ウェルネストホーム創業者、早田宏徳に聞く!
ズバリ、住宅ローンは変動金利と固定金利どっちがいいの?!
金利が上がっているというニュースを最近よく耳にしますよね。
今回は、気になる住宅ローンについて、ウェルネストホーム創業者・早田の見解を聞いてみたいと思います!
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欧米諸国と日本の金利事情
――住宅ローンを借りる時、「変動金利」と「固定金利」で悩む方は多いと思います。金利についてどのように考えたらよいのか、早田さんの意見を伺いたいのですが。
早田 難しい問題ですね。世界的には金利は上昇しすぎています。特にヨーロッパ、アメリカは、金利が高すぎて家が買えないとう声もある。2024年1月時点で、金利はアメリカで5%超え、ヨーロッパでも4%を超えています。
アメリカやヨーロッパはバブルで余ったお金を不動産に投資し、新築がどんどん建ちました。その結果、景気は良くなったけれど、インフレが進行し過ぎましたね。インフレを抑えるために、金利を高くして買う人を減らし、景気後退を狙ったわけです。急激に景気を後退させるとバブル崩壊のようになってしまうから、今は、ジワジワと景気後退させようというフェーズだと思います。
――では日本は今どういう状況なんでしょうか。
早田 日本はバブル崩壊から30年、ずっと金利は安くて、住宅ローン金利は1%を切っています。変動金利にいたっては0.6%程度なんです。
長期金利が低い日本ですが、世界がこれだけインフレで利上げに舵を切っている中で、日本だけがテコでも動かないというのはあり得ないでしょう。実際、株価は過去最高を超え、大企業は決算もいい。それなら日本の金利もそろそろ上がるのではないか、と考えるのが普通ですよね。
――住宅を購入する側からすると、金利上昇は困ります。
早田 その通り。私たち住宅会社の意見を言うと、3年間で建材価格がおよそ150%値上がりして、土地も値上がりしている中で金利も上がったら、家を建てられない人がかなり増えてしまいます。
そうなると何が起こるかというと、工務店の大倒産時代がやってきます。
家が買えない人が増えるわけですから、工務店は潰れますよね。 そう考えると、銀行も金利を上げるに上げられない、でも上げなかったら国としても辛い、という状態になっているわけです。
――八方塞がりですね!
早田が勧める住宅ローンとは?
早田 だからこそ、私が推奨したいのが、変動金利でも固定金利でもない、残価設定型ローンです。ここでは残価クレジット(以下、残クレ)と呼ばせてもらいますね。
――残クレは、よく車のローンで耳にしますが、住宅にも使えるのですか?
早田 むしろ、ヨーロッパでは、残クレが一般的です。
ヨーロッパでも1億円するような家が普通にあります。一般市民は一生手が出せないですよね。でも、10年間で元金の5%だけ払って、残りは金利の支払いだけだったらどうでしょう。
――もっとわかりやすく説明してもらえますか。
残価設定型ローンとは?
ここでちょっと編集部より解説します。
通常の住宅ローンは、元本と金利を一緒に返済していきますが、残価設定型の住宅ローンは、残価を設定し、元本と残価の差額と金利のみを返済する仕組みです。
ローンが満期となったら、住み続ける場合は再度ローンを組むか、ローンの残額(残価)と同額で自宅を売却して完済するかを選ぶことができます。※
残価を保証するためには、対象となる家は数十年後にも価値のある家でなくてはなりません。
※借り替えや相続など、金融機関により、さまざまなシステムがあります。
4千万円の家を購入し、残価設定型ローンを利用した場合のシミュレーション
4千万円の住宅を購入し、35年後の残価を2千万円と設定すると、残りの2千万円のローンを払えばよいことになります。元金の金利は1.5%と仮定しました。
残クレなら1億円の家も買える?
早田 1億円の家を買うとして、元金の5%なら、500万円ですね。10年間で500万円を支払います。この500万円が資産の目減り分というわけです。それに金利が2%だとすると、1億円の2%だから200万円、年間200万円の金利を支払います。
1年間に支払うのは、500万円を10年で割った50万円と、金利の200万。つまり、年間250万円を支払ったら、1億円の物件を買えるということです。もし、金利が1%だったら年間150万円支払えば買えるということです。
――ローンの組み方が日本とまるで違います!
