シロアリ対策予防工法のデメリットを比較!緑の柱はもう古い?【新築を建てる人必見】

地震大国ニッポンでは大きな震災があるたびに、
倒壊した住宅の姿と住人の悲しみが報道されます
無事だった家と、倒壊てしまった家では何が違ったのか?
その裏には、「家を老朽化させる」シロアリの存在が・・・
住宅の寿命を伸ばすためにも重要なのが、シロアリ対策です

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大震災の建物倒壊の裏にシロアリが

「阪神淡路大震災」や「東日本大震災」をはじめ、「熊本地震」など、建物に甚大な被害を及ぼす大地震が各地で発生しています。地震の活性期に入ったのではないかと指摘する専門家の声を受け、地震大国日本では防災への意識が年々高まってきています。

地震が起こると度々ニュースになるのが住宅の倒壊です。せっかく建てたマイホームが一瞬にして瓦礫の山になってしまうのはとてつもない恐怖ですが、この倒壊の影には日々住宅を脅かすある存在がいます。

それがシロアリです。
今回は大地震で自宅が大きな被害に遭わないためにも、近年の大地震の中でも特に建物の被害が大きかった「阪神淡路大震災」及び「熊本地震」における公的な災害調査の結果をご紹介し、シロアリ対策についてもご説明してきたいと思います。

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阪神淡路大震災から学ぶシロアリ被害

1995年平成7年(平成7年)1月17日05時46分に、近畿地方の淡路島北淡町野島断層を震源とする震度7(マグニチュード7.3)の大地震(兵庫県南部地震)が発生しました。通称「阪神・淡路大震災」と呼び、近代の歴史では1923年に発生した「関東大震災」に次ぐ甚大な被害が発生しました。

淡路島、神戸市、西宮市、芦屋市などで震度7を記録し、死者6,434名、重軽傷者43,792名。全半壊家屋274,181棟。焼失家屋7,483棟、避難者約35万人、出火件数285件の甚大な被害をもたらしました。のちの調査で6,434名の死亡者のうち、実にその8割の方々が倒壊した住宅や家具などの下敷きとなる「圧死」であったとされています。

そして、震災後に行われた国土交通省の研究機関などの調査によると、多くの倒壊した住宅にシロアリ被害や木腐朽被害があり、建物の強度が低下していたことが指摘されています。1*)

シロアリは1階の柱と土台の継ぎ目を集中的に食べるため、上屋と基礎をつなぐ機能が損傷させます。

シロアリ被害グラフ

本来ならば耐震性の要となる住宅の足腰が弱体化してしまうため、住宅の耐震性を極端に低下させてしまうのです。

「シロアリ被害・腐朽あり」とされた家屋の9割が全壊しているのに対し、「シロアリ被害・腐朽なし」の家屋での全壊は約2割、さらに5割以上の住宅が軽微な被害と被災を免れていることは、専門家の間では有名な話です。

「阪神淡路大震災」の悲劇を繰り返さない為にも、これから家を建てる方には、必ず「シロアリ対策」=「地震対策」であるという認識を強く持ち、家づくりにおいて重要視していただくことを切に願います。

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うちは大丈夫という甘い考えがシロアリ被害の温床に

シロアリ

シロアリ薬剤メーカーのコシイプレザービング社はシロアリにより木造住宅の被害を減らすため、日本全国の木造住宅の解体現場でシロアリ被害状況の分析を行っています。その分析結果から、雨漏り・水漏れにより腐朽が発生している部位では特にシロアリ被害が多くみられることが分かりました。

また、一般的に薬剤塗布の目安とされている「地面からの高さ1m(GL1m)」をはるかに超えた3mの高さでも数多くのシロアリ被害が確認されています。つまり、一般的なシロアリ対策工事方法であるGL1mの防蟻処理だけでは、シロアリと木の腐れから大切な我が家を守るのは困難であることが、調査結果から明らかになりました。

また、お風呂場の床下や台所の壁の中などの目に見えない壁や床の中での水漏れによる腐朽被害が大半の住宅で確認されています。一部の住宅では、屋根裏などで雨漏れによる腐朽被害が見られました。

一見きれいに見える住宅でも、壁や天井を剥がし、床下に潜って調査すると、被害が発見される事がたくさんあります。実際にこれまでに調査した木造住宅の実に92%で腐朽被害が、85%でシロアリ被害が確認されています。(平成27年10月現在)

一般的なシロアリ対策では、ほぼ住宅を守ることが出来ないという現実があります。改めてシロアリ対策という目に見えない性能が、住宅を長持ちさせるためには必要不可欠であると結論付けられています。

解体現場調査結果による被害状況

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シロアリ対策の誤解①「ヒノキやヒバなら無処理でも大丈夫」

シロアリ被害のよく発生する場所

上記の写真は主要木材として、ヒノキやスギなどの未処理木材とウェルネストホームが標準使用している「緑の柱」(ACQ処理木材)をシロアリの巣内に並べ、2週間放置試験を行った結果です。

