ドイツ フライブルクの旅⑤
フライブルクの古い建物や街区について学びます!
前回のドイツフライブルクの旅④フライブルクの森林業について学ぶ(後編)では、森林の持続可能な活用について、森林・環境コンサルタントの池田憲昭さんと早田との対談をお届けしました。
第5弾では、フライブルク市の郊外を視察した様子をご紹介します。18世紀の美しい建物が、美しい街並みをつくっています。
それではさっそく見ていきましょう!
フライブルク市屈指の高級住宅街・ヴィーレ地区
フライブルク市の郊外を視察するため早朝に出発したウェルネストホーム一行。
この日は雲ひとつない青空がひろがり、朝の目抜き通りにも美しい朝日が降り注いでいました。
通りを走るトラム(路面電車)に乗り、まずはヴィーレ地区に向かいます。
市内中心部からトラムに乗って3駅の場所にある、ヴィーレ地区に到着しました。
ヴィーレ地区は、18世紀に起こった産業革命以降、中流階級だったの市民が富を得て豊かになり築いたエリアです。フライブルク市の中でも屈指の高級住宅街と言われています。100年以上前から建っているとは思えない美しい建物が立ち並ぶ、洗練された佇まいが印象的ですね。
こちらの建物をご覧ください。おそらく18世紀後半の建物です。3階建てですが、1フロアの高さは4.5mもあります!日本の建物では5階建て相当の高さになるのではないでしょうか。
対して、60〜70年前に建てられたこちらの建物をご覧ください。近年の建物は階高が低くなっています。
低いといっても、日本の建物よりは高いですよ。
美しい街並みを歩きながら、こうして新旧や日独の建物の違いを見比べるのも面白いものですね。
ヴィーレ地区の物件価値
フライブルク市の物件価格はこのようになっています。
フライブルク市
1平米=約8,000ユーロ
ヴィーレ地区
1平米=約10,000ユーロ
日本円に換算すると1平米あたり約120〜150万円。坪単価はおよそ500万円になります(視察に訪れた2023年4月時点)。
ヴィーレ地区の物件価格はフライブルク市の中でも高額。
築130年の建物が、坪500万で販売されているなんて驚きです!
歴史的建造物に高い価値があることが分かります。
当時の労働者の夢を今も残すガーデンシティ
続いて、ガーデンシティと呼ばれるエリアを訪れました。
ヴィーレ地区と比べると階高が低い建物が数多くみられます。
産業革命の時代はまだ郊外だったこのエリアには、多くの労働者が暮らしていました。都市部に通い働いていた人々が、よりよい暮らしを願って労働組合をつくり、その組合がお金を出し合って建てられたのがこの住宅群です。
住戸ごとに広い庭がついているのは、「よりよい環境で暮らしたいとう」当時の労働者の願いを象徴するもの。それが今日まで残っているのです。
また、ガーデンシティを上から見ると、庭付きのラインハウスが扇形に並び、区画がきれいに整備されているのが分かります。
古い建物が美しく、価値のあるまま現在まで残されて、次の世代にも受け継がれていく。
ドイツにおける住宅に対する考え方や、建築・改修の技術は、学ぶところばかりです。
まとめ
今回は、ヴィーレ地区とガーデンシティをご紹介しました。どちらも、18世紀から今日までの歴史を感じられる、美しい街でしたね。
記事の内容は、こちらの動画からもご覧いただけます。
次回のドイツ フライブルクの旅は、ウェルネストホームの原点ともいえる「ヴォーバン住宅地」をご紹介します。ぜひ、ご覧ください。