早田 日本の場合は、35年間のローンを組んでもらうけど、35年後の価値はゼロになっています。逆の言い方をすれば、建物がどんなにボロかろうが、安普請だろうが、年収され通れば、融資が通る。つまり、銀行がどんどんとお金を貸すから、ローコスト住宅という名のもとの低品質な住宅が普通に建ってしまっています。
要は、資産価値が目減りしない、耐久性の高い家を建てたら、10年後も建物の価値が残っているので、金利の支払いだけで住んでいいですよというのが、アメリカやヨーロッパの一般的な考え方です。しかし日本はそうではありません。
――そういうことですね。日本は35年もの間返済を続けて満額払っても、完済後に住宅の価値がほとんど残ってないというのは残念すぎます!
耐久性が高い住宅が、これからの日本に必要なワケ
早田 だから、耐久性が低い家を売り続けるということに対して、銀行もそろそろメスを入れないといけないと思いますよ。
今のやり方をしていたら、金利が上がった瞬間、誰も家を買えなくなって日本の住宅業界は崩壊してしまいます。 だから僕は、住宅のあり方も、銀行、金融庁をも含めて考え直するフェーズに来ていると思っています。
――ウェルネストホームのように耐久性が高い家なら、それが実現できるわけですよね?
早田 ウェルネストホームの家は平均4,000万円ですが、例えば、10年後10%価値が下がるとすると、10年後家の価値は3,600万円。残りの400万円と金利を払うとすれば、十分買えるでしょう。そうすれば修繕積立だってしやすくなります。建物の価値に担保をつけてくれたら、そういうローンの組み方ができるんです。
――ヨーロッパの場合、融資する銀行が、その住宅の将来の資産価値まで試算するのでしょうか。
ヨーロッパの都市計画・住宅性能に学ぶこと
早田 そもそも、ヨーロッパではどの建物も気密性が高いですし、法律上、耐久性が高い建物しか建てられません。
それにハザードマップに則って、洪水が来たら水に浸かってしまうようなところには、建設許可は下りません。国全体で省エネ住宅をつくっていて、都市計画もしっかりしているので、銀行が考慮するのは人口くらいではないでしょうか。
人口が減少するという統計予測が出れば住む人が減るので担保価値が下がりますが、人口が増えるのであれば買いたい人が増えて、価値は上がっていきますよね。
――しかし、日本のような人口減少社会では、家の価値が高くても住む人の人口が減っていくわけですよね。
早田 だからこそ、「どこに建てるのか」「長期で好まれる家になっているのか」ということを考えないといけません。仮に人口が減ると予測される田舎の土地であっても、50年後にそこがどのような状況になるかを見据えていかないといけません。例えば、観光地があるなら街は存続しているでしょう。
人口が減少するなら、できれば、郊外に拡散した住宅は市街地に集約した方がいい。農家であればそこに畑があるので、留まる価値はありますが、郊外から中心地に車で通勤するようなところにはたして価値はあるのか。確かに、お父さんお母さんから受け継いだ土地だから、と言う気持ちもあるでしょうが、そこで座礁してしまうような資産をつくってよいのか?と問いたいですよね。
――そう考えると、都市計画というのはとても大事な視点なんですね。
早田 僕はそんな時代だからこそ、しっかりメスを入れて、いい建物だけに融資する、という銀行が出てきてほしいと思います。
そうしたいい建物しか建てられないような世界にどんどんしていく。
それこそが世界標準なんですよ。いつまでも日本標準だけでやっていたら住宅業界自体が持たないと思いますよ。
――仮に土地の値段が上がっても、金利が上がっても、残価設定型の住宅ローンなら買える人が増えますね。
早田 その代わり、「いい建物をつくりなさい」「60年、100年と長持ちする住宅をつくりなさい」「CO₂を出さない家をつくりなさい」と、国がもっと言うべきです。
――変動金利、固定金利から残クレの話になってしまいましたが、これからの日本の住宅、都市計画について考える、大変興味深いお話でした!
まとめ
残価設定型の住宅ローンが日本でも浸透すれば、ウェルネストホームのように、耐久性が高く資産性の高い住宅の価値はますます上がっていきますね。
今回の記事の内容は、こちらの動画からもご覧いただけます。
ウェルネストホームでは、新築戸建て住宅だけでなく、賃貸住宅も手掛けております。
ウェルネストホーム仕様の賃貸住宅に住みたい方はもちろんのこと、購入前のお試しとしてお住まいなるのもおすすめです。
ぜひ、ご検討ください。