スーパーラジエントヒーターとはなにか?遠赤外線効果で炭火のような料理が手軽にできる新しい調理機器

スーパーラジエントヒーターとはなにか?
遠赤外線効果で炭火のような料理が手軽にできる新しい調理機器

スーパーラジエントヒーターは、電気の力でセラミックを加熱し、セラミックから放出される遠赤外線で食材を温める調理器具です。IHクッキングヒーターと比べて電磁波の磁力も弱いので、ペースメーカーの方や妊婦さんも安心して使えます。遠赤外線効果により、炭火のような美味しい料理を、自宅で簡単につくる事ができます。ニクロム線を熱する従来のラジエントヒーターとも違います。ガスコンロやIH調理器にはなかった新しい調理器であるスーパーラジエントヒーターの特徴について詳しく解説しています。

※WELLNESTHOME創業者の早田がyoutubeチャンネルでキッチンについて解説している動画はこちら

スーパーラジエントヒーターとはなにか

スーパーラジエントヒーターとは、どんな調理機器なのでしょうか。
下の写真のものが実物になりますが、見た目はIH調理器となんら変わりありません。

赤く光っている部分が気になりますね。
これは何だと思いますか?

赤く光っている部分はセラミックです。
スーパーラジエントヒーターは、電気を流してセラミックを温めているのです。
セラミックを高温で温めると、上の写真の通り赤く光りだすのです。

そして、この赤い光がスーパーラジエントヒーターの肝ともいえる遠赤外線です。
遠赤外線といえば、最近は温熱療法のような代替療法としても有名ですよね。遠赤外線ヒーターのような商品も出回っています。

見た目はIH調理器と変わりませんが、ガスコンロやIH調理器とは加熱の仕方がまったく異なるのです。
遠赤外線については、後ほど詳しく解説いたします。

スーパーラジエントヒーターのガスコンロ、IH調理器にはない
4つの特徴

「スーパーラジエントヒーターって何がすごいの?」
「ガスコンロやIH調理器と何が違うの?」

ラジエントヒーターを聞いたことはあるけど、実際のところラジエントヒーターが何者なのかご存知でない方の方が少ないのではないでしょうか。

スーパーラジエントヒーターの特徴は、主に以下の4つになります。

①ガスコンロと違い火災のリスクが低い
②IH調理器に比べて電磁波の安全度が高い
③遠赤外線の作用で炭火のような調理が簡単にできる
④レンジフードの掃除の手間がかからない

上記について詳しく説明していきますね。

スーパーラジエントヒーターの特徴①:ガスコンロと違い火災のリスクが低い

皆さんはご存知でしたか?
家庭の中でこれほど火災の件数があることを。


東京消防庁

ちなみに「着衣着火」とは、ガステーブルの火が着ている衣服に燃え移ることです。

上記のグラフは、過去5年間のガステーブル等(ガステーブル、ガスコンロ、ガスレンジ、簡易型ガスコンロ)による火災の件数、死亡者数をまとめたものです。

データを見ていただくと分かりますが、ガステーブルによる事故は減ることなく毎年のように起きているのです。しかも、認知能力の低下している高齢者に起きやすい事故です。

日本において今後ますます高齢者の割合が増える中で、この状況はあまり芳しくはありませんね。

このような状況の中で、スーパーラジエントヒーターは火を使わず遠赤外線で料理するので、着衣着火の心配もなく、安心して調理することができます。

ちなみに、火を使わないという点ではIH調理器でも同じですが、IH調理器でも火災の事故が起こっていることをご存知でしたか?

詳しくは日本経済新聞のこちらの記事をご覧いただきたいのですが、IH調理器で多いのが天ぷら油が発火点に達することによって起こる火災事故です。鍋底が凹凸になっていてセンサーが機能しなかった、油の量が少量で、油の温度上昇に対してセンサーの感知が遅れたなどが、油の発火の原因とされています。

スーパーラジエントヒーターの特徴②:IH調理器に比べて電磁波の安全度が高い

皆さんは、IH調理器がもしかしたら危ない調理器だと知っていましたか?

