家は建てて終わりじゃない!?
見過ごされがちなメンテナンス費用について早田 宏徳が解説します！
家づくりラボ編集部
住宅は、建てて終わりではありません。住んでいく中で定期的にメンテナンスが必要であり、それには費用が発生します。今回は、実際どんな費用がどれぐらい発生するのかについて、建てるときに気をつけるべき点と併せて株式会社WELLNEST HOMEの代表取締役創業者・早田宏徳が解説します。
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メンテナンスが必要になる箇所とは
住まいにかかる費用として見過ごされがちなメンテナンス費用。どんなものにどれぐらいかかるのかというのは、意外とわかりにくい部分ではないでしょうか。そこで、一般的な住宅を例にしてご紹介していきたいと思います。
最も劣化しやすいのは外壁
最初に劣化するのは外壁です。特にサイディング（建物の外壁を覆うための板材）を使っている外壁は注意が必要だといえます。サイディング同士のすき間を埋めるシーリング材（別名：コーキング）は、大体10年ぐらいで劣化してひび割れや剥がれが起こり、交換しないと雨水が侵入してしまうからです。
外壁は、15年も経つと表面の色がかなり褪せてきます。塗装の劣化が進むと、そこから雨水が侵入していくので、塗装は絶対に必要です。ここが、一番お金がかかる部分になるでしょう。
屋根
次に屋根です。最近はあまり使われていないようですが、昔よく使われていた屋根材で、ストレート瓦（スレート屋根）というセメントを主成分とする薄い板状の屋根があります。こういったセメント系の屋根材は塗装が剥がれると水を吸いやすくなるため、外壁と同じように、劣化したら塗装が必要ですので、気をつけてください。
バルコニー
意外に盲点なのがバルコニーです。
最近、屋上をバルコニーにしたいといわれる方が増えていますが、どの部分であってもバルコニーは雨風にさらされ、夏の暑さ・冬の寒さをまともに受ける場所です。傷みを避けられないため、メンテナンスとして防水とトップコートを10年に1回はしなくてはなりません。これもけっこうお金がかかります。また雨漏りなどが起こるリスクも否定できません。
水回り・その他の設備
水回りも壊れやすい場所です。あとは、ガス給湯器やエコキュートなど。これらは一般的に、大体10～15年ぐらいで壊れはじめます。使い方にもよりますが、洗面台などは20～30年で交換される方が多いですね。
予算について
メンテナンスの費用はメーカーや住宅の大きさによって幅が生じますので、こちらではざっくりと目安をご紹介します。
外壁の塗装と屋根交換を同時に行う場合
最近は、外壁塗装工事のインターネット広告が非常に多く、そこから業者を探す方もいらっしゃるでしょう。また、よく聞く話ですが、家が古いと本当に「ピンポン」と訪問業者が来るそうです。「屋根を取り替えませんか？」「瓦を葺き替えませんか？」「外壁を塗り替えませんか？」といった感じですね。
私が聞いた話では、外壁塗装をする際に足場を組むため、「ついでに屋根も交換しませんか？」と売り込まれるケースが多いようです。その場合は外壁塗装と屋根の交換で、300～500万円ほどかかるとか。単に外壁の塗り替えだけなら、100万円もあればできると思いますので、不必要な工事を勧められないよう注意が必要です。
そういった業者では、まず足場をかけるのに30万円ぐらい。塗装は内容にもよりますが、ゴムの打ち替えなどもすれば外壁だけで少なくとも150～200万円ぐらいはかかるのではないでしょうか。
それを12～13年に1回しなくてはならないわけですから、けっこう大変ですよね。仮に20年に1回100万円だとしても、1年で計算すると5万円。普通はそんなに長くほったらかしにはできないので、本来は年間8～10万円ぐらい積み立てておかないといけないでしょう。
水回り・その他
水回りの場合、たとえば20年後、30年後にキッチンやお風呂を交換したいと思ったら、大体の方が大規模なリフォームをされます。多くの方が「せっかくなら一緒に床も張り換えたい」と考えますが、実は床の張り替えが一番大変です。扉や框（かまち※）、階段などが絡んでくるので、すぐに200～300万円になります。
もちろん選ぶものによりますが、キッチンやお風呂を入れ換えるのにも200～300万円かかります。すると、30年目ぐらいには500～800万円のリフォーム工事をするといったケースが普通にありますよね。
さらに家が「暑い・寒い」のを改善したいと内窓を入れれば、すぐ1,000万円です。エアコンだって15～20年に1回は壊れますから、その都度1台20万円。5台あるご家庭なら、15年に1回100万円かかるわけです。
※ 床の間や玄関、建具などの部分に「横」に入れる化粧材のこと
できる限りメンテナンスフリーを目指すウェルネストホームの家
やはり家の性能がよくないと、メンテナンスにお金がかかります。そのためウェルネストホームでは、機械ものでもメンテナンス費用がかさむものはあまり入れないほうがいいと考えています。「今安いから」だけじゃない選び方が大事になってきますよね。
できるだけ耐久性の高いものを買う。またメンテナンスに業者を呼ぶ必要があるものではなく、ご自分で簡単にできるものにする。弊社はなるべくセルフビルド・DIYで対応できる素材や設備を選ぶことで、できる限りメンテナンスフリーを目指した家づくりを行っているのです。
簡単に補修できる内壁
ウェルネストホームの内壁は「ルナファーザー」に「ルナしっくい」。しっくい壁のキズや汚れはご自身の手で補修できます。
換気システムほかもセルフメンテナンスが可能
換気システムは、すべてご自分で簡単に掃除できるものです。またここ2～3年で発売している外壁「ウェルネストウォール」も、できるだけメンテンスフリーを目指しています。
セルフメンテナンスで愛着を深める
お客様に自分の家を楽しみながらメンテナンスしてほしい。私はそう考えています。ヨーロッパでは、労働時間が短縮される傾向にあり、休みが増えています。
毎週しっかり休みがあるので、1日は疲れをとる日にしても、もう1日はキャンプに行くなど活動的に過ごせる。そういったときに、家のメンテナンスも家族で楽しむというのはすごくいいことだと思います。
「ウッドデッキをつくろう」とか「お庭をいじろう」というのと同じように、「今日は外壁をメンテナンスしよう」「塗り壁をタッチアップしよう」「今週はみんなで換気扇・ヴェントサンのフィルターとレンジフードを掃除しよう」といったふうに。
そんなふうに1カ月に1時間でもいいから家族みんなで楽しんでメンテナンスすると、マイホームにより愛着が湧きますし、子どもたちも「家ってこうやって維持するんだ」というのを覚えられます。それは子どもが大人になったとき、きっといい思い出になるのではないでしょうか。
まとめ
ここまで、住まいに必要なメンテナンスとその費用についてお話ししてきました。メンテナンスの面でも、一般的な住宅とウェルネストホームの家とでどう違ってくるのかおわかりいただけたでしょうか。
弊社では、将来的なメンテナンスの負担軽減までを見据えた家づくりを行っています。気になる方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
※早田宏徳による家のメンテナンス費用についての解説は、こちらの動画でもご紹介しています。ぜひご覧ください。