土地探しの前に知っておきたい超基礎知識④
旗竿地はおすすめ?メリットデメリット&購入する際のポイントを解説
土地にはいろいろな形や種類がありますが、その中の一つに、「旗竿地(はたざおち)」と呼ばれる土地があります。旗竿地は「家が建てにくい」という理由で、土地購入の際に候補から外している人も多い一方で、3つのポイントをしっかり押さえておけば、メリットになるケースも多いのが特徴です。
そこで今回は、「旗竿地のメリットデメリット&旗竿地を購入する際の3つのポイント」について解説します。これらを理解して、購入する土地の候補として検討してみてはいかがでしょうか。
ウェルネストホームで土地探しのお手伝いをしている不動産エージェント、スタイルオブ東京株式会社の田坂妙子さんに話を聞きました。
プロフィール
田坂 妙子 Taeko Tasaka
得意エリア:東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県
興味・関心:コミュニティ・デザイン・建築
保有資格:宅地建物取引士
<自己紹介>
広島県広島市出身
法政大学 国際文化学部 国際文化学科卒業
◼︎大手ハウスメーカー/営業→ハウスメーカーで家づくりの全体像を掴む
◼︎建築設計事務所/商品企画、営業、広報→工務店と組んだデザイン住宅の新ブランド立ち上げに携わる
◼︎不動産コンサルティング会社/事業企画、営業→集合住宅(コーポラティブハウス)を事業計画立案~竣工・引渡しまでプロデュース
私のキャリアのスタートは、新卒で就職をしたハウスメーカーでした。
住宅のことも不動産のことも全くの素人で入社をし、営業としてお客様のお手伝いする中で、家づくりの基礎を習得しました。
設計事務所では、「設計事務所+工務店」でデザイン性もクオリティも高い一戸建てを目指した新ブランドの立ち上げにあたり、マニュアルのない家づくりをする中で、たくさんの人が関わるモノづくりの裏側を知りました。
不動産のコンサルティング会社では、自由設計ができる集合住宅(コーポラティブハウス)の企画から完成まで一気通貫して数年単位のプロジェクトを統括するコーディネイターとして働いていました。
注文住宅、中古リノベーション(戸建、マンション)、土地・建物の売買仲介、一通りの業務経験があり、不動産と建築の両方が分かる比較的珍しいキャリアの持ち主だと思います!
住宅選びの際は、とかく土地や建物の不動産としての価値に目が行きがちですが、
「そこでどんな暮らしがしたいのか=自分にとって豊かで幸せな暮らしの軸は何か」を見失わないことも大切です。
インターネットで少し調べれば情報が溢れる時代ですが、だからこそ、ユーザーにとっては真実が見えづらくなっているようにも思います。 ひとつひとつ紐解いて、答えを見つけましょう!
contents
旗竿地とは?
旗竿地とは、その名の通り「旗のかたちをした土地」のことを言います。道路に接する部分(接道部分)が極端に短く、細長く伸びる敷地(竿部分)の奥に、建物を建てるための広めの土地(旗部分)があります。
そのため、旗竿地に家を建てる場合、「旗」部分に建築するのが一般的な方法になります。まずは「旗竿地はなぜ存在しているのか」について詳しくお話しします。
なぜ旗竿地って存在するの?