IH調理器が危ないと言われているのは、電磁波が原因です。

まず、ペースメーカーを使っている人は、間違いなくIH調理器を使うのはNGです。ペースメーカーは、心臓の中の洞結節と呼ばれる場所に異常が起こった人が、正常に心臓を動かせるようにするために取り付けられる医療機器です。


日本ライフライン

もしペースメーカーを埋め込んだ人がIH調理器を使えば、不整脈や心臓停止を引き起こす可能性があります。IH調理器の各メーカーが注意事項として明記しているので、実際に見てみると良いでしょう。

それでは、心臓に異常のない人ならば、IH調理器を使っても問題ないかといえば、そのようなことはありません。

WHO(世界保健機関)は、

4mG(ミリガウス)以上の電磁波を長時間浴びることによって、子供の小児白血病のリスクが2倍に上がる

ということをすでに公表しているのです。
(わくわくガス屋さんの記事より引用)

ちなみに、IH調理器からは、200mG以上の電磁波が出ています

電磁波の発信源であるIH調理器の本体に近づけば近づくほど、より多くの電磁波を浴びることになります。ならばマジックハンドなどを使い、IH調理器から離れて調理すれば解決するのでしょうか?物理的に考えて、そのようなことは現実的ではありません。

また、電磁波に被曝することによって、アルツハイマーのリスクを上昇させるという研究も最近報告されています。

様々な疫学調査は行われているものの、電磁波については人体への有害性が正確に証明されているわけではありません。

IH調理器でももちろんけっこうなのですが、人間にとって健康で快適な暮らしを実現するという意味で、私たちWELLNEST HOMEとしましてはスーパーラジエントヒーターを推奨させていただいております。

注意していただきたいのは、スーパーラジエントヒーターから電磁波がまったく出ないわけではありません。電気を必要とする家電製品全般は、少なからず電磁波を出しているのです。ただし、スーパーラジエントヒーターが出す電磁波は3.5mGと微弱なため、人体に影響が出る可能性が極めて低いということです。

電磁波については、後ほど詳しく説明したいと思います。

また、弊社のお施主様の中には「電磁波が危険なのはわかっているけど、どうしてもIH調理器を使いたい」という方もいらっしゃいます。そのような方には、ドイツのガゲナウ社(GAGGENAU)のIH調理器を提案させていただいております。

ガゲナウ社のIH調理器は、電磁波がトッププレートに対して垂直方向しか出ないこと、鍋の底のサイズがトッププレートのサイズに合わないと使えないなど、人間が電磁波に被曝しないための対策が徹底されています。IH調理器から30cm離れると、電磁波はゼロになります。

スーパーラジエントヒーターの特徴③:遠赤外線の作用で炭火のような調理が簡単にできる

スーパーラジエントヒーターの原理は、セラミックを電気で温め、セラミックから放出される遠赤外線で食材を温めるというものです。

皆さんは、炭火で焼いた料理を美味しいと感じたことはありませんか?
例えば、焼き鳥屋さんで食べる焼き鳥はまさにそれです。

これは、炭から出る遠赤外線が食材の中に吸収され、食材を内側からじっくり温めているからです。

焼き鳥を調理する場合には、肉汁を外に逃すことなく、焼き鳥の旨味をそのままにして召し上がる事ができます。

そういえば、スーパーラジエントヒーターから出る赤い光は、炭を焼いたときの赤く光っている様子と似ていますよね。

同じセラミックという点では、石焼き芋のイメージが近いかもしれません。

石焼き芋で使われているのもセラミックの天然石です。
石を加熱することで遠赤外線が放出され、遠赤外線がサツマ芋の中に吸収され、中までふっくらと温めているのです。

長崎窯業技術センターの調査結果によると、このスーパーラジエントヒーターから、78.8%(積分放射率)もの遠赤外線が出ていることがわかりました。


MFG(エムエフジー)株式会社

「78.8%」という数字自体があまりピンとこないかも知れませんが、これは炭火が出す遠赤外線のおよそ2倍もの量に相当します。だからといって、炭火の料理の2倍美味しいかというと、そのようなことはありませんが、遠赤外線がたくさん出ているということはイメージしていただけると思います。

遠赤外線の何が良いのか?
積分放射率とはそもそも何か?

もっと詳しく知りたい場合には、後ほど詳しく説明していきたいと思います。

先日、MFG社が主催するスーパーラジエントヒーターの実演会に参加してきました。

実演会の中でつくるレシピの1つがハンバーグです。
ハンバーグは、中まで火を通すのが難しい料理の1つです。

そのような中で試したのが、このような分厚いハンバーグです。
こんな分厚いハンバーグを、無事に焼き上げることができるのでしょうか?

