PM2.5対策(大気汚染)!住宅で健康被害を予防する3大原則とは?
PM2.5や黄砂という言葉を耳にするようになって
マスクで対策をする方も増えました。
ですが、人生の大部分を過ごす住宅では
どんな対策がとられているでしょうか?
ウェルネストホームでは、PM2.5対策を標準で実行しています。
では、なぜ標準仕様でPM2.5対策をするのか?
怖いPM2.5の健康被害についてなど、詳しく解説いたします。
※WELLNESTHOME創業者の早田がPM2.5や健康について解説している動画はこちら
contents
PM2.5とは何か?
最近では、目に見えない粒径が2.5μm以下である微小粒子状物質(以下PM2.5)による大気汚染とその健康被害が注目されています。PM2.5は粒径が極めて微小であり、鼻粘膜フィルターを通り越してしまい、気管支ならびに肺に到達して人体に強い影響を及ぼすと考えられています。
世界の疾病負担研究2010(Global Burden of Disease2010)によると世界187ヶ国235疾患、67危険因子の分析結果として、PM2.5が原因で310万人の死亡、疾病負担の3.1%に影響があり、世界の人間への健康被害の上位10要因の一つとされています。
口呼吸が引き起こすPM2.5のリスク
PM2.5の中でも1μm以下の微粒子は鼻粘膜や気道では沈着できません。そのため肺胞まで到達しやすく、PM2.5が血液に混入することで、健康被害を発生させると考えられています。
また、鼻呼吸では3μm以上の粒子の大半を気道領域に沈着させることが出来るため、下気道領域まで達することはまれです。その一方、口呼吸においては10μm以上の大きな粒子でもその多くを気道まで到達させてしまいます。そして1~10μm の粒子の約70%は細気管支レベルに到達してしまいます。
そのためSPM濃度が高い場合における、口呼吸は極めてリスクが高いと考えられています。鼻炎持ちの方は、健康被害を抑えるためにも、室内PM2.5濃度を低く抑える必要があります。
グラフ出典:環境省 微小粒子状物質健康影響評価検討会報告書
PM2.5の健康被害
PM2.5は主に以下の病気の要因として影響が強いとされています。(詳しくは後ほど)
- 呼吸器系の疾患(気管支炎、ぜんそく等)
- 肺の疾患(肺炎、肺がん等)など
- アレルギー性疾患(鼻水、目のかゆみ等)
- 皮膚の疾患(アトピー、皮膚炎、じんましん等)
また、PM2.5の中でも特に粒径が1.0μm以下である超微粒子は、ぜんそく、肺がん等をもたらす可能性が極めて高いとされています。
また、粒径が10μm以下である浮遊粒子状物質(PM10=SPM)は、大気中において滞留する時間が長いため、人間の呼吸器系(鼻、口咽頭、気道、肺胞等)の疾病(アレルギー性鼻炎、ぜんそく等)の原因になると考えられている。さらには、SPMには発癌性があることも報告されています。
参照:「PM2.5」による大気汚染健康に及ぼす影響と日常生活における注意点
PM2.5、SPMの発生メカニズム
PM2.5の多くはガソリンの燃焼カスなど人為的な発生物であり、工場地帯や道路付近などで濃度が著しく上昇します。また、0.1~2.5μレベルの超微粒子は風に乗って数百~数千キロにわたって移動するため、中国からの黄砂や燃焼カスなどが日本に毎年大量に漂流してきているのです。
人口的な発生源は以下の5つが挙げられます。
- エンジン(自動車、船舶、飛行機等)
- 道路(道路や線路からの粉塵)
- 厨房(料理時に食堂、家庭から発生)
- ボイラー・電炉(ガス・石油・石炭・木材・鉄などの燃えカス)
- タバコ(喫煙時に発生)
自然の発生源は以下の4つです。
- 野焼き(麦わら、剪定枝、雑草の燃焼により発生)
- 土壌(強風による土壌粒子や、中国から飛来する黄砂等)
- 火山(噴火による火山灰の発生)
- 洋(強風による海塩粒子の発生)
日本におけるPM2.5の環境基準
日本におけるPM2.5の環境基準は以下の通りです。
- 1年平均値が15μg/m3以下である。
- 1日平均値が35μg/m3以下である。
上記の両者が満足された時に、環境基準が達成となります。
ところが、平成26年度の環境省の大気汚染調査では、全国672ヶ所での住宅地(一般局)における環境基準達成率はわずか37.8%しか達成しておりません。交差点などの道路付近(自排局)に至っては、198ヶ所で25.8%しか達成しておりません。
残念ながら、日本においてPM2.5からの健康被害を防ぐためには、外気を取り入れる際にPM2.5対策を実施しておく必要があると言わざるをえません。
また、季節的には春と秋に濃度が増加しますので、喘息やアレルギー疾患者を持つ家庭などでは、窓を開けての風通しを控える必要がある場合があることにも注意が必要です。
どうしても窓を開けての換気が必要な場合は、PM2.5の濃度が下がる時間帯(深夜から明朝)にかけて集中的に行うことをお勧めいたします。
出典:環境省 微小粒子状物質健康影響評価検討会報告書
PM2.5による健康被害の報告
PM2.5の長期健康影響については、医学界で様々な研究報告がなされています。
平均20μg/m3以上の長期暴露に対しては、国内外の様々な疫学研究で、死亡や呼吸器影響に関する調査研究がなされています。いくつかご紹介したいと思います。
呼吸器疾患に関するコホート研究
大阪・愛知・宮城での40歳以上63,520人の平均8.7年におけるコホート研究(*1)
肺がん死亡リスクはPM2.5の10μg/m3増加にあたり23%、呼吸器疾患死亡についても16%統計的に優位な増加がみられたと報告されています。
循環器疾患に関する研究
PM2.5の長期暴露による循環器疾患との関係についての疫学研究も数多く報告されています。
WHI研究(*2)では、女性の心血管疾患の発症に対するPM2.5の長期暴露の影響を評価したところ、PM2.5濃度が10μm/m3上昇することにより、心血管系疾患において死亡リスクが76%増加、脳血管疾患では疾病リスクが35%、死亡リスクが83%増加したと報告されています。
