断熱材の厚さの基準は?必要な厚みを調べる方法
こんにちは!高性能な注文住宅を手がけるハウスメーカー「ウェルネストホーム」です。
暑さや寒さに強い「快適な家」にするために重要な断熱材。
どのくらいの厚さが施工されていれば大丈夫なのか、ご存知の方は少ないでしょう。
今回は、断熱材の厚さの基準について解説!
必要な断熱材の厚みを調べる方法もご紹介します。
contents
断熱材の厚さはどれくらい必要?調べる方法とは
断熱材に必要な厚さを調べるために「熱抵抗値」という言葉を知っておく必要があります。
熱抵抗値とは熱の伝わりにくさを表すもので、数値が大きければ大きいほど断熱性能が高いです。
断熱材に必要な厚さを調べるためには、地域ごとに必要な熱抵抗値を調べます。
まずは基本として地域区分と、断熱材の厚みを導き出す計算式についてご紹介していきましょう。
地域区分の詳細とは
地域は1~8区分に分けられており、簡単に言うと、北海道などの寒い地域では熱抵抗値は高く、九州など暖かい地域では熱抵抗値は低くなっています。
大まかに分けると以下のように区分されます。
- 地域区分1、2:北海道
- 地域区分3:青森県、岩手県、秋田県
- 地域区分4:宮城県、山形県、福島県、栃木県、新潟県、長野県
- 地域区分5、6:茨城県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、富山県、石川県、福井県、山梨県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県
- 地域区分7:宮崎県、鹿児島県
- 地域区分8:沖縄県
上に示した地域区分はあくまでも目安です。
沿岸部か山間部かなど、実際には同じ県内でも地域の特色が異なります。
詳細な地域区分の振り分けは市町村単位で行われているため、詳しくは国交省が発表している地域区分新旧表をご覧ください。
熱抵抗値を出す計算式とは
地域ごとの熱抵抗値がわかったら、自分の家で使われている断熱材の種類を調べます。
断熱材は複数種類があり、種類によって熱の通しやすさが異なるためです。
熱の通しやすさのことを「熱伝導率」と呼び、断熱材ごとの熱伝導率の目安はJIS規格によって定められています。
断熱材の種類は、建物の図面の「矩計図(かなばかりず)」「仕上げ表」などから判断できますが、わからないときには工務店やメーカーに確認するのも1つの手です。
家に使われている断熱材の熱伝導率が分かったら、次の式で必要な断熱材の厚みが導き出せます。
【必要な断熱材の厚み(mm) = 基準となる熱抵抗値×断熱材の熱伝導率×1000】
例として、多くの施工現場で使われているグラスウールを使って考えてみましょう。
たとえば地域区分が1の北海道の場合、木造戸建て住宅の壁の熱抵抗値の基準は3.3(㎡・K/W)、グラスウール(吹き込みグラスウール)の熱伝導率は0.052W/(m・K)で、式に当てはめると次のようになります。
3.3×0.052×1000=171.6(mm)
地域区分1のエリアで吹き込みグラスウールを断熱材として使う場合、厚みが171.6mm以上あれば次世代省エネルギー基準を満たすことがわかります。
地域ごとの熱抵抗値の数値、断熱材の種類による熱伝導率については、次で詳しくご紹介しますね!
