ZEH住宅よりもエネルギー消費量が低い
高断熱+高省エネの東京ゼロエミ住宅
認証されると助成金がもらえます!
「東京ゼロエミ住宅」のことはご存じでしょうか。
ゼロエミとはゼロエミッションの略で、カーボンニュートラルなどと同じ意味に捉えられています。
これは東京都独自の基準による高断熱+高省エネ住宅のことです。東京ゼロエミ住宅として認証されると助成金が支給されます。
省エネに加え、高断熱効果によって室温が保たれ、部屋間の温度差が小さくなることからヒートショックの抑制にもつながるなど、人にも環境にもおサイフにも優しい住宅となっています。
とはいえ「よさそうなのはわかるけど、どうしたら認証されるの」など、不安に思うかもしれません。
そこで、東京ゼロエミ住宅について2回に分けて説明していきますね。
今回は認証制度についてです。助成制度については次回お伝えいたします。
contents
東京ゼロエミ住宅ってどんな家?
東京都では、2050年カーボンニュートラルに貢献するゼロエミッション東京実現のため、2030年までにカーボンハーフを達成することを表明しています。
カーボンハーフは、温室効果ガスの排出を50%削減(2000年比)するもので、2030年までに温室効果ガスを46%削減する(2013年比)という国の基準よりも高いものです。
そのため、住宅の省エネ性能等を一層向上させる必要があります。
しかし都内では、地価が高く土地が狭いことなどが原因で、ZEH住宅などの普及が進んでいません。
2021年度の着工件数に対してZEH住宅全体(Nearly ZEH、ZEH Orientedを含む)は19.2%です。
そこで、断熱性能と設備の省エネ性能を部位ごとの「仕様」により「見える化」したのが東京ゼロエミ住宅です。
他の省エネ住宅とはどこが違うの?
都内でZEH住宅※が思うように普及していないのは、ZEH住宅では太陽光発電の設置が必須であることがひとつの原因とも考えられます。地価が高く土地が狭い都内では、太陽光発電の設置が難しいからです。
そこで、それを解消するため東京ゼロエミ住宅では、太陽光発電を必須の要件にしない代わりに、それを除く断熱や省エネ設備に基準を設け、全体としてZEH基準よりも高い削減目標が掲げられています。
※ZEHとはネット・ゼロ・エネルギーの略で、高断熱および高効率の省エネ設備を備えた住宅で、再生可能エネルギーを利用することにより年間の一次エネルギー消費量が正味ゼロまたはマイナスの住宅のことです。
東京ゼロエミ住宅のイメージ図
ZEH住宅のイメージ図
住宅性能について両者を比較してみました。
主な基準 | 東京ゼロエミ住宅(木造のみ) | ZEH住宅(東京を含む地域) | ||
水準1※1 | 水準2※2 | 水準3※3 | ||
強化外皮基準※4 UA値[W/m2K] | 0.70 以下 | 0.60以下 | 0.46以下 | 0.60以下 |
国が定めるエネルギー消費量からの削減※5 | 30%以上削減 | 35%以上 削減 | 40%以上 削減 | 20%削減 |
太陽光発電 | 必須ではないが設置が望ましい | 必須 |
※1 2022年4月以前からある水準(木造に限る) ※2 2022年4月以降新設:ZEH相当
※3 2022年4月以降新設:北海道相当 ※4 数値が低いほど断熱性能に優れています。
※5 コンセントを利用した設備(冷蔵庫、テレビ等)のエネルギー消費量は含まれません。
2022年4月以前は水準1の基準しかありませんでしたが、カーボンハーフをさらに加速するため、水準1よりも高い水準2・3が新設されました。
上の表を見ると、住宅性能そのものについては水準1を除けば、ZEH住宅と相当、もしくはそれ以上だということがわかります。
また太陽光発電の設置がなくても高い断熱性能や省エネ設備についての基準が設けられていますので、エネルギー消費量の削減は、ZEH住宅を超えています。
都内だからZEH住宅は難しいなと思っていた方でも、東京ゼロエミ住宅なら人にも環境にもおサイフにも優しい住まいが実現できるのではないでしょうか。
認証基準の詳細については、「2 東京ゼロエミ住宅として認証されるにはどうしたらいいの?」 でお伝えします。
東京ゼロエミ住宅にするメリットとは?
では実際、東京ゼロエミ住宅を導入するとどんないいことがあるのでしょうか。
東京ゼロエミ住宅を導入した場合のメリットは次の5つです。
①快適に暮らせる | 高い断熱性能を有した住宅は、部屋間の温度差がなくなることで、ヒートショックを抑制できるだけでなく、1年中快適に健康的に過ごすことができます。 |
②光熱費を削減できる | 断熱性能や気密性が高い家は、夏には外の暑い空気を入れず、冬には中の暖かい空気を逃しません。エアコン1台でも年中快適な生活が送ることができます。また冷暖房は家庭におけるエネルギー消費量の3割を占めていることから、省エネ性能が高いものに替えれば、光熱費が抑えられます。 |
③住まいが長寿命になる | 断熱性能が高い家では結露が抑制されるため、健康にもよく、建材の劣化を防ぐことができるため、住宅の長寿命化につながります。 |
④助成金が受けられる | 詳しくは、次回の記事で取り上げますが、東京ゼロエミ住宅の普及を促進するために助成金を支給する制度があります。 |
⑤脱炭素社会が実現できる | 2030年までにカーボンハーフを達成するために、ZEH基準よりも厳しい基準を設けています。東京ゼロエミ住宅として認証されたら、カーボンハーフに貢献できるというわけです。 ※詳しい認証制度については、2 東京ゼロエミ住宅として認証されるにはどうしたらいいの? を見てください。 |
東京ゼロエミ住宅として認証されるにはどうしたらいいの?
