春に向けてピークがやってくる!不調の原因は花粉・黄砂・PM2.5にあった!家にいても安心できないその理由とは?

春に向けてピークがやってくる!
不調の原因は花粉・黄砂・PM2.5にあった!
家にいても安心できないその理由とは?

これから春にかけてやってくる花粉症の季節。
日本では国民の4人に1人がかかるといわれるほど、もはや花粉症は国民病の一種です。

コロナ禍前は、くしゃみをしている人を見かけると「ああ、そんな季節だな」と感じていましたが、今はうかつに人前でくしゃみをすることもできなくなりましたよね。

実際、コロナ禍で人の目が気になって外出しにくくなったと感じる花粉症患者は多いようです。
そうなると症状のつらさだけでなく、精神的にも負担がかかります。

その他にも、春頃になるとよくニュースでも注意喚起される黄砂PM2.5などの有害物質は、呼吸器系・循環器系への悪影響が懸念されます。

外出を控えれば回避できる?

いえいえ、外出先だけでなく、家の中にいても花粉や有害物質で健康被害にあう可能性があるんです。

でも、安心してください! 解決できるいい方法があるんですよ!

まずはその前に! 花粉症、黄砂、PM2.5の違いやそれがもたらす健康被害についてお伝えします。
解決方法については次回ご紹介しますのでお楽しみに!

不調の原因である花粉、黄砂、PM2.5の違いって何?

春先になると「なんだか鼻がムズムズする」「のどの調子がよくないようだ」などと感じることはありませんか?

それ、もしかしたら花粉黄砂PM2.5が原因かもしれませんよ。

「敵を知り、己を知れば百線危うからず」という有名な孫子の言葉にもありますように、まず相手のことを知らなければ作戦(対策)も立てようがないわけですから、ここではそれぞれについて説明していきたいと思います。

敵(花粉、有害物質)を知ってみんなで立ち向かっていきましょう!

たくさん集まってようやく目視できる花粉

不調のひとつであるアレルギー症状といえば花粉症ですよね。
その原因となっているのは、文字どおり花粉です。
花粉症が現れたのは最近のことのように思いますが、実は最初に報告されたのは1960年代で、年々増加傾向にあります。

症状をもたらす花粉の種類は50種類以上あるといわれており、それぞれに飛散時期が異なります。

ただ、日本の国土のうち、約7割が森林で、そのうちの4割が人工林。さらにその7割スギヒノキが占めていることから、ここではスギ花粉ヒノキ花粉の特徴について取り上げます。

花粉の種類粒子の大きさ飛散時期ピーク時

スギ花粉
大きさは30~35㎛
(0.03mm~0.035mm)
2月上旬から4月下旬3月頃

ヒノキ花粉
大きさは25~30㎛
(0.025mm~0.03mm)
3月中旬から5月中旬3月下旬から4月頃

大きさの単位はマイクロメートル(㎛)といいます。1㎛=1mmの1000分の1です。
通常は肉眼では見えません。よく、黄色い粉が舞っている映像を見かけることがありますが、あれはたくさんの花粉が集まってようやく目視できているだけなのです。

飛散時期やピーク時を見ても、まさにこれからが本番! という感じですね

偏西風で運ばれてくる黄砂

黄砂は太古の昔から観測されているようですが、その被害が日本で社会問題化されたのは2002年頃のことです。

では、そもそも黄砂とはどんなものなのでしょうか。

黄砂は中国大陸の砂漠や高原など、乾燥・半乾燥地域から偏西風に乗って日本に飛来する土壌・鉱物粒子のことです。運ばれてくる途中で汚染物質が付着してしまうこともあります。

農作物や生活環境に被害をもたらすだけでなく、気候変動や海洋生態系の乱れにも関係があると考えられています。

黄砂の粒子の大きさはおおよそ4㎛です。花粉と比べてもいかに小さいかがわかります。
そのため、吸い込んでしまうと呼吸器系や循環器系に悪影響を及ぼす可能性が高いです。

日本には年間をとおして飛来しますが、2月から5月までが多く、ピークは4月頃です。

今どのくらいの黄砂が飛んでいるかは環境省のWebサイト「黄砂飛来情報」で確認できますよ。

有害物質を含むPM2.5

黄砂よりさらに小さな粒子がPM2.5 です。最近よく聞かれるようになりましたね。

PMとはParticulate Matter(粒子状物質)の頭文字です。そのうち粒子が2.5㎛以下であるものがPM2.5となります。別名、微小粒子状物質ともいいます。