地域区分別の断熱材の厚さの基準、熱抵抗値をご紹介
断熱材の厚さの基準を知るためには、断熱材の種類と地域区分ごとの厚さの基準を調べる必要があることが分かりました。
これらについて、戸建ての木造住宅を例にして具体的に見ていきましょう。
断熱材の種類による熱伝導率
断熱材の種類によって、熱伝導率(W/(m・K))の数値はA-1、A-2、B、C、D、E、Fに区分されます。
<A-1:熱伝導率0.052~0.051>
- 吹込み用グラスウール 13K、18K
- タタミボード(15mm)
- A級インシュレーションボード(9mm)
- シージングボード(9mm)
<A-2:熱伝導率=0.050~0.046>
- 住宅用グラスウール 10K相当
- 吹込み用ロックウール 25K
<B:0.045~0.041>
- 住宅用グラスウール 16K相当、20K相当
- A種 ビーズ法ポリスチレンフォーム保温板4号
- A種 ポリエチレンフォーム保温板1種1号、1種2号
<C:0.040~0.035>
- 住宅用グラスウール 24K、32K相当
- 高性能グラスウール 16K、24K、32K相当
- 吹込み用グラスウール 30K、35K相当
- 住宅用ロックウール(マット)
- ロックウール(フェルト)
- ロックウール(ボード)
- A種 ビーズ法ポリスチレンフォーム保温板1号、2号、3号
- A種 押出法ポリスチレンフォーム保温板1種
- A種 ポリエチレンフォーム保温板2種
- 吹込み用セルローズファイバー 25K、45K、55K
- 吹込み用ロックウール 65K相当
- A種 フェノールフォーム保温板2種1号、3種1号、3種2号
- 建築物断熱用吹付け硬質ウレタンフォームA種3
<D:0.034~0.029>
- A種 ビーズ法ポリスチレンフォーム保温板特号
- A種 押出法ポリスチレンフォーム保温板2種
- A種 フェノールフォーム保温板2種2号
- A種 硬質ウレタンフォーム保温板1種
- A種 ポリエチレンフォーム保温板3種
- 建築物断熱用吹付け硬質ウレタンフォーム A種1、A種2
- 高性能グラスウール 40K、48K相当
<E:0.028~0.023>
- A種 押出法ポリスチレンフォーム保温板3種
- A種 硬質ウレタンフォーム保温板2種1号、2号、3号、4号
- A種 フェノールフォーム保温板2種3号
<F:0.022以下>
- A種フェノールフォーム保温板1種1号、2号
断熱材の詳しい特徴や性能については「断熱材の種類・断熱材の選び方を徹底解説します」をご覧ください。
地域区分別の木造住宅の壁に必要な断熱材の厚さ(充填断熱工法)
1~8地域区分別に、木造住宅の壁に必要な断熱材の厚さをご紹介します。
●地域区分1、2
断熱材の熱抵抗値:3.3
必要な厚さ(単位:mm)A-1:175、A-2:165、B:150、C:135、D:115、E:95、F:75
●地域区分3~7
断熱材の熱抵抗値:2.2
必要な厚さ(単位:mm)A-1:115、A-2:110、B:100、C:90、D:75、E:65、F:50
●地域区分8
壁については規定なし
そのほかの住宅構造の基準については、一般社団法人日本建築士事務所協会連合会のホームページをご覧ください。
(別表2(地域別断熱材の必要厚さ)、別表3(地域別断熱材の必要厚さ(鉄骨造住宅で外壁の外張断熱工法又は内張断熱工法以外の工法))、別表4(地域区分))
ちなみに、高気密高断熱の家をご提供するウェルネストホームでは寒い地域も暖かい地域も関係なく、断熱材は一定以上の厚みが必要だと考えています。
それは、暖かい地域では夏の暑さを防ぐ必要があるからです。
そこでウェルネストホームでは、日本のどこで家を建てても快適に過ごせるよう、断熱材は一般的な住宅の2倍以上の量を使用しています。
もちろんこれはオプションではなく標準装備!これがウェルネストホームのこだわりです。
※断熱材の選び方については、ウェルネストホーム創業者の早田が動画で詳しくご説明しているYouTube動画をご参考ください!
断熱材の必要な厚さの基準は地域別に規定されている
夏の暑さ・冬の寒さをシャットアウトし、快適な室内環境をつくるために必要なのが断熱材です。
断熱材の必要な厚さは、地域によって異なります。
地域区分は8つで、北海道などの寒い地域ではより厚い断熱材が必要になります。
断熱材の種類によって熱伝導率という熱の通しやすさが異なるため、必要な断熱材の厚さも異なります。
ただ、ウェルネストホームでは地域によって断熱材の厚さを変える必要性を感じていません。
なぜなら、暖かい地域では夏の暑さに備える必要があるからです。
その家が日本のどこで建てても快適な住環境になるよう、ウェルネストホームでは規定や基準に固執せず、一般住宅の2倍以上の断熱材を使用して家づくりをしています。
高気密高断熱の家を建てたい方は、ぜひウェルネストホームにお任せください!