途中経過を見てみましょう。

表面の色が少し変わってきましたね。

お気きの方もいらっしゃると思うのですが、お肉から肉汁がほとんど染み出していないんですよ。ガスコンロやIH調理器で調理した場合、必ずといってよいほど肉汁が染み出すはずです。理屈で説明するのが難しいところもありますが、これが遠赤外線による効果です。

最終的に焼き上がったハンバーグがこちらになります。

デミグラスソースをかけた後なので、多少分かりづらいかもしれませんが、ハンバーグの断面を見るとちゃんと火が通っています。

ハンバーグを調理するとき、表面はこんがりと焼けるものの、中まで火を通すのが難しいですよね。ガスコンロやIH調理器の場合には、フライパンそのものの熱でハンバーグを焼いているのに対し(熱の伝わり方のうち伝導という)、ラジエントヒーターの場合には輻射熱(遠赤外線がハンバーグに吸収され熱に変換される)によってハンバーグそのものの分子運動を活発にして温めているのです。

ハンバーグを「焼いている」というよりも「温めている」というイメージが近いかもしれません。

IH調理器やガスコンロが加熱している対象が鍋なのに対して、スーパーラジエントヒーターが加熱している対象は食材そのものなのです

スーパーラジエントヒーターの特徴④:キッチンの油汚れの掃除の手間がかからない

年末の大掃除、皆さんはしっかりと済ませましたか?
キッチン周りのお掃除の中で厄介なのが、油汚れを落とすことです。

テーブル周りの汚れを落とすのも大変ですが、それ以上に手間がかかるのが換気扇の掃除です。換気扇のベトベトな汚れの正体は、まさに油汚れなのです。

なぜ油汚れができるのかというと、調理で使った油が揮発し、揮発した油が換気扇の表面にベットリとくっついているのです。揚げ物のときに油からブクブクと泡が立っているのは、まさに油が沸騰している証拠です。

スーパーラジエントヒーターを利用されているお客様からは、「キッチンのお掃除が楽で助かる」という声も聞きます。スーパーラジエントヒーターには、内部に温度計がついており、その温度によって自動で出力を調節する機能がついているのです。そのため、油を使った調理も温めすぎずに行うことができるのです。

余談になりますが、スーパーラジエントヒーターによる火災事故が起こらないのは、この温度調節機能の賜物だと思います。

スーパーラジエントヒーターの実演会は、全国で開催されていますが、実演会の中で定番として作るレシピの一つが大学芋です。

大学芋に必要な材料は、角切りにしたさつま芋、砂糖、食用油です。
これらの材料をフライパンで温めるのです。
下の写真の通りに。

大学芋をつくったことのある方ならば、「本当にこんなので大学芋ができるのか?」と突っ込みを入れたくなりますよね。この場に写真はありませんが、ちゃんと大学芋はつくれます。

大学芋の調理でいちばん驚かれるのが、油の色がまったく変わらないことです
通常ならば、調理した後、油はまっ茶色になりますよね。

しかし、スーパーラジエントヒーターで調理したあとの油を見てみると、まったく色が変わっていないのです。

WELLNEST HOMEのモデルハウスにおきましても、不定期ではありますがスーパーラジエントヒーターの実演会を開催しています。もし気になる方は、お問い合わせしてみてくださいね。

ちなみに、家庭でよく使われているサラダ油の沸点は、メーカーから公表されているわけではありませんが、一説によれば140〜150℃と言われています。つまり、サラダ油は火をかけると簡単に揮発してしまうんですよね。

オリーブオイルの沸点は、サラダ油よりも高く190〜210℃です。健康志向の方が、サラダ油よりもオリーブオイルを愛用されるのはこれが理由です。

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ラジエントヒーターとスーパーラジエントヒーターは何が違うのか?

先ほども申し上げた通り、スーパーラジエントヒーターはMFG(エムエフジー)株式会社が取り扱っている商品名です。

皆さんが想像されているラジエントヒーターは、「IH調理器を導入するときに3口目についてくるもの」というイメージではないでしょうか?
下の写真に示すIH調理器の中で、真ん中で赤く光っている部分がラジエントヒーターです。

実は、このタイプのラジエントヒーターとスーパーラジエントヒーターは、まったく別物です。このラジエントヒーターからは、遠赤外線は出ません。

なぜならば、熱源として使われているのはニクロム線だからです。
通常のラジエントヒーターは、電気を流してニクロム線を熱し、ニクロム線の熱によって調理するという仕組みになっています。

