社長メッセージ | WELLNEST HOME

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社長メッセージ

株式会社WELLNEST HOME 代表取締役社長 中谷哲郎

2024年4月1日をもちまして、ウェルネストホームの代表取締役社長に就任しました、中谷哲郎です。前社長の芝山さゆりからバトンを引き継ぎ、3代目社長として、このウェルネストホームの舵切りを担っていくこととなりました。

中谷哲郎の原点

事業は、誰のために、何のためにやるかが一番大事。
ずっとそう思ってきました。

26歳で業界新聞に入社し、ベンチャー企業向けの雑誌から始まって、ビルオーナー向け、賃貸住宅オーナー向けの新聞制作に携わりました。
31歳で、工務店経営者が読む業界紙に転籍し、編集長になりました。
当時、記者として業界を取材していた私が、最も課題視していたことは、職人不足と職人の地位向上でした。メディアの力を使ってなんとか解決したいと思っていたのです。

ものづくりに関わる人たちがどんどん減っていく現場を幾度も見て、危機感を感じていました。常に人手がいない現場には、若い人材も入ってこず、目の前の仕事に打ち込むしかないというのが常態化していました。新しい発想やイノベーションが生まれる余地もありません。
また、建設業界の慣習として、元請けと下請けの地位が明確に区別され、下請け側にいる企業が元請けになるというのはほとんど不可能という構造的な問題に疑問も持っていました。
家というのは、大工さん、左官屋さん、屋根屋さんなど個別に専門技術や知識を持った人々が集まり、集合体となってつくり上げていくものです。
こういった能力を持った職人さんたちが、自らの手で仕事を生み出し、誇りを持って働くにはどうしたらいいか、それが、当時の私がもっとも関心を寄せ、解決の糸口を模索していたことだったのです。

持続可能な社会への気付き

「職人のような専門知識を持った人たちが適正に評価される業界にするにはどうしたらいいか」
そう思っていた私に、衝撃的な出会いが訪れます。
ある時私は、こう言われました。
「日本の住宅建築は、エネルギーを使い過ぎています」
それは、環境ジャーナリストの村上敦さんから発せられた言葉でした。

「いい社会をつくることはとても大事なことです。けれどそれ以前にその社会が持続可能でなければならないはず。エネルギはー、水や食糧と同じように、人間が生きていく上で大切な資源です。それなのに、自分たちがつくってきた住宅が、どれだけエネルギーを無駄使いしているか全く考えていないと思います」

私はそれまで、建築・不動産分野とエネルギーの分野がリンクしているとは、毛頭考えていませんでした。二つはそれぞれ別の問題だと思っていたのです。
しかし、この村上さんの発言によって、両者が密接に関わっていること、そしてエネルギーを大量に使う住宅をつくっている建築業界自体があまりにもエネルギーに無関心であること、その責任がいかに重いかを痛感したのです。

つまり、建築は建築資材の製造工程から始まり、運搬、施工、そして運用時、解体に至るまで、大量のエネルギーを消費し、同時に大量のCO2を排出します。しかしながら、つくられた家で消費されるエネルギーについて、議論されることはありません。そればかりかつくった家は30年、40年で解体され、また新築することでCO2を排出するという負の循環を繰り返します。
デザインや意匠、収益性が優先され、やれかっこよさだったり、大きさだったり、便利かどうかはしきりにこだわるのに、建物が出すCO2については、つくり手さえも関心を持っていないという現実。
資源のない日本は、エネルギーは他国に大きく依存しているというのに、です。
私は、建設業界に身を置く人間として、持続可能な社会、未来の子どもたちの住みよい社会をつくるために、もっとやるべきことがあるのではないかと気付かされたのです。

