子育て世帯・若者夫婦世帯が対象! 省エネ性能の高い家に補助金最大100万円!【こどもみらい住宅支援事業とは】
【2022年度のこどもみらい住宅支援事業は満額により終了しております。ご注意ください】
国が推進している「こどもみらい住宅支援事業」をご存じでしょうか。
子育て世帯・若者夫婦世帯が高い省エネ性能を有する新築住宅を取得する、もしくはリフォーム(省エネ改修)する際、国から最大100万円の補助金が交付される制度です。
しかし、この制度の目的は単なる金銭面の負担軽減だけではありません。
未来を担う子どもたちに、高い省エネ性能を有する住宅ストックを残していくことを目指しています。
そのため、「こどもみらい住宅支援事業」における補助金の対象となる住宅には、省エネに対する一定の基準が設けられています。
省エネは、地球温暖化の原因である温室効果ガス(二酸化炭素など)を削減する重要な取り組みです。
省エネ性能が高い住宅を手に入れることが、「環境にもおサイフにもやさしい」のは、とても嬉ばしいことです。
とはいえ、実際のところ、制度の内容が難しく、「本当に補助金が100万円も出るの?」といった声も挙がっています。
そこで今回は、こどもみらい住宅支援事業の内容について、ご紹介していきたいと思います。
contents
こどもみらい住宅支援事業を活用しよう
こどもみらい住宅支援事業の対象は、高い省エネ性能を有する住宅で、活用できるのは次のケースになります。
- ①注文住宅の新築
- ②新築分譲住宅の購入
- ③リフォーム(省エネ改修)
本記事では、①注文住宅を新築するケースについて取り上げたいと思います。②新築分譲住宅の購入、および、③リフォーム(省エネ改修)については、以下をご覧ください。
注文住宅を新築する人すべてが対象なの?
注文住宅を新築するにあたって本事業の対象となるのは、子育て世帯または若者夫婦世帯のいずれかに該当する方が建築主となる場合に限られます。
子育て世帯・若者夫婦世帯というのは、次の表に当てはまる世帯のことです。
子育て世帯 | 18歳未満の子(2003年4月2日以降出生)を有する世帯 |
若者夫婦世帯 | 夫婦のいずれかが39歳以下(1981年4月2日以降出生)である世帯 |
新築の注文住宅ならなんでもいいの?
こどもみらい住宅支援事業を活用できる注文住宅は次の6つの条件を満たした住宅となります。
① 所有者(建築主)自らが居住する |
② 土砂災害防止法に基づく、土砂災害特別警戒区域外に立地する |
③ 未完成または完成から1年以内であり、人の居住の用に供したことのないもの |
④ 住戸の床面積が50㎡以上である |
⑤ 証明書等により、「ZEH住宅」「高い省エネ性能等を有する住宅」のいずれかに該当することが確認できる※1 |
⑥ 交付申請時、一定以上の出来高の工事完了が確認できる※2 |
※2詳しくは「3 補助金交付までの流れを知ろう」をみてください
特に重要なのは②と⑤と⑥になります。
「②土砂災害防止法に基づく、土砂災害特別警戒区域外に立地する」については、各市町村にて各種ハザードマップを作成していますが、お客様ご自身でも国土交通省のハザードマップポータルサイトで確認することができます。ウェルネストホームでは、必ずハザードマップを確認して土地探しのお手伝いをしています。災害リスクを事前に防ぐためにも、重要な項目です。これから土地探しをする方は、土砂災害以外のハザードマップも確認しましょう。
⑤と⑥については、後ほど説明していきます。
注文住宅を新築して補助金をもらおう
本事業の対象になるには、いくつかの要件があります。では、その要件をクリアした場合、補助金は一体どのくらい交付されるのかみていきましょう。
補助金はどのくらい出るの?
