光熱費高騰で政府が4.5万円の家計支援を発表!これってホントに効果あるの?!
毎日のように報道される物価や光熱費などの高騰のニュース。
皆様も日々実感されていますでしょうか。
そんな中、10月28日、政府により電気・ガス料金の負担軽減を含む総合経済対策が発表されました。
岸田内閣になって2回目となる今回は、長引く経済悪化を打破し、日本経済を再生させる4つの柱が掲げられています。
特に注目したいのは4本柱のひとつである「物価高騰・賃上げへの取組」。
電気・ガス燃料料金・燃油価格の家計負担を軽減するため、来年1月から9月まで4万5千円の家計支援(標準世帯)が実施されるというものです。
ただしこれは限定的な措置であり、政府としては9月以降、緩和の幅を縮小していく意向を示しています。
となると、実際のところどのくらいの効果が見込めるのか、また9月までの支援で十分なのかについては、不安を感じる方がいらっしゃるのではないでしょうか。
さらには、暖房費がかさむ冬の節電要請が出ています。
電気・ガス料金の負担軽減はありがたいけれど、それだけで乗り越えられるのか、気になりませんか?
そこで今回は、政府の家計支援の内容や光熱費(特に電気料金)が高くなっている背景、節電に向けた対処法などを具体的に説明していきたいと思います。
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家計支援の具体的な内容を知ろう
光熱費の高騰が続く中、大手電力会社が家庭向けの規制料金(法律により定められた料金設定のこと)について来春からの値上げを政府に要請しました。もし政府が認可すれば、電気料金が今より2割~3割上昇することになってしまいます。
そこで政府が打ち出したのが、今回の経済対策です。
電気料金値上げの仕組みについては、「2-2 燃料費高騰が電気料金値上がりに関係あるってホント?」で説明します。ここでは、政府がなぜ家計支援を表明したかという背景についてざっくりとご理解ください。
どんな支援をしてくれるの?
政府は、電気料金だけでなく、都市ガス料金や燃料油(ガソリン・灯油)価格についても支援(合計で4万5千円程度)を行うとしています。
電 気 | 1kWh※あたり7円(現行の料金の2割程度に相当)引き下げ |
都市ガス | 1㎥あたり30円の支援 |
燃 料 油 | 1Lあたり30円の抑制を来年以降も継続(6月以降段階的に縮減する方針) |
電気料金の支援については、来春、電気料金が値上がりした場合の値上がり分を政府が肩代わりしてくれる形です。
効果はどれくらいなの?
政府が発表している4万5千円とは、2人以上の世帯(電気: 400kWh、ガス: 30 ㎥、燃料油:ガソリンで35L、灯油で15L を使用とした場合※いずれも月間)を平均した数字です。それぞれの使用量と上記の表の単価で計算すると下記のとおりになります。
・電気 7円×400kWh=2,800円 ・ガス 30円×30 ㎥=900円 ・ガソリン 30円×35L=1,050円 ・灯油 30 円×15L=450円 合計(概算)5,000円/月→1月~9月の9か月間=4万5千円の軽減となる |
実際には、一般的な省エネ基準レベルの戸建住宅では、例えば月間の電気使用量が800kWh~1,000kWhだといわれていますので、電気代が月々5,600円~7,000円軽減される計算になります。
実は、東京電力管内の自由料金体系の燃料調整費(「2-2 燃料費高騰が電気料金値上がりに関係あるってホント?」をご覧ください)は2023年1月で12.99円とされています。
1年半前の2021年6月は-3.29円でしたので、その差がなんと+16.28円。先ほどの省エネ基準レベルの戸建住宅1か月分の電気代に換算すると、800kWh~1,000kWh×16.28円=13,024円~16,280円となり、概算で13,000円~16,300円値上げされたことになります。
つまり、4割程度の補助ということになります。
世帯人数や月によって変動はありますが、目安として参考になさってください。
ただ、支援は1月~9月までです。実際に来春から電気料金が値上がりするとしたら、その分は相殺されるため、軽減されたと実感できるのは、ほんの数か月かもしれません。
光熱費高騰の背景を知ろう
光熱費が高騰している背景には、世界的に燃料費が高騰しているという事実があります。
ひとつには、原油価格の高騰です。世界的に経済が回復基調にあり、原油需要が高まっているにもかかわらず、原油産油国が増産をしぶっていたことが燃料費高騰へとつながりました。ただし、一時期よりだいぶ改善され、現在は少しずつ下がってきています。
さらには、LPG(天然ガス)の高騰です。ロシアのウクライナ攻撃により生産国の1つであるロシアからの輸入が厳しくなり、他の生産国からの燃料確保に向けた競争が激化していることが一因となっています。
これらは、もちろん日本にも大きな影響を与えています。
世界的な燃料費高騰が日本に与える影響は?