早田宏徳との出会い

私の人生を変える衝撃を与えた村上敦さんですが、村上さんを紹介してくれたのは、早田宏徳でした。
早田との出会いを少し振り返ってみたいと思います。
30歳でリフォームや工務店の経営者が読む業界新聞の編集長になり、私は全国の経営者を精力的に取材していました。また土日ともなれば、全国各地の地方紙やテレビ局とともに家づくりに関するイベントやフェアを開催し、日本中を飛び回る生活をしていました。
メディアに身を置いた14年間は、3000社を超える企業の社長に取材をしたと思います。
そんな最中の2004年、私は早田と出会いました。彼は仙台に拠点を置く住宅メーカーに勤務し、年間300棟の戸建て住宅を販売する営業の責任者を務めていました。
当時、日本でトップクラスの高性能住宅を販売していた早田は、自信に満ちていました。
一方で、国内の工務店業界が抱える様々な問題に対しては危機感を持ち、業界をいかに盛り上げるか、若手が憧れる仕事にするにはどうしたらいいかといいうことも真剣に考えていました。
われわれは、年齢も近かったことからすぐに意気投合し、未来の工務店の理想像を語り合ったのです。そして私はメディアの人間として、早田は建築の現場の最前線を生きるプロフェッショナルとして、様々な企画を起こしては、実行していました。

ドイツが教えてくれた私たちの使命

転機が訪れたのは、2007年のことでした。
ドイツ視察に行った早田が、打ちひしがれて帰国しました。
「最高峰の住宅をつくっていたと思っていたけれどそれは間違いだった。
俺がつくっていた家は、ドイツでは建築基準法さえ満たしていない家だった」

ドイツでは、真夏でも真冬でも家の中の温度と湿度は一定で、エアコンなどのメカに頼らない暮らしが当たり前に営まれていました。
エアコンをつけっぱなしにしないと暮らせないという日本の家は、ドイツの基準から考えれば、建築基準法以下の性能しか持たないものだったのです。
一念発起した早田は、それ以降、本当に良い家とは何か、性能が良いとはどういうことか、寝食を忘れて打ち込んでいきます。その行動力たるや、それまであまたの経営者に出会ってきた私も見たことのない凄まじさでした。
そして、早田がドイツで出会った村上さんに私も会い、前述のやりとりにつながっていくのです。
村上さんが教えてくれたエネルギーの知識と、早田が持っている建築の技術、それらが合わされば、今まで誰も見たなことのないような持続可能な社会がつくれるのではないか。
「ばちん」と音を立てるかのように、両者の思いがぶつかり合ったのを感じました。
人生を掛けられる壮大な夢が生まれた瞬間でした。

何のために、誰のためにやるか。
それは、未来の子どもたちのために、エネルギーを使わなくてすむ社会をつくること。そのためにも人間が生きる基本である住宅の分野から変えていくこと。
私はその思いに行き着いたのです。

変わらぬ夢を実現するために

2024年4月、ウェルネストホームの代表を、早田、芝山から引き継ぎました。
立場が変わったことでもちろん仕事の内容は変わりますが、私の事業をする上での基本の理念は、何も変わりません。
あの時、早田や村上と誓い合った夢を実現する。それだけです。
未来の子どもたちのために、1棟でも多くのウェルネストホームを建てる。
もちろん、この夢は一人でも一社でも叶えることはできません。
社員はもとより、オーナーの皆様、取引企業の皆様、地域の皆様、ありとあらゆる皆さんと力を合わせて、アイデアを出し合い、共に実現していければと思っています。
これからも、私たちウェルネストホームの活動を見守りいただきたいですし、同時に熱い期待を寄せていただければと思います。

株式会社WELLNEST HOME 代表取締役社長
中谷哲郎

株式会社WELLNEST HOME 取締役会長 芝山さゆり WELLNESTとはWELL「良い」とNEST「巣」、WELNESS「健康であり続ける」を合わせた造語で、健康的な良い巣作りを応援したいという想いが込められています。 ウェルネストホームは、建築・住宅・エネルギー …

創業者メッセージ

株式会社WELLNEST HOME 代表取締役創業者 早田宏徳 ウェルネストホームは建築・住宅・エネルギー・環境のプロたちと「本当の日本の家作りはどうあるべきなのか」、「なぜ理想の家が作れるのに作られていないのか」という議論を繰り返したのち、自分たちが本当の「良い家をつく …

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