補助金は省エネ性能によって異なります。
ZEH住宅※1 | 100万円 |
高い省エネ性能等を有する住宅 ①認定長期優良住宅 ②認定低炭素住宅 ③性能向上計画認定住宅 ※2 | 100万円 ※ただし、2022年9月30日までに認定されたものについては80万円 |
*2 詳しくは「5 10月1日から変わった新基準を知ろう」をみてください
2022年10月1日から、高い省エネ性能等を有する住宅の認定基準が変更となりました。
新しい基準では、これまでよりも高い省エネ基準が求められるようになったため、新基準で認定された住宅の補助金はZEH住宅と同じ100万円です。
2022年9月30日までの旧基準で認定された住宅の補助金は80万円となりますのでご注意ください
新しい基準については「5 10月1日から変わった新基準を知ろう」で説明いたします。
補助金は誰が受け取るの?
まず、補助の対象となっている注文住宅を新築するには、建築主としてこどもみらい住宅事業者と工事請負契約を締結する必要があります。
交付された補助金はこどもみらい住宅事業者に振り込まれ、次のいずれかの方法で建築主に還元されます。
- 契約代金(最終支払い)の一部に充当
- 現金の支払い(契約代金を清算済の場合に限る)
こどもみらい住宅事業者というのは、例えば、ウェルネストホームのような建築会社のことで、この事業に登録した会社を指します。公布の申請については、こどもみらい住宅事業者が建築主に代わって行います。
補助金を受け取るのは住宅事業者ですが、必ず皆さまのもとに還元されますのでご安心ください。
ちなみに、こどもみらい住宅事業者に登録していない住宅事業者や建築主自らが交付申請することはできませんので注意が必要です。
補助金交付までの流れを知ろう
補助金が交付されるまでにはいくつかのプロセスがあります。その過程において建築主として注意することなどを全体の流れを通してみてみましょう。
補助を受けられる対象期間はいつまで?
こどもみらい住宅支援事業では、補助を受けられる期間が決まっていますので、それにあわせて手続きを進めていく必要があります。
工事請負契約期間 | 2021年11月26日以降 |
着工期間 | こどもみらい住宅事業者の事業者登録以降 (工事請負契約を締結した会社に、ご確認ください) |
交付申請期間 | 2022年3月28日~2023年3月31日 交付申請時には一定以上の出来高の工事完了※1が条件 |
完了報告期間※2 | 交付決定~2023年10月31日 |
※2 完了報告とは、住宅事業者が入居の報告を行うことです。完了報告なしに還元を受けた場合は、返金を求められます(完了報告前に入金がある場合がありますのでご注意ください)。
上記のスケジュールによると、交付申請期間は2023年3月31日までとなっています。
交付申請時には基礎工事が完了している必要があるため、交付申請に間に合うよう工事を進めていくには、住宅事業者と密に連絡を取り合っていくことが大切です。基礎工事の完了にはおおよそ1か月ほどかかります。また、入居後にも住宅事業者に完了報告の有無をきちんと確かめましょう。
建築主は何をすればいいの?
交付申請締め切りが2023年3月31日だとすると、あまり時間がないように感じるかもしれません。
ですが、事前に何をすればいいのかを把握しておけば、慌てなくても大丈夫です。
次に、建築主としてするべき手続きについて、順を追って説明します。
① こどもみらい住宅事業者を見つける
- 住宅事業者の検索ページがありますので、建築を注文する際の参考にしてみてください。
- 注文する住宅事業者が登録しているかどうか、事前に問い合わせてみましょう。
- 注文する住宅事業者が登録していない場合は、登録してもらえるか確認しましょう。
② こどもみらい住宅支援事業を活用できるか確認する
下記の内容などを確認しましょう。場合によっては住宅事業者に相談しましょう。
- 注文住宅の新築ですか? (分譲住宅の購入、リフォームの場合もあります)
- 子育て世帯もしくは若者夫婦世帯ですか?
- 建築しようとしている住宅は補助対象の省エネ性能を有していますか?
