったため、「省エネ基準」と「省エネ基準超え」の2つのカテゴリーが明確に分かれていました。)

 

こういった「媒概念曖昧の虚偽」を仕掛けられた場合には、議論に使用されている「言葉の定義」を明確にする必要があります。今回の場合は、「ZEH」と「平均ZEH」、「ZEH以上」の3つの定義が各省庁はもとより、工務店や、あり方検討会委員の皆様各自毎に異なる状態と見受けられます。

日常会話レベルでは言葉の定義が曖昧なままでも、あまり大きな問題では無いことが多いですが、住宅政策の行方を左右するような大きな議論の場では、「具体的な数字や年限」、それから裏付けとなる試算や統計情報などは出典と計算方法などを明確に示して、第三者が検証できる状態にしておくこと会議の最低限度のルールと思います。

もし意図的では無くガチでやっているのだとすれば、それはそれで政策り運営能力が無さすぎでそれこそヤバいですので、分かってわざとやっていると考えられます。

こういった言葉の定義をあえてあいまいにすることで、前提知識の不足している相手を手玉に取るような詭弁は、大事な会議では本当にやめて欲しいなと思います。

 

 

本年度見直しされるエネルギー基本計画とそれを踏まえたZEH推進ロードマップの内容に期待!

さて、上記のどちらのルートをたどるにせよ、今後の注目は以下2つでしょう。

  1. NDC46%を踏まえた新エネルギー基本計画
  2. ZEH推進のためのロードマップ案とその具体的な政策内容

1は「脱炭素社会に向けた住宅・建築物の省エネ対策等のあり方検討会」では全く具体的な話が出てきてませんでしたので、おそらくは1の新エネルギー基本計画を策定してから検討会の結論を出し直す形で進んでいくと考えます。今回こそは、住宅用太陽光発電の導入目標値を、策定後わずか1年で達成してしまうような「バリアフリー目標」では無く、NDC46%からバックキャスティングされた最大限頑張って2030年にどうにか達成できるレベルの脱炭素への本気度を表した目標設定を切望いたします。

2は、1を踏まえて、更に上積みできるような計画となるであろうと考えると、2030年時点でのZEH以上の住宅のフロー割合(NDC26%での目標が新築フローは平均ZEHだったのでそれ以上となる?)、及び2030年目標とするZEH以上のストック数(NDC26%で313万戸だったので、NDC46%でどこまで上積みされるか)に注目していきたいと思います。

最後までお読みいただき、有難うございました。

 

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