加湿器なしで加湿!おうちの乾燥対策3選【実測結果あり】

加湿器なしで加湿!おうちの乾燥対策3選【実測結果あり】

「加湿器を使わず、おうちを加湿する方法はないかな・・・。」
とお困りではありませんか?

結論からお伝えしますと、
・洗濯物を室内干しする
・浴槽のお湯を貯めておき、浴槽のフタやお風呂場の扉を開けておく
・全熱交換換気を使う

といった3つの方法で、加湿器を使わず家の中を加湿することができます。

本記事では、
「室内に必要な加湿量」「エアコンなしで加湿する方法」「冬に加湿する際の注意点」について、実際の測定結果を踏まえて詳しく解説します。

こちらについては、私のYoutubeチャンネル「高性能な家づくりチャンネル」でもご紹介しております。

そちらも併せてご覧いただけると幸いです。

必要な加湿量

外気が5°C60%の状態で、室内を20°C50%にしたい場合、1日に必要な加湿量は「16L」です。
それはなぜなのか、これから詳しく見ていきましょう。

室内を20°C50%にしたい場合(外気は5°C60%)

加湿に必要な最低量は、室内の絶対湿度と外気の絶対湿度の差です。
上の図の容積絶対湿度を見てみると、約4.6g/m3の差があることがわかりますね。
そして、1時間あたり150m3ほど換気によって湿気が外に逃げています。
そのため、【150m3(換気による湿気ロス)×4.6g/m3(湿度差)×24時間=16.4L】という計算式が成り立ちます。
そこから、「1日に必要な加湿量は約16L」ということがわかりますね。

まとめ

外気が5°C60%の状態で、室内を20°C50%にしたい場合、1日に必要な加湿量は「16L」です。
加湿に必要な最低量は、室内と外気の絶対湿度の差です。
それに、1時間に150m3ほど換気によって湿気をロスしているということを考慮した場合、以下の計算式が成り立ちます。
【150m3(換気による湿気ロス)×4.6g/m3(湿度差)×24時間=16.4L】

ここから、1日に必要な加湿量が「16L」であることがわかります。

加湿器なしで加湿する方法

先程の計算で、1日に約16L加湿すれば良い、ということがわかりました。
実際に、加湿器なしでどのように加湿するかをご紹介していきます。

自然な加湿量

実は、生活の中で自然に出てくる湿気(基礎湿気排出量)5Lほどあります。
呼吸する際に出る水蒸気や、キッチンでお水を使ったり、身の回りのことが積み重なり、5Lほどが自然に加湿されています。

【16L(必要加湿量)-5L(生活の中で自然に出る湿気)=11L(残りの加湿量)】
そのため、上記の計算式が成り立ちます。
ということで、残りの11Lをどうやって加湿するかがポイントですね。

もし加湿器で11Lを加湿しよう、と考えた場合。
こちらの加湿器はタンク容量が2.5Lなので、11L加湿するには5回給水する必要があります。
さすがに手間もかかるし、現実的ではありませんよね。

そのため、これから加湿器を使わない加湿方法3選をご紹介します。

室内干しで加湿

1つ目は「洗濯物を室内干しする」です。
4人家族で6kgの洗濯物を室内干しをした場合、約3L加湿することができます。
これについて詳しく見ていきましょう。

一般的に「1日1人頭の洗濯物の量は1.5kg、4人家族なら6kg」とされています。
この6kgの洗濯物を洗濯し脱水した場合、乾燥重量の1.5倍くらいの重さになります。
乾燥重量のうち、水分は乾燥重量の0.5倍程度含まれています。
そのため【6kg(4人分の洗濯物の乾燥重量)×0.5(乾燥重量に含まれる水分)=3kg】で
脱水後の洗濯物には、3kgの水分が含まれることになります。

もちろん、洗濯機のメーカーや機種によっても脱水量は異なりますが、おおむねこのくらい
の数値になります。

残りの加湿量

残りの必要な加湿量は【11L-3L(4人分の洗濯物を部屋干し)=8L】です。
4人家族で6kgの洗濯物を室内干しをした場合、約3L加湿することができます。
【6kg(4人分の洗濯物の乾燥重量)×0.5(乾燥重量に含まれる水分)=3kg】
上記の計算式が成り立つためですね。

6kgの洗濯物を脱水した場合、おおよそ3kgの水分が含まれることになります。
それを室内で干せば、3Lの加湿ができますね。

残り湯で加湿

2つ目は「浴槽のお湯を貯めておき、浴槽のフタやお風呂場の扉を開けておく」です。
はたしてどのくらいの加湿ができるのか、実際の検証結果を見ていきましょう。

こちらは、浴室内のお湯の低下温度推移と蒸発量についてのグラフです。
12時間(約半日)放置したところ、2.7Lくらいの体積が減っていました。
そのため、浴槽の蓋とお風呂場のドアを開けっ放しにすることで、約2.7Lくらい加湿することができます。
その際、換気扇を回すと湿気が外に逃げるので、換気扇のスイッチはOFFにしておきましょう。

こちらのグラフでは「浴槽からの加湿量が、湯温の飽和水蒸気圧と浴室水蒸気分圧差に比例する」ことがわかります。

「お湯の温度ごとの絶対湿度量(どれだけ湿度を含むことをできるか)」と「浴室の空気の絶対湿度」の差と、1時間あたりに蒸発する量が一致しています。
そのため、この2つには相関関係がある、と言えるでしょう。