③ こどもみらい住宅事業者と工事請負契約を締結する
工事請負契約については、住宅事業者にお問い合わせください。
④ 工事の進捗について、こどもみらい住宅事業者と密に連絡をする
確実に補助を受けるために、3-1で説明したスケジュールを参考に、その都度確認をとりましょう。
注意事項こどもみらい住宅事業者が以下の手続を行う際には、別途費用がかかる場合があります。
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ZEH住宅を知ろう
1~3までは、こどもみらい住宅支援事業の概要について説明してきました。
ここからはその内容にプラスして、ZEH住宅について補足していきたいと思います。
ZEH住宅って本当にお得なの?
最近、話題になるZEH(ゼッチ)住宅ですが、そもそもZEHとは何のことでしょうか。
ZEHとは、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(Net Zero Energy House)の略です。
具体的には、快適な室内環境を保ちながら、ZEH基準に適合した⾼断熱性能と⾼効率設備を導入することで、省エネに努め、太陽光発電などによってエネルギーを創ることで、1年間で消費するエネルギー量が正味(ネット)でおおむねゼロ以下となる住宅のことをいいます。
つまり、省エネ性能に特化した住宅というわけです。
そして、ZEH住宅には、次のようなメリットがあるといわれています。
①太陽光発電などで光熱費が削減できる |
②高断熱性能でヒートショックなどを防げて健康によい |
③こどもみらい住宅支援事業などで補助金がもらえる |
ZEH(ゼッチ)について、詳しく知りたい方は、「ZEH(ゼッチ)の3つのメリットと落とし穴」をご覧ください。
ZEH住宅と認定されるには?
では、ZEH住宅と認定されるには何をクリアしないといけないのでしょうか。
次の4つの基準をクリアした場合、ZEH住宅と認定されます
①強化外皮基準※に適合 |
②再生可能エネルギー等を除き基準一次エネルギー消費から20%以上の一次エネルギー消費量を削減 |
③再生可能エネルギーを導入(容量不問) |
④再生可能エネルギー等を加えて、基準一次エネルギー消費量から100%以上の一次エネルギー消費量を削減 |
強化外皮基準は、外皮(外壁・屋根・窓など)における断熱性能の基準のことです。
これは、室内と外気の出入りやすさを示す外皮平均熱貫流率(UA値)で表示されます。値が小さいほど熱が出入りしにくく、断熱性能が高いとされています。
エネルギー消費量 | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
地域区分 | 1地域 (旭川等) | 2地域 (札幌等) | 3地域 (盛岡等) | 4地域 (仙台等) | 5地域 (つくば等) | 6地域 (東京等) | 7地域 (鹿児島等) | 8地域 (那覇等) |
ZEH基準 | 0.40 | 0.40 | 0.50 | 0.60 | 0.60 | 0.60 | 0.60 | ─ |
出所:経済産業省 資源エネルギー庁「ZEHの定義(改訂版〈戸建住宅〉」平成31年2月
ちなみに、2022年4月に住宅の品質確保の促進等に関する法律の改正に伴い、日本住宅性能表示が改正され、省エネ基準にZEH基準相当の断熱等級5、および一次エネルギー消費量等級6が新設されました。
また、ZEH住宅にはいくつか種類があります。注文住宅の新築で、こどもみらい住宅支援事業の対象となっているのは、上記のほかにNearly ZEH、ZEH Orientedがあります。
Nearly ZEH | 寒冷地や低日射向けで上記①②③適合かつ④再生可能エネルギー等を加えて、基準一次エネルギー消費量から75%以上の一次エネルギー消費量を削減 |
ZEH Oriented | 都市部狭小地等向けで上記①②のみ適合 |
これにより、寒冷地や多雪地域などの日照量の少ない地域や太陽光発電を設置できない都市部狭小地域での建築をお考えの方でも、こどもみらい住宅支援事業の補助金制度を活用することができます。
2022年10月1日から変わった新基準を知ろう
「2 注文住宅を新築して補助金をもらおう」でも少し説明しましたが、2022年10月1日から省エネ基準が変わり、これまでよりも高い省エネ性能が求められるようになりました。
その背景には、国が目指している2050年カーボンニュートラルを実現するためには、エネルギー消費の3割を占めている建築物分野の省エネ対策を加速する必要に迫られているという事情があります。
省エネ基準はどう変わったの?
