冬の乾燥は超危険!原因と3つの対策をご紹介【湿度管理の重要性】
「冬の乾燥ってどう対策すればいいんだろう・・・。加湿器使うのも大変だなあ。そもそもどうして乾燥するんだろう?」
とお困りではありませんか。
結論からお伝えしますと、
冬に空気が乾燥する理由は、「夜に冷え込んだ際、空気中に含むことができる水蒸気量が減り、あふれた分が結露する。そして、水蒸気量が少ないまま日中を迎えてしまい、結果湿度が下がるから」です。
肌が乾燥する理由は、「空気の温度と、皮膚の表面温度との圧力差がどんどん大きくなり、皮膚から水分が抜けやすくなるため」です。
そして、冬の乾燥が危険な理由としては、「肌トラブル」「健康リスクの増加」です。
また、おうちの乾燥対策には
・室内干しで加湿
・残り湯で加湿
・高性能住宅に住む
という3つの方法がおすすめです。
本記事では、冬にお肌が乾燥する理由と、湿度管理の重要性、そして3つの乾燥対策について、実際の測定結果をもとに詳しく解説します。
こちらについては、私のYoutubeチャンネル「高性能な家づくりチャンネル」でもご紹介しておりますので、そちらも併せてご覧いただけると幸いです。
contents
冬に乾燥する理由
そもそも、どうして冬は乾燥するのでしょうか。
空気が乾燥する理由と、皮膚が乾燥する理由についてご説明いたします。
空気の乾燥
冬に空気が乾燥する理由は、「夜に冷え込んだ際、空気中に含むことができる水蒸気量が減り、あふれた分が結露し、水蒸気量が少ないまま日中を迎えてしまうから」です。
こちらは、「空気1kgに含むことの出来る最大の水蒸気量」についての図です。
弧を描いている黒い太線が、境界線です。
そのため、この線より水蒸気が多い場合は、空気はそれ以上水蒸気を含むことができず、「結露」します。
冬にグッと冷え込むと、空気中に含むことのできる水蒸気量が減って、結露してしまいます。
そして、日中気温が上がると、空気中に含むことのできる水蒸気量は増えます。
しかし、結露したことで、水蒸気量は減ったままなので、湿度も下がってしまいます。
これが、冬に空気が乾燥する理由です。
皮膚の乾燥
では次に、皮膚の乾燥について見ていきましょう。
こちらは、「なぜ冬に皮膚が乾燥するのか」を表したグラフです。
皮膚の温度が33°Cだと仮定して、湿度ごとにどれくらい乾燥しやすいのか、線を引いています。
線が下に行くほど、乾燥しにくくなる、ということになります。
そのため、このグラフから、
・「温度と湿度が上がるほど、乾燥しにくくなる」
→皮膚の表面温度と、空気温度の差が小さくなり、皮膚から水分が抜けにくくなるため
・「温度が下がるほど、湿度に関わらず乾燥する」
→皮膚の表面温度との圧力差がどんどん大きくなり、皮膚から水分が抜けやすくなるため
ということがわかります。
冬の乾燥が危険な理由
冬の乾燥には、危険なポイントがたくさんあります。
肌トラブル
冬の乾燥が危険な理由の1つ目は、「肌トラブル」です。
乾燥すると、肌のバリア機能が失われ、ウイルスやアレルギー物質を体内に入れてしまいます。
また、肌が白く粉を吹いたりすることもあり、健康と美容の両方の観点から見ても、乾燥は危険です。
次では、「なぜ乾燥すると肌トラブルが発生するのか」について、解説します。
こちらは、健康な肌(乾燥していない状態)の図です。
この場合、肌のバリアがしっかり機能しているため、ウイルスやアレルギー物質が来ても、身体の中に入れることはありません。
こちらは、乾燥肌の図です。
乾燥している場合は、肌のバリアが壊れてしまうため、水分がどんどん抜けていき、ウイルスやアレルギー物質が体の中に入ってきてしまいます。
結果、紫外線によりシミやそばかすができやすくなったり、肌が荒れたり、アレルギー疾患が進行しやすくなってしまいます。
乾燥は、やはり肌にもよくない状態です。
健康リスク
冬の乾燥が危険な理由の2つ目は、「健康リスク」です。
こちらは、「正常なのど」の図です。
正常なのどでは、繊毛運動によって、病原体やアレルギー物質を身体の外に押し出します。
その結果、身体への被害を最小化してくれます。
2020年の新型コロナウイルス感染症の第2波では、無症状の方が多かったと思います。
それは、空気が乾燥していなく、繊毛運動が活発だったため、罹患しない、もしくは健康被害が小さい方が多かったのではないか、と推察しています。
しかし、乾燥している場合はどうでしょうか。
こちらは「乾燥したのど」の図です。
乾燥したのどは、繊毛運動のパワーが低下し、病原体やアレルギー物質が身体の奥まで入ってしまいます。
そのため、冬にはインフルエンザが流行する傾向にあります。
また、新型コロナウイルスも重症化するリスクが高いのではないか、と推察しています。
(新型コロナは変異しているため、一概には言えませんが)
のどの保湿は、健康面を考えてもかなり重要だといえるでしょう。
ウイルス
冬の乾燥が危険な理由の3つ目は、「ウイルスが広がりやすくなること」です。
冬になると、先ほどお話したようにインフルエンザ等の感染症が拡大する傾向にあります。
こちらについては、「のどが乾燥して、繊毛運動のパワーが低下する」ことと、「ウイルス自体の広がるスピードが、冬になると拡大する」ということが、理由です。
乾燥すると、唾液の飛沫が小さく軽くなるため、ウイルスが空気中に漂ってしまいます。
おしゃべりしたり、呼吸をしている際、ごく微量な唾液の飛沫が飛びます。
この際、湿度が高い状態だと、多くの唾液の飛沫は地面に落ちます。
しかし、冬になって乾燥すると、唾液の飛沫が飛んだ瞬間に乾燥して、サイズが小さく、そして軽くなります。(上図参照)
そうなると、地面に落ちずに、ウイルスが空気中に漂い続けてしまう・・・。
これが、乾燥するとウイルスが広がりやすくなる理由です。
乾燥すると、肌トラブルは起きるし、のどの繊毛運動が低下しているところに、空気中に漂っているウイルスが感染してしまう・・・。
冬の乾燥は、健康・美容面ともにデメリットだらけなのです。
冬の乾燥対策
乾燥対策3選
続いて、冬の乾燥対策3選をご紹介します!
