パブリック・コメント(パブコメ)の書き方 「断熱義務化の見送りに物申す!」
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パブリックコメント(以下:パブコメ)の書き方
書き方
- 郵送でも、ウェブサイトでも、基本は同じですが、ウェブサイトで出す場合は2,000字までという字数制限があり、図表も使えません。文字数制限以上の力作を送りたい場合は郵送がおすすめです。(図表も使えます。ただし、1000文字以上の場合は要旨を別途記載する必要があります。
- パブコメWebで配布されている「意見提出様式」は、PDFで配布されていますが、パソコンなどで作成する場合は、Wordでほぼ同じものを作って提出しても大丈夫です。サンプルを作成しましたのでFAXや郵送で送る場合はぜひご利用ください。(なお、郵送は1月5日必着ですのでご注意ください。)
- 「義務化見送り反対!」などと、たとえ1行でも、難しいことは抜きに自分の気持ちだけ書いても、書くことに大きな意味と意義があります。ぜひ気張らずに自分の言葉で書いてみて下さい。
書く意見の中身はどんな感じ?
今までにパブコメを投稿したことのない方には敷居が高そうに感じるかもしれませんし、初めて書く方は迷われるかもしれません。なんかしっかりとしたことを書かないとだめな感じもしますよね。でも大丈夫です。パブコメに決まった書き方というのはありません。というのも、政府の政策への多様な民意の意見投稿につき決まりは無いからです。
文体も、敬体(ですます体)でも常体(である体)でもなんでもOKです。なので、イメージをして頂くために、後ほどちょっとした事例を挙げてみますので参考にしてください。
締切に注意!!
締切は1月5日(土)です。
では、あなたの感じていることや思っていることを書いてみましょう。
以下簡単な例を示しますので、参考までにご覧ください。
今回のパブコメ例
例その1 短文で。
何でも構いませんので、皆さん思ったことをtwitter感覚で投稿してみましょう。
- 2020年の省エネ基準義務化を予定通り進めるべき。
- 2020年の省エネ基準義務化を白紙化するのは反対です。
- 消費者保護の観点から、20年近く前のヒートショックを増長させるような低レベル住宅しか作れない事業者を保護してはならない。
- 2020年に住宅も省エネ基準が義務化されると、お客様にさんざん説明してきました。国の方針に従ってきた真面目な私達を嘘つきにしないでください。
- 平成28年基準へのコストアップは87万円もかかりませんよ。せいぜい30万ぐらいです。数値が間違っているのでは?
- 四割も省エネ基準達成できない住宅をいまだに作らせていることが問題だ。早急に義務化すべきだし、気候変動対策を進めるためには、さらなる最低基準のかさ上げが必要なのでは?
- 6ページにある【省エネ基準への適合のための追加コストを光熱費の低減により回収すると仮定した場合の期間】が35年の根拠を示してほしい。どう考えてもそんなにかかるわけない。ZEH外皮と間違えてませんか?
- なぜ予定通り義務化できなかったのか、義務化に向けた国土交通省の政策失敗の理由と再発防止の政策内容を審議会に提出してほしい。
例その2 自分が気になる部分に物申す!
■一度かけた梯子を外すな!(事業者系)
2020年省エネ基準義務化という政府の方針が示されてから、まじめに省エネに取り組んできました。今では当たり前に平成28年基準は達成し、Heat20(G1)レベルの住宅をお客様に提案しています。お客様にも国の方針に従い、2020年から義務化されると説明してきました。こんな私たちを嘘つきにしないでほしい!!業界を挙げて2020年に向けて頑張ってきたのだから、予定通り義務化すべきと考えます。一生懸命努力している、6割以上のまじめな事業者にかけた梯子を外さないで下さい。まじめな人間が馬鹿を見るような社会に未来はない!
■気候変動対策を後退させてはならない!(気候変動系)
世界の気候変動は日に日に厳しくなってきています。先進国の代表として自国内はもとより途上国の経済成長と環境対策の両立支援など、環境先進国としての日本の役割は重要だと考えます。だからこそ、足元の自国での省エネにまごついている場合ではないので、2016年段階で6割が基準達成しているのであれば、2020年までに100%達成は十分可能なのではないか?そのために業界を挙げて頑張ってきたんだから、予定通り義務化すべきと考えます。
■先送りするならパリ協定を踏まえて目標値と期限を!(提案系)
直近の平成30年7月3日閣議決には「、規制の必要性や程度、バランス等を十分に勘案しながら、2020年までに新築住宅・建築物について段階的に省エネルギー基準への適合を義務化」とあります。もし閣議決定を撤回するのであれば、国交省だけではなく環境省、経済産業省と関係3省合同にて議論し直し、IPCC最新レポートで示された追加削減と時期を踏まえた(温暖化を1.5℃未満に抑えるために2030年までに2010年比で45%削減)新たな目標値と期限をセットしなおす必要があるのではないでしょうか?翻案を見る限りそのような話は一切出ていないので、このまま通すのはあり得ないのではないでしょうか。審議会のやり直しを強く希望します。
例その3 細かく指摘する。(1979文字)
■気候変動対策を後退させてはならない!
