解体の費用は賢く節約しよう
家の解体を業者まかせにするな
これから家を建て替えるならば、建て替えにどれくらい費用がかかるか気になるところですよね。建て替えとなると、「土地代がいらないから安いのでは?」と思うかもしれません。
「お金に余裕があるから、前よりも素敵なお家を建てようかな」と考えると、夢も広がりますね。確かにその通りですが、今回ご紹介するような解体の費用も決して無視できません。
解体業者のサイトを見ていても金額はバラバラで一体何を参考にしたらいいんだろうと思われるかもしれません。「もしかしたら、ぼったくられる可能性もあるのでは?」と考えたら、「なぜその解体費用になるのか?」を皆さんも把握しておくにことしたことはありません。
解体費用に含まれるもの
解体費用を決める要因
解体費用を安くする方法
解体業者を選ぶポイント
変な解体業者にあたって泣きを見ないように、皆さんもこれくらいの基本的な情報くらいは抑えておくべきです。経済的な面、生活の質の向上という面で、皆さんの建て替えのためのお役に立てていただければ幸いです。
私たちWELLNEST HOMEは、高気密・高断熱で人間が快適・健康に暮らせる家づくりを行っている住宅メーカーです。WELLNEST HOMEについて詳しく知りたい方は、会社案内、施工事例もご覧ください。
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解体業者から言われた坪単価を鵜呑みにしてはいけない
解体業者はどこがいいかなあと調べているとよく出てくるのが「坪単価」という言葉です。
解体費用=坪単価×坪数
こういう計算になるので、坪単価さえ、解体費用はこれくらいかなと概算はできるかもしれませんね。
しかし、その計算ちょっと待ってください。その坪単価はそもそもどんな風に決まっているのでしょうか?後述しますが、解体費用と一口にいっても、たくさんの費用の集まりです。何にいくらかかってその坪単価になっているのでしょうか?
業者によっては、坪単価の中に建物の解体費用のみしか含んでおらず、「その他の諸費用は別途請求」というセコい手を使ってくることもあります。
その坪単価の中に含まれる費用はなにか?
その坪単価以外に別途費用を取られることはないか?
こういったことを一つひとつ紐解いていって、納得感のある解体費用で工事の依頼をしたいところです。
解体費用の内訳
解体費用と一言でいっても、その費用の内訳は多岐にわたります。すべてを暗記する必要はありませんが、解体業者が提示する坪単価が妥当かどうかを確認する上で、ぜひ参考にしていただきたいところです。解体業者から見積もりをもらった際に、以下の費用項目が含まれているかどうかをチェックしてみるとよいでしょう。
①仮設工事費
防音・防塵のための養生シートを貼る費用やや足場の組み立ての費用などが入ります。
②重機運搬費
重機を解体現場まで運ぶ費用です。重機を現場に置いておけるスペースがあれば、1往復費用だけですが、置く場所がなければ、重機が必要な日数分の運搬費用がかかります。
③内装解体費
家の中のキッチンやトイレ、お風呂などの撤去など、家の中の設備やゴミの撤去費用。基本手作業で行います。
④屋根解体費
屋根瓦の撤去費用。屋根の面積、屋根の種類によって計算されます。これも手作業で行われます。
⑤重機解体費
内装、屋根を解体した後、重機を使って家全体を解体する費用です。
⑥基礎撤去費
土間や基礎部分の撤去費用です。
⑦廃棄物処理費
解体で生じる木材やガラス、家に残っていた不用品などの処理料です。
⑧家屋以外の解体費用・撤去費用
樹木、庭石、塀、駐車場など、家の外にあるもの、井戸、浄化槽など地中に埋まっているものがある場合、これらの撤去・処分費用もかかります。
⑨解体工事以外の諸費用
官公庁への届け出などの事務費用、敷地内に工事車両を止めるスペースがない場合は駐車場代、工事が長期にわたる場合仮設トイレの設置費用などもかかる場合があります。また、後述する建物滅失登記の費用も、解体業者にお任せすると、自分でやるよりも多額の費用がかかります。
解体費用が高くなる6つの要因
家の解体は、家そのものや、家がどこに建っているかなど、様々な要因で費用が大きく上下します。詳細をこれから見ていきますね。
①家のつくりが頑丈かどうか
言うまでもなく家の作りが頑丈なほど解体費用はかさみます。ですから、木造住宅より鉄骨造、鉄骨造より鉄筋コンクリート造のほうが、解体費用が高くなります。
ただし、建物が鉄骨の場合、鉄骨を廃材ではなくリサイクルできる資材として買い取ってくれる良心的な解体業者もいます。その場合には、廃棄処理代が安くなるということもあるので、廃材の処理の仕方も聞いておくとよいかもしれません。
また、同じ総床面積なら、2階建ての家より平屋の方が解体費用は高くなります。何故ならば、平屋の方が基礎の撤去面積が広くなるからです。
②作業人数の多さと日数
当たり前ですが、工事に人と時間をかけた分だけ解体費用は高くなります(つまり人件費)。
また、依頼した解体業者が、自社で重機を所有しているところならいいのですが、重機はレンタルしているというところなら、重機のレンタル料も解体費用に上乗せされます。
③家の立地条件
家を解体するならば、重機を入れる必要があります。そうなると、重機が入りやすい場所の方が、何かと有利だと思いませんか?