ニクロム線の熱が鍋の底に伝わり、鍋の熱が食材に伝わることによって調理をするという流れです。

当然ながらニクロム線から遠赤外線は出ません。
従来のラジエントヒーターは、どちらかといえば電気コンロに近いイメージです。

なぜIH調理器の中にラジエントヒーターが組み込まれているかというと、IH調理器にはIH専用の鍋しか使えないからです。

例えば、土鍋などはIH調理器には使えません。
皆さんは、土鍋の底にニクロム線が張ってあると思いますか?
無いですよね。

スーパーラジエントヒーターのデメリットは値段が高いこと

良いことづくめのように感じるラジエントヒーターにも、もちろんデメリットはあります。

それは、値段が高いということです。

IH調理器に比べると倍ちかく値段が高いのです。

ビルトインタイプのIH調理器ならば、3万〜15万円くらいです。
一方、ビルトインタイプのスーパーラジエントヒーターの価格は、25万円くらいです。

ポータブルタイプのスーパーラジエントヒーターでも13万円かかります。

スーパーラジエントヒーターに関する2つの疑問:
遠赤外線と電磁波とは何か?

ここまで読んでいただき、スーパーラジエントヒーターの特徴がひと通りご理解いただけたと思います。とは言え、中にはこれまでの説明で納得のいかないという方もいらっしゃるでしょう。

そう思われる理由としては、電磁波や遠赤外線という目に見えないものを扱っているのが大きいですね。そこで、スーパーラジエントヒーターの理解を促進するべく、電磁波と遠赤外線について深掘りして説明していきたいと思います。

スーパーラジエントヒーターに関する疑問①:電磁波とはそもそも何か?

皆さんの家では、至るところで電磁波が出ています。
どこから出ていると思いますか?

それは、洗濯機、冷蔵庫、炊飯器、掃除機など、電気が必要なあらゆる製品です。

例えば、掃除機の電源プラグをコンセントに差し込むと、掃除機の周りに電界というものが発生します。この状態では、掃除機に電気が流れているわけではないのですが、掃除機に電気を流そうとする力(電圧)がかかった状態です。

つまり、電圧がかかるとその周りに電界が発生するのです。

次に、掃除機の電源をオンにすると、掃除機に電流が流れます。この状態では、掃除機から同心円に磁界が発生します。ここまでの説明をイメージにすると、以下のような感じです(画像は電磁界情報センターのものを転載)

この電界と磁界を引っくるめて電磁界と呼びます

この電界と磁界が交互に発生し、あたかも波のように遠くに伝わっていく性質があるのです。この電磁界が交互に伝わっていくものが、電磁波となります。

ちなみに、上記のような家電製品の場合には、波としての性質がないので、電磁波ではなく電磁界(電界と磁界をひっくるめた呼び方)となります。

電磁波を説明する上では、送電線を例にあげた方がイメージをしやすいかもしれません。

送電線の場合には、電気が交流で送られています。
交流とは何かというと、電気が流れる方向が交互に入れ替わる(1秒間に50回)ことです。この電流の変化は、電界を1秒間に50回も変化させ、同時に磁界も50回変化するのです。その電界と磁界の激しい変化が、波として伝わっていくのが電磁波となります。

電磁波の単位としてよく周波数(Hz)を耳にすることが多いですが、周波数とはまさに電界と磁界が1秒間に何回変化するかを示すものです。

現代社会では、様々な周波数帯の電磁波が、日常生活の中に利用されています。
たとえば、電子レンジからもマイクロ波という電磁波が出ますし、携帯電話からも電磁波が出ています。

我々の生きている世界は、まさに電磁波に囲まれて生活をしているようなものです。

電磁波は有害であるということは何となく理解しているものの、なぜ有害なのかがよくわからないというのが現状だと思います。しかも、電磁波については諸説唱える人がおり、有害だと主張する人から無害だと主張する人まで様々で、何も知らない人間にとってはいい迷惑なくらいです。

簡単に結論だけ申し上げるならば、電気を流すことで発生させる人工的な電磁波は、周波数に関わらず有害である可能性があります

まず、現状ではっきりと有害であるとわかっているのが、低周波数帯における電磁波(電磁界)です。これは、皆さんが普段使われている家電製品から出ている電磁波(電磁界)に等しいです。