その成分は地域や季節、気象条件などによって変わりますが、物の燃焼などによって直接排出されるものと、ガス状の大気汚染物質が大気中で化学反応を起こして粒子化したものとがあります。

ボイラー、焼却炉などのばい煙、コークス炉などの粉じん、自動車の排出ガス、家庭のストーブ、自然界の火山灰などが主な発生源です。

髪の毛の30分の1程度の細かい粒子が肺の奥まで入り込むため、喘息や気管支炎などの呼吸器疾患だけでなく、肺がんのリスクの上昇や不整脈など循環器系への影響も懸念されています。

健康への影響は大気中の濃度で測りますが、例年、冬から春にかけては濃度の変動が大きく、上昇する傾向がみられます。

人の健康を保護する上で維持されることが望ましい基準(環境基準)は、

1年の平均値が15μg/㎥ 以下で、かつ、1日の平均値が35μg/㎥以下であること

と定められています。

反対に1日の平均値が70㎍/㎥になると健康に影響があるとされています。

現在の状況を知るには、環境省大気汚染物質広域監視システムそらまめくんが便利です。

なぜ花粉症になるの?

花粉、黄砂、PM2.5はそれぞれ粒子の大きさや発生場所などは異なりますが、人体によくない物質であることは共通しています。

特に花粉はアレルギー症状を引き起こし、それが花粉症と呼ばれるものになります。

では、花粉症のようなアレルギー症状は一体どういうふうに起こるのでしょうか。

花粉症発症のメカニズム

では、花粉症がどういう経緯で発症するのかについて見てみましょう。

※肥満細胞とは、別名マスト細胞とも呼ばれます。皮膚や皮下組織、肺、消化管、肝臓などに広く存在しています。肥満細胞の表面に免疫に関与するタンパク質が付着します。
肥満細胞という名前からして、肥満と関係があったり、肥満の人に多い細胞と思われがちですが、細胞自体が大きくなることから付けられた名称であり、肥満とは無関係です。

花粉症は、体内に入った花粉に対して人間の身体が起こす抗原抗体反応です。体内に侵入した花粉を異物と認識し、この異物(抗原)に対する抗体が作られます。そこに再び花粉が侵入すると、それを排除しようと起きるのがアレルギー反応であり、くしゃみ、鼻水、目のかゆみとして現れます。

全員が花粉症になるわけではない

なるほど、花粉症は侵入した花粉を撃退するための反応だったのですね。
ただし、花粉が体内に入ったからといって全員が花粉症になるわけではありません。

もともと体内にアレルギー素因を持っていない人は発症しませんし、持っている人でも発症するまでには時間を要することがあり、人によって異なります。

アレルギー素因とは、アレルギー疾患になりやすい体質のことで、遺伝傾向があります。

素因を持っている人の場合、数年から数十年の間に花粉を浴び続けた結果、体内に十分な量の抗体ができ、何らかのきかっけで発症するといわれています。

よく、コップに水がいっぱいになるとあふれる現象にたとえられますよね。
だから、今反応が出ていないからといってこの先も花粉症にならないとは限らないわけです。

では花粉症を発症している人はどのくらいいるのでしょうか。

実は正確な数字はよくわかっていません。ですが、1998年、2008年、2019年とほぼ10年おきに3回実施されている全国の耳鼻咽喉科医とその家族を対象とした鼻アレルギーの全国調査があります。

それによると、1998年には19.6%、2008年には29.8%、2019年には42.5%とほぼ10%ずつ増加しているのがわかります。つまり、最近では4人に1人の割合で花粉症を発症していることになります。

また2019年の調査では、ほぼ3人に1人がスギ花粉によるものと推定されています。

外出しなければ花粉症にならないの?

花粉症の症状の特徴は、水のような鼻水、繰り返すくしゃみ鼻づまりです。
そのほか、目にもかゆみや異物感が生じることもあります。

特に鼻の症状は呼吸がしづらくなるため、集中力の低下や睡眠障害につながり、勉強や仕事、家事の妨げになります。

つらいですよね。だからといって、まったく外出しないわけにもいきません。

やむをえず外出する際には、不織布マスクはもちろんのこと、場合によっては花粉用のゴーグルなどでなるべく保護するようにしましょう。

それなら、家にいれば安心なのでしょうか。
それが、残念ながら家にいても花粉症を防ぐどころか、悪化させてしまう場合もあるんです。

家にいても花粉症になってしまう

「家にいるのに、どうして花粉症になるの?」と思うかもしれません。

考えられる可能性は、外から花粉が入ってきてしまうことです。
たとえば、

①外出した際、服や髪の毛に付着した花粉を持ち込んでしまう
②外に干した洗濯物に花粉が付着する
③換気の際に花粉が入ってきてしまう
④家中の隙間から花粉が入ってきてしまう
⑤花粉の掃除が不十分である