車や人の通りが少ない
道幅が広い
重機を長く停める場所がある
こういう場所ならば、交通整理のためのガードマンをつける必要もありません。
しかし、
道幅が狭い
交通量が多い
解体現場に重機を置いておける場所がない
こういう場所に家が建っているならば要注意です。
重機が入らないような狭い道路に建てられた家なら、手作業で解体しなければならない分、人件費が高くなります。重機は通るけれども、道を通行止めにしなければいけない場合や、交通量の多いところなら、交通整理のガードマンも雇わなければなりません。
④足場や養生が必要かどうか
解体工事によっては、埃やゴミなどの飛散防止のために養生シートを貼ることもあります。近隣との距離が近いほど、養生テープは必須アイテムになります。養生シートの面積が広ければ広いほど、養生のための費用は高くなります。養生パネルの設置も必要ならば、さらに費用は高くなるでしょう。
足場が必要になれば足場の組み立て業者も呼ばなければならず、費用が追加されます。
⑤アスベストの処理の有無
アスベストは主に昭和30年代から昭和50年までに建物の断熱材として使われていたものです。現在は使用を禁止されていますが、発ガン性物質が含まれており、空気中に浮遊すると健康被害をもたらすため、アスベストが使われていた建物を解体する場合には、特別な工法を使わなければなりません。
そのため、アスベストが含まれている建物を解体する場合には解体費用が、数十万から数百万円もの追加費用が必要になります。
ただし、古い建物でも、木造住宅にアスベストが使われていることはほとんどありません。鉄筋コンクリート造の住宅の場合、アスベストが使用されている可能性がありますから、調査を入念に行う必要があります。
アスベストを含む建物の解体をするには、工事の14日前までに市に届け出が必要です。
⑥廃棄物が家の中に残っているかどうか
廃棄するゴミの量が多いほど費用は高くなります。家に家具や生活用品が残っていれば、その処分費用が解体費用に上乗せされるのです。台所の液体調味料など、処理分別が必要なものが残っていると手間がかかる分、廃棄費用が高く加算されます。
当たり前の話ですが、こういう廃棄物の処理は、解体業者に丸投げするよりも自分たちで処分したほうが解体費用はやすくなります。
解体費用を安くする3つの対策
どうせ建て替えするならば、建物そのものにお金をかけたいですよね。そうなると、解体費用はできる限り安く済ませたいところです。
前の章を読んでいただくだけで、解体費用を安くするポイントは、何となく掴めるのではと思います。改めて、この章で詳しく説明したいと思います。
①不要な家財はあらかじめ処分しておく
家を解体するなら、「自分で処分するのも面倒だし、どうせだから家財道具も解体業者に一緒に処分してもらおう」という考えも出てくるかもしれませんが、解体費用を少しでも安くしようと思っているなら、不要な家財は自分たちであらかじめ処分する方がいいでしょう。
なぜなら前述した通り、解体で出てしまったゴミは、ゴミの量が増えれば増えるほど処分料が発生するからです。
粗大ゴミはチケットを買って粗大ゴミとして収集したり、お車があるなら粗大ゴミセンターなどに直接持ち込む方が安上がりです。
まだまだ使えそうなものは、メルカリやジモティといったフリマサイトで必要な人に譲るという方法もあります。
送料がかかりすぎる大型のものについては、家まで引き取りに来てくれるリサイクル業者に相談してみましょう。
②建物滅失登記を自分でする
「建物滅失登記」とは、「その土地に建っていた建物が無くなりましたよ」という届出です。この申請を怠ると10万以下の罰金が下されるという罰則がついた登記ですから、建物を解体した後は速やかに申請しなければいけません。(解体完了より30日以内)
建物滅失登記を解体業者に代行してもらうと、一般的に4〜5万円の手数料がかかります。
ほとんどの人にはなかなか聞き馴染みのない言葉でとっつきづらいですよね。そのため面倒臭くて解体業者に丸投げしてしまう人も多いのですが、それは非常にもったいないです。ご自分で手続きをすれば、たったの1,000円(登記簿謄本の取得費用)で済んでしまうからです。
少し手間はかかりますがそんなに難しい手続きではないので、時間があるならこの登記は自分でしてしまえば費用の削減につながります。
<自分で用意する書類>
①登記申請書(法務局のHPより、23)をダウンロードします)
②解体場所の案内図(Google mapを印刷するだけでOKです)
②原本還付請求書(原本そのまま出して良ければ必要ありません。この雛形はインターネットで探せます)
<解体業者からもらう書類>
③取毀証明書
④会社の登記事項証明書
⑤会社の印鑑証明証
(これらは「建物滅失登記を自分でするので、書類一式ください」と解体業者に言えば用意してもらえます)
書類の作成には30分もかかりません。ただし、③〜⑤の書類は解体業者から書類を受け取りのに依頼から2~3週間かかります。建物滅失登記を自分でやるならば、そのスケジュール感でやらなくてはなりません。