日本のエネルギー自給率は13.4%(2021年度)と低く、他国からの輸入に頼らざるを得ません。
他国から輸入するということは、その分コストがかかります。
特に大きな問題になっているのは、電気料金です。
日本の発電電力量の構成は、化石燃料(石炭、天然ガスなど )を燃やして発電する火力発電が約7割を占めています。そして化石燃料の約8割を他国に依存している状況です。
これだけの化石燃料を他国に依存している日本では、そのどれが値上がりしても多大な影響を受けるということはわかりますよね。
燃料調整費が電気料金値上がりに関係あるってホント?
原油価格が落ち着いてきたとはいえ、特に天然ガスはウクライナ危機が回避されない限り、このまま高騰が続くと予測されます。さらには円安であることもその傾向を加速させています。
まずはここで、電気料金の仕組みをご紹介しましょう。
電気料金には2016年の電力自由化以降、①規制料金②自由料金の2種類あるのをご存じでしょうか。
消費者はどちらかを選択できるのですが、東京電力管内でも6~7割程度が①を選択しているといわれています。
①規制料金
2016年以前からある料金体系です。使用電気量によって単価が決まる従量課金制で構成されているのが特徴です。消費者保護の観点から、自由化された後も経過措置として各地域の電力会社から提供されています。
上限が法律で決まっており、値上げをする際には国の認可を受ける必要があります。この中には、燃料費に応じて変動する燃料調整費が含まれます。
燃料調整費は、電力会社の経営安定のため、変動する燃料価格を電気料金に反映できるものです。
燃料価格によってプラス調整、マイナス調整を行います。
②自由料金
新たに参入した小売業者が自由に料金やプランを設定できます。ここにも燃料調整費は含まれていますが、2022年7月頃から続々と上限が撤廃されています。
ですから、せっかくお得プランなどを設けていてもまったく意味のない状況です。
ここのところ電気料金が上がっているのは、そういう理由からなんですね。
いよいよ電気料金単価50円の時代到来?!
先ほどもお伝えしましたが、規制料金に含まれる燃料調整費には上限が設けられており、国の認可が必要なため、簡単には値上げできない仕組みになっています。
ところが、昨今の燃料費高騰によって電力会社すべてが上限に達してしまっている状況です。
上限に達してしまったということは、これ以上燃料価格が高騰しても、電気料金に転嫁することができず、電力会社の経営悪化につながることが懸念されます。
経営悪化を招けば、安定的に電力を供給することが難しくなるので、値上げを申請せざるを得ない状況なのだということがわかります。
大手電力会社5社がいよいよ規制料金の値上げを政府に申請しました。東京電力は今のところ(11月現在)、申請予定はないようです。
さて、トップで申請の名乗りを上げたのは東北電力(およそ8割が規制料金プラン)でした。
もし、認可されたら、新単価に託送料金や再生可能エネルギー発電促進賦課金※などを加算すると1kWhあたり50円近くの値上げが見込まれます。
※託送料金や再生可能エネルギー発電促進賦課金については経済産業省資源エネルギー庁のWebサイトをご確認ください。
1kWh あたり50円の値上げとなると、仮に月額800 kWh~1,000 kWh使用する家庭だと、月に4万円~5万円、年に48万円~50万円の負担が予想されます。
信じられますか?
「1 家計支援の具体的な内容を知ろう」でご紹介した政府の支援では、電気・ガス・燃油すべてあわせて2023年1月~9月までの9か月間で4万5千円の支援です。
電気代だけで月間4万円~5万円の負担ですから、とても政府の支援だけでは足りないということがわかりますね。
ということは、自分でも何かしらの対策が必要になってくるというわけです。
対策には、いろいろとありますが、高断熱・高気密にして家そのものの性能を高めること、そして太陽光発電を設置するという方法が考えられます。
ウェルネストホームの家なら、年間4,000 kWhの電力消費で済みますので、たとえ1kWh あたり50円だとしても、年間で20万円、一般的な省エネ住宅の半分以下です。
当社が創業の頃は年間8万円から10万円と言っていました。しかし、昨今の燃料費の高騰でウェルネストホームの家でも、年間光熱費が20万円の時代に入ってきました。
でも、一般的な家に比べて半分以下です。
この差は大きいと思いませんか?
あなたは、電気代が50万円かかる家と20万円で済む家、どちらを選びますか?
ご相談はウェルネストホームまでお寄せください。