なぜ電磁波ではなく「電磁界」という表現を使うかと言いますと、波としての性質があるかどうかに関係なく、電界と磁界そのものが人体に健康被害をもたらすからです。

電磁波(電磁界)への被曝のリスクは、電磁波(電磁界)を出している対象に近づくほど高まると言われているので、その対象から離れればリスクは回避できます。

その観点で言えば、電気カーペットは非常に危険です。なぜならば、身体を電磁界にぴったりとくっつけているようなものですからね

WHO(世界保健機関)の調査によると、0.4マイクロテスラ(4ミリガウス)以上の電磁波によって、小児白血病の発症が2〜4倍に増えるということが分かっています。電気カーペットに寝っ転がると、0.4マイクロテスラを軽く超える10マイクロテスラの磁界を浴びることになるので、完全にアウトですよね。

WHOの下部組織である国際がん研究機関(IARC)においても、こういった極低周波の電磁波による発がん性を「グループ2B:発がん性があるかもしれない」に分類しています。


IARC(International Agency for Research on Cancer)より

そのような観点で見たときに、IH調理器から出る電磁波は危険と言えるのでしょうか?
そもそもIH調理器からはどんな電磁波が出ているのでしょうか。

IHとはInduction Heating(誘導加熱)の略です。誘導加熱を簡単に説明すると、IH調理器の中にあるコイルに交流電流を流すことによって磁力が発生し、その磁力によって鍋のそこにあるニクロム線に電流が流れ、熱抵抗で鍋のそこが温められるという原理になっています。


電磁界情報センターより

IH調理器を使う場合、IH専用の鍋でないと使えないと言われていますよね。
これは、IH専用の鍋の底に、ニクロム線が走っていて、そこに電流が流れることで熱を発生する仕組みになっているからです。そのため、IH専用でない鍋をIH調理器で調理しようとしても、鍋の底にニクロム線が走っていないので全く何も起こりません。

さて、この誘導加熱を起こすときにコイルに交流電流を流すわけですが、このとき20〜90kHzの周波数帯の電磁波がコイルから発生しているのです。

電磁波に関する国際的なガイドラインを定めている国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP:International Commision on Non-Ionizing Radiation Protection)では、IH調理器が発する電磁波の周波数帯においては(厳密にいえば0.8〜150kHz)、磁界強度6.25マイクロテスラ(=62.5mG)以下を基準として定めています。

そして、IH調理器のメーカー各社では、この基準を超えて電磁波に被曝することはなく安全に使用できると説明しています。

そうなりますと、「IH調理器は電磁波による人体への健康被害はないから大丈夫」と結論づけてしまっても良いのでしょうか?

たしかに、電磁波に対する疫学調査は以前から行われているものの、電磁波が人体に対して有害であると結論づけられているわけではありません。とはいえ、IH調理器から発する磁界は、電気の流れていない金属に電気を流してしまうほど強力なものです。

その強力さは、ペースメーカーに干渉し、不整脈や心停止を起こすくらいのリスクがあるほどです。これほどの強力な電磁波が、人間に対して無害なのかどうかは疑問です。

また、メーカーがどのような測定条件で磁界強度を測定しているのかは、しっかりと確認した方が良いですね。例えば、メーカーによっては、IH調理器から30cm離れた場所で電磁波の測定を行なっていたりします。そもそも、30cm離れた場所で鍋を振ったりするでしょうか?

ちなみに、スーパーラジエントヒーターで使われている遠赤外線も、実は電磁波の一種なのです。赤外線は、これまで説明してきた電磁波よりもさらに高周波数であり、テラヘルツ(THz)の帯域にあります。遠赤外線はその中でも0.3〜3THzの帯域です。

「遠赤外線も電磁波の一種だけど、スーパーラジエントヒーターを使っても大丈夫なの?」という疑問も湧いてくるかも知れません。そのあたりも含めて、次の章では遠赤外線について詳しく説明していきたいと思います。

電磁波とはなにか?【まとめ】

  • 電磁波とは、電界と磁界が交互に波のように伝わるもの(電界と磁界をひっくるめて電磁界とよぶ)
  • 波としての性質があるかどうかに関係なく、電界と磁界そのものが人体に健康被害を与える恐れがある。電磁界の発生源に近づくほど、影響が大きくなる
  • WHO(世界保健機関)によると、0.4マイクロテスラ(4mG)以上の電磁波によって小児白血病の発症が2〜4倍に増えることが報告されている
  • WHOの下部組織であるIARC(国際がん研究機関)においては、極低周波(1〜100kHz)の電磁波を「グループ2B:発がん性があるかもしれない」に分類している
  • IH調理器から発する電磁波(20〜90kHzは、国際的なガイドラインでは6.25μT(62.5mG)以下になるように定められている
  • 遠赤外線も電磁波の一種であり、0.3〜3THz(テラヘルツ)の周波数帯にある

スーパーラジエントヒーターに関する疑問②:なぜ遠赤外線がいいのか?