などです。

ではなぜ花粉が入ってきてしまうのか、③と④の理由についてもう少し詳しく説明しましょう。

まず、換気についてです。換気というのは、窓を開けるなどして外の空気を取り込むことですから、当然、外で花粉が浮遊していたら、室内に入ってきてしまいます。ですから、外より家の中のほうが花粉量が多いなんてことも!!

また、見落としがちですが、料理の時につける、レンジフードによっても花粉は入ってきます。
ただ料理の時のにおいや煙などを捨てる機能だけのレンジフードを設置していると、捨てた空気の同量分だけ、同時にガラリや換気口、隙間などから外の空気が室内に取り込まれているのです。外に捨てるイメージが強いレンジフードですが、スイッチを入れた瞬間、別のところから空気を入れていることは意外と知られていませんね。

次に、隙間です。実は、あまり気が付かないかもしれませんが、家は隙間だらけなんですよ。
特に気密性の低い住宅はその傾向が強く、そういった隙間から花粉が入ってきてしまいます。

家に入ってくる花粉の85%が隙間から入ってくるというデータがあるくらいです。
詳しい情報は、ウェルネストホームの記事「窓を閉めても花粉は侵入する」をご覧ください。

花粉を家に入れない方法として、①は、服や髪の毛などに付着した花粉をよくはらってから家に入る。②も、よくはらってから取り込む、というのが一般的ですよね。

③については「えっ!どうしたらいいの?」という感じですが、換気は花粉の飛散が少ない早朝や深夜にするか、第1種換気を採用されている住宅だったら換気扇にフィルターを設置するとよいでしょう。

家に入ってきてしまった花粉はしっかりと除去したいもの!加湿する、拭き掃除をしてから掃除機をかける、空気清浄機を使う、エアコンに花粉除去フィルターを設置する、などが対策として考えられます。洗濯物を柔軟剤で仕上げて、静電気による花粉の引き寄せを防ぐことも大切です。

その原因と対策については、ウェルネストホームの記事「家の中で花粉症がひどくなる!花粉対策と原因についてご紹介」もあわせてご覧ください。

ただし、これらの対策はあくまでも対処療法でしかありません。

黄砂やPM2.5が花粉症悪化の原因となることもある

家にいても花粉症になってしまうでは、家にいても花粉症になってしまうということをお伝えしました。

よく考えてみたら、花粉が入ってくるということは、それよりも小さい黄砂やPM2.5も入ってくる危険性があるってことですよね。

黄砂やPM2.5は気管支炎や喘息などの呼吸器系の疾患を誘発してしまうだけでなく、肺から血中に移動することで心不全など循環器系にも悪影響を及ぼすことがわかってきています。

いずれも最悪の場合は死に至るケースもあるので注意が必要です。

これらの健康被害については、ウェルネストホームの記事「PM2.5対策(大気汚染)!住宅で健康被害を予防する3大原則とは?」に詳しく書かれているので、参考にしてみてください。

おまけに、黄砂やPM2.5が花粉症を悪化させるということが、近年わかってきました。

なぜなら黄砂やPM2.5に含まれる成分が花粉表面を傷つけてしまい、最終的には花粉が破裂してしまうからです。

破裂した花粉はより細かく砕け、その中に含まれているヒスタミンなどのアレルギー物質が微細化し、それが鼻やのどを通り抜けて気管支や肺に到達、花粉症が悪化してしまうのです。

(こちらの内容は2021年3月26日16:00のウェザーニュース『黄砂などで「花粉爆発」喘息など重症化も』https://weathernews.jp/s/topics/202103/160095/ から引用させていただきました)

家にいるだけで、花粉症になってしまうどころか、悪化させてしまうなんて恐ろしいですね。
いちいち花粉をはらったり、拭き掃除をしたりと、涙ぐましい努力をするしかないのでしょうか。

いえ、もちろん、ありますよ!

ウェルネストホームの家は花粉症などに十分対応した構造になっています。
ですから次回は、3-1 家にいても花粉症になってしまう でお伝えした5つの原因について、ウェルネストホームならではの対策をご紹介しますね!

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