①〜⑥の順番に書類を重ね、クリップで留めて法務局に提出するだけです。郵送でも可能ですが、書類に不備があった場合に、法務局に持っていった方がその場で直せるというメリットはあります。
解体工事の完了から30日以内に提出といっても、遅れたことによる罰則はありません。解体業者やハウスメーカーが代行する場合でも、新築の完成と一緒に提出するところもあるくらいです。締め切りにそんなに神経質になる必要はなさそうです。
建物滅失登記を自分でする方法については、詳しく説明しているサイトもネット上にけっこうありますから、ご自身で申請される場合には調べてみましょう。
③解体業者に解体工事を直接お願いする
解体工事を依頼するならば、解体業者に直接お願いした方が絶対に良いです。
建て替えの場合、ハウスメーカー経由で解体を依頼することも可能です。しかし、その場合にはハウスメーカーが1〜3割程度のマージンを上乗せしてくるので、費用が割高になります。
WELLNEST HOMEで建て替えを検討されるならば、解体業者を斡旋してマージンを取ることはありませんので、ご自身で解体業者とやり取りしていただくことになります。(もちろん、その地域に合った解体業者をご紹介させていただくことは可能です)
トラブルを避けるための見積もりの取り方と解体業者の選び方
解体業者を選ぶ場合んは、複数社から相見積もりを取ることをお勧めします。しかし、最終的に一社に絞る場合、どの業者を選べばよいでしょうか?
業者によっては後から莫大な追加料金を請求してくることもあります。金額は安いが解体作業がずさんで近隣トラブルに発展する、というケースもあります。
業者選びを決して安さだけを基準にしてはいけません。
①現場に立ち会ってきちんと詳細に見積もりを取ってもらう
解体の見積もりを取るならば、現場に立ち会うのがよいでしょう。
解体費用の内訳はなにか?
何を根拠に解体費用を算出しているか?
現場に立ち会った際に、業者さんに詳しく聞いてみましょう。
業者によって色んな解体の仕方があるので、当然金額は変わってきます。3~4社を比較し、他と比べて極端に安い(または高い)費用がある場合、その理由をハッキリ聞いておきましょう。
たとえば、「廃棄処理代がやけに安いなあ」と思ったら、地中に埋められていたり、不法投棄されていたりするケースもあります。価格だけでなく、解体業者の質も見る必要があります。
②口頭ではなく書面で見積もりをもらう
見積もりを口頭で取ってもらうのはやめておきましょう。工事の前に、何にいくらかかるのかを書面で残してもらってください。
「工事をしてみないと何にいくらかかるのか分かりません」というパターンは危険です。工事後に莫大な解体費用を請求される可能性もあるからです。
追加費用があるときも、工事前に何の作業が発生して・金額がいくらくらいになるか書面で事前に提示してもらっておけば、工事後に泣きを見ることもありません。
③その業者の他の解体現場を見せてもらう
もし可能ならば、業者が近くでやっている解体工事の現場を見学してみてください。
解体の際に、極力ホコリなどが近隣に極力行かないように散水をしているか、掃除は行き届いているかといった作業風景を見れば、その業者が信頼に値するか判断することができるでしょう。
敷地外の道路にゴミが積み上げてあったり、隣の家の塀や壁を傷つけたりと、近隣に配慮が足らない業者は、たとえ費用が安くても避けた方がいいでしょう。
住宅ローンの利用には要注意!金融機関によって解体費用は住宅ローンに含まれないケースあり
解体費用がわかったならば、あとはその費用をどのように工面するかです。
最初から現金で用意できるならいいですが、現金で用意できなければローンを活用することも考えなければなりません。
しかし、「解体費用も住宅ローンに組み込んで貰えるだろう」と安易に考えてはいけません。住宅ローンに解体費用も含んでくれるかは、金融機関によって対応が異なります。
現金でまとめて払う余裕がない方は、解体工事を依頼する前に、金融機関に問い合わせをしておいてください。
どこの金融機関にも相手にされなかった場合には、解体費用にも使える「無担保ローン」というローン商品の利用も検討してみる価値ありです。ただし、無担保ですから通常の住宅ローンよりも金利が高いことがデメリットになります。
まとめ
皆さんがこれから建て替えをするにあたり、解体は初めの一歩となります。その一歩でつまづかないためにも、解体業者探しも抜かりなく行いたいところです。
解体費用は安くなるに越したことはないのですが、少しのことをケチったばかりに近隣トラブルに発展したら大変です。その場所に住みづらくなる可能性もありますからね。
解体費用を適正な金額で引き受けてくれて、信頼の置ける解体業者さんを選びましょう。
私たちWELLNEST HOMEは、高気密・高断熱で人間が快適・健康に暮らせる家づくりを行っている住宅メーカーです。WELLNEST HOMEについて詳しく知りたい方は、会社案内、施工事例もご覧ください。