遠赤外線は、先ほども申し上げ通り0.3〜3THzのテラヘルツの帯域にある電磁波の一種です。皆さんは、テレビなどでサーモグラフィーの画像、映像を見たことありませんか?

例えば、以下の写真のような形で。

サーモグラフィーは、物体から出される赤外線を検知し、その強さに応じて赤とか黄色でマッピングしているのです。上の写真を見ていただくとわかるように、人間の身体からも少なからず遠赤外線を出しているのです。

遠赤外線の周波数は、人間の身体に限らずプラスチック、繊維、木材などの有機物の分子の振動とぴったり合うのですが、これらの物体から遠赤外線が出ているのだから当然です。

このような性質から、遠赤外線を浴びた物体は、その物体を構成する分子が振動することによって熱を生み出すのです。

実は、太陽の光の中にも遠赤外線は含まれています。太陽の光を浴びると、冬の寒い日でも身体がぽかぽかと暖かくなりませんか?これは、太陽光を浴びることによって、人間の身体を構成する分子が振動しているためです。

ここまで来ると、スーパーラジエントヒーターがどのように食材を温めているのか理解しやすいですね。

WELLNEST HOMEが採用するスーパーラジエントヒーターは、トッププレートの下にあるセラミックを電気の力で熱することで遠赤外線を出します。その遠赤外線が、食材を構成する分子を振動させ、温めているのです。「ラジエントヒーターを使うと、食材の内側から温められる」という話をよく聞きますが、それもそのはずです。

ガスコンロやIH調理器の場合には、温められた鍋の底の熱を通して食材を温めています。熱の伝わり方には、伝導、対流、輻射の3種類がありますが、ガスコンロやIH調理器の場合には鍋底の熱の伝導によって食材を間接的に温めているのです。

一方、ラジエントヒーターの場合には、輻射(遠赤外線によって食材に直接熱を伝えること)によって食材を直接温めているので、ガスコンロやIH調理器とは温め方が根本的に違うのです。

熱の伝わり方を体感していただくために、実演会の場ではハンバーグをスーパーラジエントヒーターを使って調理します。ハンバーグは中まで火を通すのが難しく、料理が下手ですと中が生焼けになってしまうこともあります。そのようなハンバーグを、写真の通り分厚い状態で調理します。

それでも、ご覧の通り中までしっかり熱を通すことができるのです。通常の調理のように、ハンバーグを途中でひっくり返す必要もありません。

ちなみに、スーパーラジエントヒーターからの遠赤外線は、他の電磁波と同じように人体の健康への影響はないのでしょうか。まったくのゼロとは言い切れませんが、他の電磁波に比べれば圧倒的に害は小さいです。なぜならば、遠赤外線は、人間も含めあらゆる生命から少なからず出している電磁波だからです。

しかも、スーパーラジエントヒーターの遠赤外線の発信源はセラミックです。他の電磁波と違い、電気によって出された人工的な電磁波とは根本的に違います。

セラミックを温めるのに電気を流しているため、少なからず電磁界は出ています。しかし、スーパーラジエントヒーターから出ている電磁界の強さ(磁界強度)は3.5mGと微小なため、IH調理器に比べれば安全であり、ペースメーカーを埋め込んだ方でも調理が可能です。

電磁波とはなにか?【まとめ】

  • 遠赤外線は、人間の身体だけでなくプラスチック、繊維、木材などあらゆるものから出ている。
  • 物体が遠赤外線を浴びると、物体を構成する分子が遠赤外線と共鳴し、分子運動が活発になる。これによって物体の温度が上がる
  • スーパーラジエントヒーターは、トッププレート下にある遠赤外線が、食材を直接温めている。このような熱の伝わり方を輻射という。
  • セラミックを温めるのに電気を流しているため電磁界は発生しているが、その強さは3.5mGと微弱なため、人体への影響もIH調理器に比べて圧倒的に小さい。実際に、ペースメーカーを埋め込んだ方もスーパーラジエントヒーターを使っている

本文中でも申し上げましたが、スーパーラジエントヒーターはMFG(エムエフジー)株式会社の商品名です。
スーパーラジエントヒーターについての詳細は、MFG(エムエフジー)株式会社の公式サイトをご覧ください。

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