世界各国で異常気象による自然災害が年々増加しており、私たちの生活を脅かし始めている。この最大の要因と考えられているのが地球温暖化による気候変動であり、私たちの住む日本でも、今年の夏に代表される災害級の猛暑日の増加、集中豪雨や大雪の増加等、その悪影響は深刻かつ多岐にわたる。
先月のCOP24ではすべての国が、温室効果ガスの削減目標や達成の方法などを提出・説明し、2024年末までに削減状況の報告書を提出するこが盛り込まれた。しかし、各国が掲げる2030年までの削減目標をすべて達成しても、協定目標の2℃未満に抑えることができず、今世紀末には約3℃上昇してしまうことが「IPCCGlobalWarmingof1.5℃」2018年10月8日発表によって報告されている。
日本の2030年に26%削減(2013年比)などでは全然足りず、約2倍近くの45%削減(2010年比)が1.5℃未満に抑えるために必要であり削減量の大幅な積み増しが今後必要となる事は明らかだ。世界が一つになって取り組む気候変動対策は、これからの10年が最も重要である。大切な10年を間違った政策運営でつぶさないためにも、本レポートを踏まえた削減目標を視野に入れて再検討すべき。
■閣議決定済のエネルギー基本計画、地球温暖化対策計画との整合性
これまでの政府の試算では一貫して、家庭部門の主力策として、2030年までに20%の徹底的な省エネの実現が必達目標であり、2020年までに最低限新築される住宅に関しては省エネ基準の義務化が必要不可欠と試算されていた。当方でも試算した限り、義務化を先送りして達成できるとは到底考えられない。
詳細は/2719/
今回省エネ基準義務化を先送りしても閣議決定済の「徹底的な省エネ量2030年312.4万kL)」を確保できるのか、本案では全く示されていない。次回1月18日の審議会で、第三者でも検証可能な詳細な出典及び計算方法の明示を求む。
■投資回収期間の根拠が不明
本案P6表4の大規模20年、中規模17年、小規模住宅35年の根拠資料が不明なため検証できない。(特に追加的コストの根拠資料が全く存在せず、小規模住宅=87万円/戸と結果だけが突然示されている)当方にて積算資料2018年や緑本等を使用して試算した所、37.4万円と2倍以上の開きが発生している。次回の審議会で、追加的コスト87万円/戸の第三者でも検証可能な詳細な出典及び計算方法の明示を求む。
■平成4年基準の仕様が現実的ではない。
追加コストの基となる平成4年基準の仕様が現実的ではない。戸建住宅では97%近くがペアガラス化しており、わずか2%程度のアルミ単板を基とするのはおかしい。同GW10K35mmも製品として市場には存在しない。存在しえない架空の条件を基にコスト計算して費用対効果が合わないというのはあり得ない議論では?現実的な仕様にてコスト試算は再検討すべき。
■景気への影響検討が逆
本案では景気への影響を懸念されているが、むしろ省エネ基準未達住宅の状態的な光熱費増加は長期的に消費意欲を減衰させる。追加的コスト+想定利用期間内の光熱費総額(最低でも住宅ローン期間30年前後~ストック5000万を94万戸で入れ替える想定53年)で検証すべき。仮に義務化見送りで30%基準未達とした場合、住宅投資額は650~1340億円減少)。義務化見送りは短期・長期共に景気を後退させる。
■事業者ばかりではなく、消費者の意見を重視
本件では一部事業者の後ろ向きな意見に議論が偏っている。重要かつ最優先で保護すべきなのは住宅取得者である。変化を嫌う旧体制な事業者ではなく、住まい手である消費者の意見を中心に議論すべきだ。住宅の新築・購入時の省エネ性能の検討の意向では94.5%が前向きであることを踏まえ、予定通り義務化をするべきだ。
■意見まとめ
以上だけでも本案は正しい議論がなされているとは到底言えないため、審議会で以下の再検討を強く求める。
- IPCC GlobalWarmingof1.5℃に基づく削減目標の試算
- 出典、計算方法等が明確で第三者でも検証可能な様に資料訂正
- 訂正済資料を踏まえ、ゼロベースで義務化再検討。万が一先送りがやむ負えない場合、いつまで先送りするかの延長期限を必ず再設定すること
- 2012~2020年までの8年間もの期間で予定通り達成できなかった政策不備に対する評価検証と再発防止策の立案
- 前項の評価検証を踏まえて2020年以降2度と失敗しないための、「新築住宅における省エネ基準適合の推進策」として具体的な2020年~義務化再設定期限までの直近の政策強化案を合わせて審議会で議論すること
レッツパブコメ!!
さあ、上記は私の一例です。
何度も言いますがパブコメにはきまった形はありませんし、こうしないとだめだというものもありません。皆様の感覚に合った投稿を、ぜひ挑戦してみましょう。
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=155180734&Mode=0