旗竿地の存在理由については、「整形の土地を分筆して旗竿地にするケース」が考えられます。
ハウスメーカーや不動産会社は、土地を仕入れ、東西南北の方位や土地の広さ、形、間口など一般の方が家を建てる需要に合わせた区画にし、土地を分譲します。そのため、その区割りによって、旗竿地ができることがあります。
旗竿地のメリット
「旗竿地は形が悪いから理想の家が建築できない…」など、最初から旗竿地を候補に入れていない方は多いでしょう。しかし、建築計画によっては、メリットと感じられる点もあります。
ここでは、旗竿地の3つのメリットを解説します。
土地が安く手に入る
旗竿地は、利用計画に工夫が必要な形をしているなどの理由で、整形地と比べて坪単価は安くなります。
土地が安く手に入れば、同じエリアであっても予算内で土地を購入できたり、建築費に費用を回せたりする場合もあるでしょう。
旗竿地を活かした建築ができる
整形地の場合、特に首都圏などではコンパクトな土地を購入しようとした際に、駐車スペースの確保に頭を悩ませることもあります。
一方、旗竿地の場合、竿部分の間口や奥行きが確保できている敷地であれば、そこを駐車スペースに活用することで、建物の形やボリュームが計画しやすくなることがあります。
プライバシーが守れて静かに暮らせる
例えば、整形地の南側道路の土地に家を建てた場合、日当たりが良い、開放的になるなどのメリットがある一方で、以下のようなことに悩まされます。
- 道路から室内の目線が気になる
- 車の通りが多く騒音や振動が気になる
一方で旗竿地は、道路から離れている旗部分に家が建っているため、車の騒音や振動、人目も気にすることなく生活でき、比較的、静かな環境と言えるかもしれません。
また、小さなお子様がいらっしゃるご家庭では、お子様が急に玄関から飛び出したとしても、目の前が道路でないため、安心です。
旗竿地のデメリット
旗竿地にはデメリットもあります。
駐車スペースが限られてしまう
竿部分を駐車スペースやアプローチなどに利用する場合は、竿の幅によってはスペースが限られているため、駐車しづらくなってしまう恐れがあります。また、竿部分の幅によっては、見通しが悪く駐車しづらかったり、車の扉が開きにくく乗り降りが難しい可能性もあります。
日当たりや風通しがよくない
旗竿地に限らず都心では、日当たりや風通しがよい土地は、なかなか確保が難しく、全ての土地での確認ポイントですが、特に旗竿地では、周りの建物の配置(囲われ感)と敷地との関係が重要になるので、隣家の状況を踏まえた日当たり、通風の確認を行うようにしましょう。
また、お隣からの目線などを十分に考慮した計画が必要です。
2階リビングや窓の大きさや位置など、間取りの工夫で上手にカバーしましょう。
建築費用が高くなりがち
旗竿地に家を建てる場合、資材の搬入などの建築工事には注意が必要です。
例えば、広い道路に接している整形地の場合、工事の重機をスムーズに侵入させることができます。
しかし、旗竿地で重機の代わりに人の手で搬入作業をしなければならない場合、追加の建築費用や工期が必要になる可能性もあります。
旗竿地を購入する際のチェックポイント
このようにデメリットも多い旗竿地ですが、次のポイントを押さえれば物件によってはおすすめの土地になります。
- 接道の幅→普段の駐車、乗り降りに必要な幅、搬入経路の確保
- 旗部分の面積→建物のボリュームや間取りが入るかどうか
- 隣地の建物配置→囲われ感、日当たり、通風などの条件
接道の幅については、そもそも建築基準法では敷地が2m以上、道路に接していなければいけません。そのため2mの幅の「竿」の幅が最低でも必要です。
しかし2mの幅では、車が駐車できても乗り降りが困難になります。少なくとも2.5m〜3mくらいの幅の「竿」がおすすめです。
一口に「旗竿地」と言っても、さまざまなケースが考えられます。まずはどのような「旗竿地」なのかを確認しておくことをお勧めします。
事前に理解しておくと、その後の建築計画をよりスムーズに進めることができるようになるでしょう。
まとめ
土地は、整形地よりも旗竿地のような不整形地の方が価値は低いです。しかし、ウェルネストホームが建てる家なら、土地が不整形で価値が低くても、土地と建物を合わせて、できるだけ100点に近づけるよう工夫することができます。
旗竿地を土地の候補から外している方は、この記事のようなポイントをおさえて旗竿地を検討してみてはいかがでしょうか。自分で確認するのは難しいので、まずはご連絡ください。
ウェルネストホームの家は、旗竿地でも快適な生活の実現が可能です。