下記の記事でも詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
室内干しで加湿
乾燥対策の1つ目は、「室内干しで加湿」です。
4人家族で6kgの洗濯物を室内干しをした場合、約3Lの水分を加湿することができます。
理由としては、脱水した後の洗濯物は、乾燥している洗濯物の1.5倍くらいの重さになるためです。
(乾燥している洗濯物の重さの、約半分が水分)
おうちの中で洗濯物を干す、というのは、乾燥対策としてなかなか有効です!
残り湯で加湿
乾燥対策の2つ目は、「残り湯で加湿」です。
浴槽のお湯を貯めておき、浴槽のフタやお風呂場の扉を開けておくことで、水分が蒸発し、約2.7Lの加湿ができます!
(場合にもよりますが)
ただし、換気扇のスイッチをONにすると、そこから水分が逃げていってしまいます。
そのため、残り湯を使って加湿をする際には、換気扇のスイッチはOFFにしておき、浴槽のフタやお風呂場の扉を開けておきましょう!
高性能住宅に住む
乾燥対策の3つ目は、「高性能住宅に住む」です。
こちらについては、これから家づくりをご検討されている方に当てはまります。
高性能住宅は、気密性や断熱性が高く、家の温度や湿度を一定に保ちやすい傾向にあります。
外気温が氷点下でも、エアコン1台で家中暖かく、快適な湿度を保つことが容易です。
下記のページで詳しく解説していますので、これから家づくりをご検討されている方は、ぜひご覧ください!
暖房と乾燥の関係
次に、暖房と乾燥の関係性についてご説明します。
暖房で乾燥する理由
基本的に、暖房をつけると空気は乾燥してしまいます。
その理由について見ていきましょう!
暖房する際には、加湿を一緒に行わないと、家の中はカラッカラに乾燥してしまいます。
例えば、外気の温度が0°C、湿度が85%の時に、家の中を20°Cまでストーブで暖めたとしましょう。
20°Cの時、空気中に含むことができる最大の水蒸気量(飽和水蒸気量)は、14.7g/kgです。
しかし、外気(湿度85%、上図参照)には3.2g/kgの水蒸気しか含まれていません。
そのため、相対湿度が22%まで低下してしまい、とても乾燥してしまいます。
エアコンで乾燥する理由
エアコンを使う場合は、暖かい風が直接身体に当たってしまうため、より乾燥してしまいます。
エアコンの暖房の風は、40~50°Cくらいです。
その風が、ただでさえ乾燥している家で、直接身体に当たってしまうと、よりカラカラに乾燥し、肌トラブルや健康リスクが高くなってしまいます。
そのため、エアコンで暖房を使う場合は、廊下など人のいない場所で使用するなど、風が直接身体に当たらないようにするのがおすすめです。
ちなみに、高性能住宅では、エアコンが家に1台で、なおかつ風が人の身体に当たらないような設計がされています。
理由としては、断熱性や気密性が高いため、エアコン1台で、暖かい空気が家中に循環されます。
なので、快適な温度や湿度を保つことができ、肌トラブルや健康リスクの心配も少なくなります。
まとめ
冬に空気が乾燥する理由は、「夜に冷え込んだ際、空気中に含むことができる水蒸気量が減り、あふれた分が結露する。そして、水蒸気量が少ないまま日中を迎えてしまい、結果湿度が下がるから」です。
肌が乾燥する理由は、「空気の温度と、皮膚の表面温度との圧力差がどんどん大きくなり、皮膚から水分が抜けやすくなるため」です。
そして、冬の乾燥が危険な理由は、「肌トラブル」「健康リスクの増加」が挙げられます。
また、おうちの乾燥対策には
・室内干しで加湿
・残り湯で加湿
・高性能住宅に住む
という3つの方法がおすすめです。
乾燥対策については、こちらの記事でも解説していますので、ぜひ続けてご覧ください。
加湿器なしで加湿!おうちの乾燥対策3選【実測結果あり】
冬に暖房をつける際は、加湿を同時に行うことがとても重要になります。
そのため、これから家づくりを考えている方は、断熱性や気密性が高い、高性能住宅をご検討されてみてはいかがでしょうか。
ご興味のある方は、下記URLや、本メディア「家づくりラボ」の他の記事もご覧になり、資料請求をしていただければ幸いです。
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