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ドイツ フライブルクの旅⑧ 遂に最終回!新興住宅地の様子と、振り返り対談「ドイツとこれからの日本」をお届けいたします!

ドイツ フライブルクの旅⑧ 遂に最終回!新興住宅地の様子と、振り返り対談「ドイツとこれからの日本」をお届けいたします!

前回のドイツフライブルクの旅⑦20年以上前から続くドイツの高性能住宅作りの取り組みを紹介します!では、換気システムやコージェネレーションシステム、太陽光発電など、持続可能な取り組みをご紹介しました。

視察の最終日を迎えたこの日、ドイツを案内してくださった環境ジャーナリストの村上敦さん、ドイツ視察初参加の株式会社ラクジュ・本橋哲幸さんをお迎えして、視察で得た学びを振り返ります。

ドイツ視察最終日を迎えて

ファザードを見るだけでも楽しいグートロイトマッテン地区

公営住宅
公営住宅

視察最終日、ウェルネストホーム一行はグートロイトマッテンという地区を訪れました。今回の視察でフライブルクを案内してくださった、環境ジャーナリストの村上敦さんがお住まいのエリアです。

新興住宅地であるグートロイトマッテンでは、他のエリアではなかなか目にすることができない、最新の技術を駆使したファザードの物件が立ち並んでいます。

デベロッパーが建設したこの建物はタイル貼り
デベロッパーが建設したこの建物はタイル貼り

こちらの建物は日本風に見えますね。
焼き杉をファザードに使っているようで、一際目を惹きます。

鳥の巣箱が設置されている理由

写真の◯で囲んだところをご覧ください。外壁と屋根の境界に、鳥の巣箱が設置されていました。

グートロイトマッテン地区は、クラインガルテンという市民農園を壊して作られた新興住宅地です。そのため壊した自然を守るためのさまざまな取り組みがなされています。「鳥の巣箱の設置」もそのひとつ。巣箱は周辺地域内で90箇所以上設置しなければいけないと定められているそうですよ。
ドイツ市民の環境意識への高さがうかがえますね。

左から株式会社ラクジュの本橋さん、早田、環境ジャーナリストの村上さん
左から株式会社ラクジュの本橋さん、早田、環境ジャーナリストの村上さん

振り返り対談「ドイツとこれからの日本」

グートロイトマッテンを視察した後は、環境ジャーナリストの村上さんの講義が行われました。
これにて、ドイツ視察での行程は全て終了です!
全ての行程を終え、村上さん、本橋さん、早田の3人が今回の視察を振り返ります。

早田 本橋さん、初めてドイツ視察に来ていただいて、いかがでしたか?

本橋 衝撃を受けて、夕食の席では憔悴していました(笑)。私は建築士で設計事務所と工務店をやっているので、家の性能を良くすれば地球が変わるとか、地域が変わると思っていました。でも違ったんです。やっと追いついたと思ってドイツに来てみたら、離されていましたね。完全に負けていました。「俺の15年はなんだったんだ」という気持ちです。

村上 都市計画において、日本の考え方は合理的ではないと感じます。戦後、これほどまでに人口が増えた国もなくて、団塊の世代ができたのは他国にはない現象です。大量の住宅供給が必要となり、それにともない金融の制度や住宅の制度、都市計画の制度がつくられてきました。80年代までは日本の都市計画制度が有効だったと思います。しかし、90年代に突入し、人口増加が止まるタイミングで社会的なシステムを見直すべきだったのではないでしょうか。それを変化させずに今まできてしまったというのが、日本の現状です。

本橋 高度経済成長期は不動産価値も上がっていましたし、バブル期を境に大きな転換を図る必要があったのではないかと思います。

早田 人口が減少していくなかで、都市だけがスプロール化※していく。チェーン店が建ち並び全国どこに行っても似たような風景で、若者が戸建てを建てることで、デベロッパーや開発会社は儲かるけれど、20年後には寂れて高齢者だけの街になる…。自治体は税金で行政やインフラを整え、学校も建設するけれど30年後には廃校にしてしまう…。日本ではそんなサイクルが普通だと思って暮らし、間違いに気づいていませんでした。
ドイツに来て村上さんの話を聞くと、誰しも何かしようと思うんですよ。その時はね。
でも私は2007年からやってもまだできていません。今やっと、高性能賃貸住宅をつくり始めているところで、まちづくりや都市計画、自治体との協業なんて、まだ始まったばかりです。

本橋さん、憔悴している場合じゃないですよ。やるべきことはたくさんありますから!

本橋 本当に衝撃的な視察でした…。

早田 年に2回、視察ツアーを実施していますので、「日本をよくしたい、変えたい」と思う方は、ぜひご参加ください。同じところに何度も来ることで街の進化もわかるし、木の成長もわかります。

村上 グートロイトマッテンは、私が住み始めたときよりも今の方が鳥の数も増えているし、年々自然が豊かになってきています。こんなふうに価値が上がっていく街をつくりたいんです。鳥の声で目覚められるというのが不動産の価値ですよ。

早田 私たちの世代だけでは日本は変えられないかもしれませんが、私たちが率先して頑張って、次の世代を教育し、10年15年で次世代へバトンを渡さなければいけません。

※スプロール化:無秩序な市街化

まとめ

いかがだったでしょうか?
平成24年に創業したウェルネストホームは、10年以上かけてようやく高性能集合住宅を形にできるようになりました。しかし、ドイツから学んだ本当の意味での「まちづくり」に携わり、広めていく挑戦は、まだ始まったばかりです。私たちはこれからも、持続可能な社会の実現に向けて走り続けます。

今回の記事の内容は、こちらの動画からもご覧いただけます。

ウェルネストホームはこれからも、視察での学びを生かし歩みを止めずに成長していきます。引き続き、応援よろしくお願いいたします!

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