上段右の写真の通り、緑の柱は食害が全く起こっていません。一方、ほぼ食い尽くされた「ホワイトウッド」は、SPF集成材と呼ばれ、住宅用構造材として広く使用されている北欧産の集成材です。集成材は硬くて丈夫。「修正材は強度があるから耐震性は大丈夫ですよ。」と説明されます。

しかし、このホワイトウッドはシロアリの生息していない極寒の北欧産木材であり、極めてシロアリに弱いことが分かっています。同様に「腐れ」に対しても、ホワイトウッドが一番弱いです。そして、一般的にシロアリに強いといわれているヒノキですら食べられてしまいます。

実は、シロアリも好き嫌いがありますので、ホワイトウッドとヒノキがあれば、ホワイトウッドを優先して食べます。ですが、ヒノキしかなければ、ヒノキを食べます。つまり、オールヒノキの家では、シロアリは仕方なくヒノキを食べてしまいます。

一般に腐朽やシロアリに強いといわれているヒノキ、ヒバでも、時間が経つとシロアリに侵食されたり、水が含まれる環境では腐食・腐れが進むため5年に一度の薬剤塗布の継続が必要となるのです。

また、最近の住宅ではKD材といい、木材が水分蒸発で変形しないように強制的に窯で乾燥させた人工乾燥木材を使用しています。実はこの窯で強制的に乾燥させる際に、ヒノキやヒバなどのシロアリに強い木材に入っている天然の防蟻剤(ヒノキチオールなど)も揮発してしまいます。

そのため、人工乾燥木材は本来よりも圧倒的にシロアリに弱くなる個体が存在しており、「ヒノキだからシロアリ対策しなくても大丈夫」という以前の常識は、現在主流のKD材ではなおのこと通用しなくなっています。(人工乾燥木材の場合、防蟻効果にばらつきが発生する。)

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シロアリ対策の誤解②「防腐薬剤は無敵」

シロアリ対策に有効だと言われている、薬剤塗布・吹き付けによる防腐・防蟻効果は、約5年で失効します。 そのため、薬剤による防蟻処理は、5年毎に再施工が必要となります。しかし、現実問題として5年後に壁や基礎で隠れている構造材を処理できるでしょうか?

シロアリ対策防腐薬剤の再処理

例えば土台は、基礎内側の露出している1面しか再処理することが出来ません。柱や構造用合板に至っては、壁の中に隠れているので新築時限定で、以後は再処理すらできません。シロアリ薬剤塗布の最大の問題点は、再処理すべき土台や柱は「壁の中に隠れている」ことです。「隠れている」木材を定期的に薬剤処理できませんので、シロアリや腐朽菌の被害を防げず、被害が発生していても壁を破壊しないと確認すらできません。

薬剤塗布による防蟻処理の場合、本当は「目視できない壁の中」こそ常に再処理し、目視で確認する必要があります。(現実的にはできませんので、約8~9割というほとんどの住宅で被害が発生しています。

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シロアリ対策には「緑の柱」を

緑の柱とは、特殊な薬剤が加圧注入された耐久性に優れた木材であり、ウェルネストホームでは「緑の柱」を土台だけではなく1階の柱まで全部に採用しています。

「緑の柱」の防蟻成分は銅化合物などの安定した天然資源のため、揮発や劣化を起こすことがありません。そのため効果が半永久的に持続するので、壁内部の再施工の必要がありません。

つまり、ウェルネストホームの防蟻対策である「緑の柱」はメンテナンスフリー、半永久的に防腐・防蟻効果を維持できるのです。

緑の柱と一般的な塗布処理木材の比較
左:加圧注入木材(ウェルネストホームの木材)、右:塗布処理の木材(一般的な木材)

加圧注入処理で使用する薬剤マイトレックACQの主成分は、「銅化合物」と「塩化ベンザルコニウム」です。銅化合物は10円玉などの銅貨をはじめ調理器具などに用いられており、非常に馴染み深い存在です。塩化ベンザルコニウムは医薬品で歯磨き粉やウエットティッシュ、洗濯用洗剤などの防腐剤や、病院などでは消毒液などとして使用されている一般的な薬剤です。

また、下表は、ラットを使った経口毒性調査・LD50値でACQ処理液を他の様々な物質と比較したものです。LD50値とは急性毒性を表す値で、体重1kgあたりどのくらいの量を摂取するとラットの死亡数・生存数が半々になるかを数値化しています。つまり、1kgあたりに摂取した化合物の値が小さくなるほど、危険性が高いといえます。

「緑の柱」で使用している加圧注入ACQ処理液は、砂糖とほぼ同等のLD50値です。勿論「食べ物」と「ACQ処理液」は用途が異なりすぎますので、単純に比較はできませんが、口に入れた時でも塩やトウガラシ、コーヒー等の食品よりも安全性が高いレベルの薬剤であるということは、なんとなくご理解いただけたのではないでしょうか?