まず、今回改正されたのは「建築物のエネルギー消費性能の向上等に関する法律」(「改正建築物省エネ法」)です。
以下が主な改正の内容になります。関連する項目だけ抽出しました。
改正ポイント①2025年以降新築するすべての住宅に省エネ基準(断熱等級4)適合を義務付ける |
改正ポイント②より高い省エネ性能に誘導する |
- ①について:
- 今後は、新築する住宅に適合する断熱等級の最低ラインが、これまで最高等級であった断熱等級4になることを表しています。
- ②について:
- ZEH住宅は、2022年4月1日に断熱等級5が新設されたという話をしましたが、実は、住宅性能表示がさらに改正され、10月1日より断熱等級6と7が新設されました。つまり、省エネ基準そのものがZEH基準よりも高くなったわけです。
等級 | 地域区分 | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 (夕張等) |
2 (札幌等) |
3 (盛岡等) |
4 (会津若松等) |
5 (水戸等) |
6 (東京等) |
7 (熊本等) |
8 (沖縄等) |
||
等級7 (戸建住宅) |
UA | 0.20 | 0.20 | 0.20 | 0.23 | 0.26 | 0.26 | 0.26 | ─ |
nAC | ─ | ─ | ─ | ─ | ─ | ||||
等級6 (戸建住宅) |
UA | 0.28 | 0.28 | 0.28 | 0.34 | 0.46 | 0.46 | 0.46 | ─ |
nAC | ─ | ─ | ─ | ─ | 3.0 | 2.8 | 2.7 | 5.1 | |
等級5 | UA | 0.4 | 0.4 | 0.5 | 0.6 | 0.6 | 0.6 | 0.6 | ─ |
nAC | ─ | ─ | ─ | ─ | 3.0 | 2.8 | 2.7 | 6.7 |
他の認定住宅の基準も引き上げに?
5-1で説明したように、省エネ基準が引き上げられたことに伴い、ZEH住宅以外の長期優良住宅・低炭素住宅・性能向上計画認定住宅でも、認定基準のひとつである省エネ基準が引き上げられ、より厳しいものになりました。
〔旧基準〕 | |
---|---|
長期優良住宅 | 断熱等級4で一次エネルギー消費量性能は問われない |
低炭素住宅 性能向上計画認定住宅 | 断熱等級4で10%の一次エネルギー消費量削減 |
↓ ↓ ↓
〔新基準〕 | |
---|---|
長期優良住宅 低炭素住宅 性能向上計画認定住宅 | 断熱等級5 20%の一次エネルギー消費量削減(一次エネルギー消費量等級6) |
「2 注文住宅を新築して補助金をもらおう」に記載した「10月1日以降に新基準で認定された住宅は補助金が100万円で、9月30日までに旧基準で認定された住宅は80万円」ということの背景には、認定基準(省エネ基準)がより厳しくなったために、補助金が旧基準から20万円もアップしたということ理由がありました。
つまり、2022年10月1日以降、新基準で認定された住宅は100万円となります。
2022年9月30日までに旧基準で認定された住宅は80万円になりますのでご注意ください。
こどもみらい住宅支援事業についてのまとめ
2050年のカーボンニュートラルを実現するには、住宅そのものによる省エネが重要です。
これから注文住宅を新築する方は、段階的に、高い省エネ基準を満たした住宅でないと建築できなくなるというのが現状です。とはいえ、そのためにはさまざまな条件をクリアしたり、費用に負担がかかったりします
こどもみらい住宅支援事業を活用することで、補助金を受けて少しでも費用の負担を軽くすることを視野に入れてもいいのかもしれません。
そんなとき、お役に立てるのがウェルネストホームです。
当社はこどもみらい住宅事業者に登録を済ませております。
また、当社が扱っている住宅の断熱性能はUA値0.28W/m2・Kとなっており、こどもみらい住宅支援事業の対象となる強化外皮基準をクリアしていますのでご安心ください。
これから住宅を建てようかなと考えている方は、ぜひ一度ご相談ください。