また、最近のイギリスの研究(*3)でも、PM2.5が10μm/m3上昇することで心不全が35%上昇したとの報告がなされています。
循環器と直接関係のないPM2.5がなぜ循環器系疾患リスクを増加させるのかは、専門家による研究中ではありますが、現時点ではいくつかの仮説が考えられています。PM2.5は呼吸により肺胞まで到着してしまうため、肺に沈着して様々な生体反応や、血中に移動することで直接有害反応を起こすと考えられています。
例えば、PM2.5は肺胞において炎症反応を引き起こし、免疫細胞を活性化させることで炎症系サイトカインの分泌を促進する可能性も指摘されています。
また、血中に直接溶け込むことで、血管運動機能の障害や血液凝固機能の障害、自律神経のバランスを崩す可能性が指摘されています。さらに、長期的な暴露による動脈硬化などの心血管疾患リスクの増加を引き起こすと考えられています。
アメリカでの小児を対象としたコホート研究
アメリカにおけるPM2.5のコホート研究(*4)では9.7~27μg/m3の低濃度暴露においても、小児の肺機能の成長阻害、呼吸器疾患の増加、喘息の発生などが報告されています。例えば、南カリフォルニアにおけるコホート研究(*5)では、PM2.5の年間濃度が13.7μg/m3以上の地域では、低濃度地域(5.7~8.5μg/m3)と比較して4.9倍ものFEV1低値の小児が多発しており、肺機能低値の小児の喘息発症率は正常と比較して多くなることから、高濃度PM2.5への危険性が指摘されています。また別の研究(*6)では喘息でない幼児と小学校1年生を3年間追跡した所、PM2.5濃度が10μg/m3当たり喘息の発症リスクは34%高くなると報告されています。
多くの研究にて、例え日本における環境基準である15μg/m3以下の低濃度領域であっても、小さい子供のいる家庭では健康被害が発生する可能性があることを考えなければなりません。
(*2) Miller KA, Siscovick DS, Sheppard L, et al. Long-term exposure to air pollution and incidence of cardiovascular events in women. N Engl J Med 356:447–458, 2007.
(*3) Atkinson.R.W. et al.Long-term exposure to outdoor air pollution and the incidence of chronic obstructive pulmonary disease in a national English cohort. Epidemiology,24: 44-53,2013
(*4) US Environmental Protection Agency : Integrated Science Assessment for Particlate Matter. (EPA/600/R-08/139F) Resarch Triangle Park,2009.
(*5)McConnell R, Islam T, Shankardass K, et al : Childhood incident asthma and traffic-related air pollution at home and school. Environ Health Perspect 118:1021–1026, 2010.
(*6)Gauderman WJ, Avol E, Gilliland F, et al : The effect of air pollution on lung development from 10 to 18 years of age. N Engl J Med 351:1057–1067, 2004.
PM2.5対策として有効な3大原則
以下の3つが、PM2.5を防ぐために有効だとされています。
- 自然流入を防ぐ高い気密性
- 室内への給気を制御する一種換気設備
- 長期的にPM2.5の除去が可能な高性能フィルター
なお、上記PM2.5の三大対策を標準で実行しているハウスメーカーは皆無です。
自然流入を防ぐ高い気密性
ウェルネストホームでは、C値0.3以下という超高気密を全棟で確保しPM2.5をシャットアウトします。
→ウェルネストホームの気密性について
室内への給気を制御する一種換気設備
ウェルネストホームでは、PM2.5の侵入口を特定するために、ダクト式一種熱交換換気を標準搭載しています。PM2.5対応のフィルターは数が少なく特殊なものが多い為、一か所に集中して管理しないとメンテナンス的にも経済的にもうまくありません。
そして、長期間使用する場合に必ず発生するのがダクト内部の汚染です。ウェルネストホームでは、ダクト内汚染を抑制するための特殊な防汚ダクト工法を採用することで、ダクト内部に汚染物質がたまらないように配慮しております。(*7)
PM2.5の除去が可能なウェルネスト換気システム
ウェルネストホームではクリーンルーム用に開発された超高性能微粒子フィルター(標準搭載)によって外気のPM2.5を約99%削減して室内に取り込むため、PM2.5の健康被害の脅威からご家族を守ることが出来ます。また、一般的な高性能フィルターと集塵方法が異なり目詰まりを起こしませんので、半年に一度の交換が不要で経済的です。なお、他社の一般的な換気システム純正のPM2.5対応高性能フィルターと比較しても96.8以上さらに高い(2.0μm~0.3μm)集塵効果を発揮します。(*8)
→ウェルネストホームの換気について
(*7)間取りを優先させてダクトスペースを確保できない場合は、ダクトレス熱交換換気を提案する場合があります。
(*8)ウェルネストホームにて実験:A社24時間換気専用高性能フィルターとウェルネストフィルターとの集塵効果の比較(SA噴出口で測定)測定機器:パーティクルカウンターRION KR-12A
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