残りの加湿量

残りの必要な加湿量は【8L-3L(浴槽からの加湿量)=5L】です。
家の断熱性や気密性によって、どのくらい加湿されるかは変わります。
高性能で加湿されている家の場合は、平均3L前後です。
逆に、性能が低く加湿が不十分だと、4Lくらい蒸発する可能性があるので、「今回は平均の3Lが加湿される」と仮定します。

全熱交換換気で加湿

3つ目は「全熱交換換気を使う」です。

今回は、全熱交換換気の湿度交換率が50%だと仮定します。
すると、上記の計算式が成り立つので、そもそもの湿気ロスが16Lではなく8Lくらいまで減少します。

「全熱交換換気(湿気交換率50%)」に加え、「室内干しで加湿」「残り湯で加湿」した結果、残りの加湿量は5Lでした。
そのため【5L-8.2L(全熱交換換気で湿気回収)=-3.2L(残りの加湿量)】と、目標の湿度50%は達成できます。

こちらは11月上旬(平均気温10°C)の実測データです。
約10Lを「全熱交換換気」で、残りの約6Lを「室内干しで加湿」「残り湯で加湿」で加湿しています。
加湿器なしで実際に加湿することは、家の性能にも左右されますが、おおむね可能だと言えるようですね。

冬に加湿する場合の注意点

冬に加湿して高湿度をキープした際の、最大の注意点は「結露のリスクが高いこと」です。
これを防ぐために、「窓の高性能化(樹脂窓や木製サッシ)」を行っておきましょう。

結露

こちらはサーモグラフィックカメラにより、窓周辺の温度比較をした図です。
樹脂サッシで【室内温度が20°C・湿度が50%】の場合は、露点温度が約9.3°Cになります。
そのため、この場合はサッシの下枠が若干結露しそうだな・・・というくらいで済みます。

しかし、【室内温度が23°C・湿度が50%】の場合は、露点温度が約12°Cになってしまいます。
そのため、樹脂サッシであっても下枠が結露する可能性は高いです。

窓の下枠が先に結露する理由

そもそも、なぜ窓の下枠が先に結露するのでしょうか。
結論からお伝えすると「窓で空気が冷やされ、さらに下方向に溜まっていくから」です。

窓は、家の中で一番断熱性が悪い場所です。
直接外気に触れている部分がある、というのが理由ですね。
それに加え、冷たい空気は物理的に下に溜まっていきます。
そのため、窓で冷やされた空気が下に溜まり、結果的に窓の下枠が先に結露します。

窓の下部は、冬には家の中で一番寒い場所になってしまうんですね。

窓の高性能化

温度22°C、湿度50%くらいをキープしつつ、さらに窓を結露させないためには「高性能住宅化」「窓の高性能化(樹脂窓や木製サッシ)」が重要です。

冷たい外気で窓が冷やされ、その空気がどんどん下に溜まっていく、という相乗効果で窓はどんどん冷たくなっていきます。
高性能住宅は断熱性や気密性に優れているため、そもそも冷たい外気が入って来づらいです。
さらに、窓サッシを高性能なものにすることで、かなりの結露対策になります。

すでにマイホームがある方は「窓サッシを高性能化(樹脂窓や木製サッシ)」するのがおすすめです。
また、これから家を建てようと考えている方は、「高性能住宅に住む+窓サッシを高性能化(樹脂窓や木製サッシ)」することで、冬は暖かく結露の少ないくらしができますよ。

まとめ

加湿器なしで加湿する方法は、以下の3つです。
・洗濯物を室内干しする
・浴槽のお湯を貯めておき、浴槽のフタやお風呂場の扉を開けておく
・全熱交換換気を使う

また冬場に【温度22°C、湿度50%】くらいをキープすると、窓が結露する可能性があります。
そのため「窓を高性能化する(樹脂窓や木製サッシ)」のも重要です。
これから家づくりをされる方は、「高性能住宅に住む」ことも視野に入れて、検討してみてくださいね。

3 まとめ

【室内に必要な加湿量】は、1日約16Lです。
(外気が5°C60%の状態で、室内を20°C50%にしたい場合)

加湿に必要な最低量は、室内と外気の絶対湿度の差です。
それに、1時間に150m3ほど換気によって湿気をロスしているということを考慮した場合、以下の計算式が成り立ちます。
【150m3(換気による湿気ロス)×4.6g/m3(湿度差)×24時間=16.4L】

ここから、1日に必要な加湿量が「16L」であることがわかります。

【エアコンなしで加湿する方法】は、以下の3つです。
・洗濯物を室内干しする
・浴槽のお湯を貯めておき、浴槽のフタやお風呂場の扉を開けておく
・全熱交換換気を使う(湿気ロスを減らす)

これらの方法に加え、生活の中で自然に加湿される分を考慮すると、16Lの加湿をすることができます。

【冬に加湿する際の注意点】は、結露です。
「室内温度を23°C・湿度が50%」だと、露点温度が約12°Cになります。
そして、冷たい空気がどんどん窓の下枠に溜まってしまい、最終的に結露してしまいます。

そのため、「窓を高性能化する(樹脂窓や木製サッシ)」ことも重要です。
また、これからおうち作りを考えている方は「窓を高性能化(樹脂窓や木製サッシ)する」ことに加え、「断熱性や気密性の高い高性能住宅」を検討してみるのもおすすめです。

 

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