身の回りにある化学物質の急性経口毒性(LD50値)

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こんな営業トークに要注意「緑の柱はもう古い」

緑の柱で使用されている「ACQ」は国内で使える防蟻工法として、最も信頼性が高いとされています。ただし、この最強の防蟻剤にも唯一といってよい欠点があります。それは「ACQは金属の腐食性が強い」ことです。

この点を指摘して、某営業マンは次のような緑の柱のつぶしトークをします。

「木造住宅では釘や耐震金物を使って施工しています。ですから、釘などの金物が錆びてしまうと耐震性能が落ちてしまうのです!アメリカでは既にACQはもう古いです。今はMCQという加圧注入剤に変わっていて、8割近いシェアを占めています。ACQはもはや過去の防蟻剤で、効果は無いんですよ!」

確かにこの緑の柱は金属腐食性を有しておりますが、このつぶし営業トークは、金属腐食の性質を理解していないために起こる誤解です。ACQの金属腐食問題については緑の柱の開発元であるコシイプレザービング社が十分に調査をされており、問題がないことを確認しております。

なぜ問題がないのかを金属腐食への理解を深めながら確認していきます。

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「緑の柱」が金属を腐らせるからダメという誤解

金属腐食とは、なんらかの化学的又は生物的な作用により、物体の外見や機能が損なわれることを指します。
最も身近な腐食は、食べ物の腐れではないでしょうか。腐った食べ物を食べると健康を害しますので、食べ物本来の機能を失った状態となります。同じく鉄を濡らして放置しておくと錆びてしまいます。科学的には鉄が水分の多い環境によって表面に化学反応が起きて見た目や機能が損なわれた状態(鉄の場合は錆びた部分の強度が著しく低下する)です。

 
先ほどの鉄の場合、乾燥した大気中であれば特に錆びることはありません。ところが、水分が存在すると、鉄の周りの酸素が水中に取りこまれる事で、酸素の自由電子が水分に移動してしまい、+鉄イオンに変化します。その後水が蒸発すると、再び空気中の酸素と鉄が結合し、酸化鉄となります。

同じく異なる種類の金属どうしが接触すると、一方の金属で接触した部分腐食が発生する場合があります。これを「異種金属接触腐食」(以下電蝕)と言います。もう少し電気化学的に追加説明しますと、電位の違う二つの金属が接触すると、卑な金属はイオン化(腐食)が助長され、貴な金属はイオン化が抑制されます。

ACQの主成分である銅化合物は鉄と比較すると、貴な金属であるために鉄製の釘や金物が電蝕を起こしてしまい、鉄くぎは錆びてしまいます。

金属名 イオン 標準電位(V)
Au+ 1.5 貴な金属
白金 Pt+++ 0.86 錆びにくい
パラジウム Pd++ 0.82
Ag+ 0.799
水銀 Hg++ 0.792
Cu++ 0.345
Pb++ -0.132
ニッケル Ni++ -0.248
コバルト Co++ -0.278
Fe++ -0.426
クローム Cr++ -0.51
亜鉛 Zn++ -0.762
アルミニウム Al+++ -1.337 卑な金属
マグネシウム Mg++ -1.55 錆びやすい

電蝕で鉄くぎは錆びてしまいますが、心配はありません。
というのも、電蝕は永遠と錆び続けるわけではなく、表面を薄い錆膜が覆う程度で止まるからです。(酸化鉄が不導体のため電子が移動しなくなるから)

その為、太い釘の耐力はACQの電蝕程度では本来の強度が落ちるようなことはありません。
同じ理由で、さらに厚みのある耐震系の金物も全く問題ありません。

金物メーカーに確認いただければ分かりますが、ちょっと表面が錆びたぐらいで機能が失われるような製品はそもそも作られておりません。
(余談ですが、昔は大工さんが鉄くぎを口にくわえて金槌でたたいていました。これは、両手が空くこともありますが、鉄くぎを口にくわえることで、木材に打ち込んだ後に唾液で表面がほんの少し錆びて膨張することにより、くぎが抜けにくくする意味もあったといわれています)

上記の理由から、鉄くぎが電飾で錆びることによって、耐震性が損なわれることはありませんが、念には念を入れて考えているウェルネストホームでは、そもそも電蝕を起こさないように、表面が絶縁コーティングされた対電蝕用の専用釘を使用しております。そもそも電蝕錆びすら発生させません。

私たちが自信を持ってお勧めする「緑の柱」+「対電蝕釘」により、半永久的にシロアリ対策、防腐対策、そして地震対策を行っていただきたいと思います。

参考文献

1*)出典:『阪神・淡路大震災調査報告 総集編』(阪神・淡路大震災調査報告編集委員会、2000年)、厚生省大臣官房統計情報部「人口動態統計からみた阪神・淡路大震災による死亡の状況」(1995.12)

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この記事を書いた人

今泉太爾
一般社団法人 日本エネルギーパス協会 代表理事 / 住宅の省エネ・快適性などに関する専門家。その他住宅に関する幅広い知見を持つ。国土交通省や長野県など、中央官庁や地方自治体の環境・住宅政策の専門委員を歴任。

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