東京ゼロエミ住宅として認証されるには、認証機関で認証を受けなければなりませんが、任意です。
ただし、助成金を交付してもらうには、認証機関による認証が条件となっています。
助成金交付を希望される方は必ず認証を受けてくださいね。
ここでは、助成金を交付してもらうことを前提にお伝えいたします。
認証基準にはどんなものがあるの?
東京ゼロエミ住宅として認証されるには、①必ず適合すべき仕様に適合した上で、②水準ごとに設定された性能値をクリアしなければなりません。
①必ず適合すべき仕様(水準に関わらず共通)
部 位 | 主な仕様 | |
開口部の断熱性能 | 窓 | 熱貫流率※1 2.33W/㎡・K以下 面積が 0.5 ㎡以内のもの:熱貫流率が 3.49W /(㎡・ K) 以下 |
ドア | 熱貫流率 3.49W/㎡・K以下 | |
設備の省エネルギー性能 | 照明設備 | 全室LED (玄関、トイレ、洗面・脱衣所、廊下、階段及び階段のうち1か所以上は人感センサー付) |
暖冷房設備 | 高効率エアコン設置(省エネラベル※24★または5★) (リビングなど主たる居室に必ず設置) | |
給湯設備 | 高効率給湯器 (電気ヒートポンプ給湯器、潜熱回収型ガス給湯器など) | |
太陽光発電システム | 可能な限り設置が望ましい |
※2 家電等の省エネ基準です。
詳しくは経済産業省資源エネルギー庁Webサイト
「小売事業者表示制度(統一省エネラベル等)とは」をご確認ください。
水準1のみの仕様については、東京都環境局から出されている資料「東京ゼロエミ住宅における認証制度の改正等について」でご確認ください。
②水準ごとの性能値
水準1 | 水準2 | 水準3 | |
強化外皮基準 UA値[W/m2K] ( )内は木造以外※ | 0.70 (0.70)以下 | 0.60(0.70)以下 | 0.46(0.60)以下 |
国が定めるエネルギー消費量からの削減 | 30%以上削減 | 35%以上削減 | 40%以上削減 |
9月30日までに設計確認申請が行われた場合と10月1日以降では適用が異なりますのでご注意ください。
詳しくは、東京都環境局のWebサイト「東京ゼロエミ住宅」基準の多段階化について(一部改正)」をご覧ください。
認証までの流れとは?
東京ゼロエミ住宅として認証されるには、申請の上、審査を受けなければなりません。
ここでは、認証までの注意点をお伝えします。
全体の流れは下記の図のとおりです。
①認証機関に申請書等※を提出する人
提出するのは、東京ゼロエミ住宅の新築を行おうとする建築主です。
その場合、建築主の現住所が都外であっても問題ありません。また代行者でも可能です。
建築主自らが申請する場合には東京都環境局のWebサイト「東京ゼロエミ住宅の認証に関する要綱・東京ゼロエミ住宅指針」の中の建築主向けの様式からダウンロードできるようになっています。
認証機関については、東京都環境局のWebサイト「登録認証審査機関」をご確認ください。
※申請に必要な書類等については各認証審査機関に問い合わせしてみましょう。
②申請のタイミング
助成金交付にあたり、下記の両方が必要です。なお、申請する場合は認証確認審査から行ってください。
a.認証確認審査
認証事項に係る工事に着手する前※に申請してください。
※構造や工法によって異なりますが、例えば基礎の完成後、基礎断熱工事前か基礎、土台の完成後、床断熱工事前などです。
b.工事完了検査
設計確認書等の交付を受けた住宅の工事※を完了した後に申請してください
※東京ゼロエミ住宅の認証事項に係る工事すべてを指します。なお、主たる居室へのルームエアコンディショナーの設置工事(性能規定の基準を適用してセントラル空調を設置する場合を除く)とLED照明の設置工事が完了していない場合には完了検査が受けられないため注意が必要です。
また次のような重大な設計に変更※が生じた場合には、設計変更確認審査を受けてください。これは、変更に係る工事に着手する前に申請してください。
※木造から鉄筋コンクリート造など、住宅の構造種別の変更や認証要件の適合状況を確認する際に選択した認証要件の水準(例えば水準1から水準2)などの変更
それ以外の変更については、工事完了検査申請時に提出変更図書(図面など)に変更を行った旨を記載した上で提出してください。
まとめ
ここまでは東京ゼロエミ住宅の概要と認証制度についてまとめてみました。
次回は、助成金制度についてお伝えいたします。
建築主自らが申請する場合でも、代行者にお願いする場合でも、
私どもウェルネストホームは、持続可能な社会における健康で快適な住まいを提供するフロントランナーとして、納得いくまでお答えします。
気になることがあれば、お気軽にご相談ください。
注意事項
当社で以下の手続を行う際には、別途費用がかかります。
内容によって費用が異なりますので、ウェルネストホームまでお問い合わせください。
・東京ゼロエミ住宅の認証取得に伴う手続