電気代高騰の時代に必須!
Haiot System(ハイオシステム) ってなに?
「光熱費の負担増が止まらない… 電気代高騰にも左右されない家とは」の記事でもご紹介しましたが、近年電気代が高騰し、家計への負担増加が懸念されています。
ウェルネストホームの住宅は、皆さんご存知の通り高気密・高断熱のため、エネルギー消費量の少ない住宅です。
しかし、そのエネルギー消費量をもっと減らすシステムがあります。
それが「Haiot System」です。
今回はHaiot Systemについて解説していきます。
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次世代型HEMS Haiot Systemとは
Haiot Systemは、株式会社Haiotが独自開発したHEMS3.0※です。
HEMS(ヘムス)とは、「Home Energy Management System(ホームエネルギーマネージメントシステム)」のこと。家庭内の電気機器をつないで、エネルギーを見える化し、その稼働を自動的にコントロールしてエネルギーのムダ遣いを防ぐと同時に、快適な室内環境を保ちます。
※3.0はHEMSのバージョンを表しています。
バージョン | 内容 |
HEMS1.0 | 消費電力データの見える化 |
HEMS2.0 | 遠隔操作機能を追加 |
HEMS3.0 | 人が介在しないエネルギー消費の最適化が可能に |
Haiot Systemの仕組み
もう少し具体的に説明しましょう。
Haiot Systemでは、太陽光パネルや蓄電池、エアコンなどの機器や温湿度計と連携し、発電量、蓄電量、電力の使用状況、温湿度をリアルタイムで計測。
そのデータをもとに、住宅内の設備を自動的に制御して、室内環境を快適に保ちます。
温度や湿度のコントロールはもちろん、CO₂センサーと連携しているのでCO₂濃度が1,000ppmになると自動的に換気します。現在の建築基準法、建築物衛生法では、室内の二酸化炭素濃度は 1000ppm 以下と定められており、日中眠くなる原因のひとつに、二酸化炭素濃度が関係しているという説もあるのです。
CO₂の生体影響
CO2濃度 | 影響 |
---|---|
1,000ppm | 呼吸数増加(37%) |
1,600ppm | 分時換気量の増加(~100%) |
2,000ppm | 呼吸数の増加(~50%)、脳血流増加 |
3,000ppm | 運動耐容能力の低下 |
5,000ppm | 分時換気量の増加(~200%)、呼吸数増加(~100%)、めまい、頭痛。混乱、呼吸困難 |
7,200ppm | 呼吸数増加(~200%)、頭痛、めまい、混乱、呼吸困難 |
8,000~10,000ppm | 重度の頭痛、めまい、混乱、呼吸困難、発汗、視力悪化 |
10,000ppm | 激しい呼吸困難に続き、嘔吐、失見当、高血圧、意識消失 |
Haiotは、こうした環境制御を自動的に行うと同時に、設備を使う時間帯や使用量をコントロールし、エネルギー消費のムダを抑えてくれるのです。
デマンドレスポンス Demand Response
デマンドレスポンス(以下、DR)とは、電気をつくる量(供給)に応じて、消費者が賢く電気の消費量(需要)を変化させることです。
電力会社から供給される電気は貯めておくことができませんが、DRを活用すれば、エネルギーをより効率よく利用できるため、電力会社から買う電気を最小限に抑えることができます。
Haiot Systemでは、空調や給湯ヒートポンプの運転を制御したり、蓄電池の充電タイミングを調整することで、太陽光発電が多く発電している時間帯に電力使用を集中させたり、電力会社から供給される電力が枯渇するピーク時間帯を避け、より消費電力を少ない時間帯にシフトさせたりして、電力需要を自動的にコントロールします。
また、Haiot Systemは、DRに加えて、AIが住宅の特性や住人の習慣、快適な室内温度・湿度なども理解し、ユーザーのライフスタイルに合わせた経済的で最適なサービスを提供します。
自動制御による効果事例
それでは、どのくらい電力消費量が抑えられるのか、実際に計測したデータを見ていきましょう。
北海道ニセコ町の集合住宅では、システム導入前に比べて電力消費量が約3割削減しました。
次に、自家消費率を見てみましょう。自家消費率とは、太陽光でつくった電気を建物内で使った割合のことです。
東京花小金井モデルハウスは約80坪の広さで、オフィスとしても利用しています。
グラフを見ると、年間を通して電力の8割を再生可能エネルギーで賄うことができています。
自家消費率は、地域や間取り、設備容量によって異なりますが、目安は下記の通りです。
Haiot System 3つの特徴
Haiot Systemのことが大体おわかりいただけたでしょうか。
大きく3つの特徴に整理してみます。
- 太陽光でつくった電気を効率的に利用でき、自家消費率が高まるため、電力会社から今日入する電気が減り、電気代が節約できます。
- 季節や時間帯、人の有無にかかわらず、自動的に環境制御を行うので、手間をかけずにエネルギー消費のムダを抑えることができます。
- メーカーが異なる機器同士でも、このシステムで統合的に制御することが可能です。
(一部適用できないメーカーがあります)
HEMSの重要性
Haiot SystemのようなHEMSを導入するのは、電気代節約のためだけではありません。
2020年10月、政府は2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、カーボンニュートラルを目指すことを宣言しました。
国家戦略室の資料「グリーン政策大綱」では、『グリーンエネルギー(省エネルギー、再生可能エネルギー)を最大限引き上げ、原発依存度を減らし、化石燃料依存度を抑制』を基本方針に掲げ、『2030年までにHEMSを全世帯へ普及させる』ことを目標のひとつとしています。
再生可能エネルギーを利用し、家中快適な環境を自動的制御すること。それを最小限のエネルギーで実現するのがHaiot System。
地球規模の課題である気候変動問題の解決に向けて、カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現に必要なシステムです。
まとめ
いかがでしたか?
ウェルネストホームでは、2023年の秋より、設計する全ての住宅・建物にHaiot Systemを搭載しています。太陽光発電の搭載が必須となりますが、蓄電池はご予算に応じてご提案しています。
また、Haiot Systemの後付けについては、現在実証実験を行っています。
ウェルネストホームは、化石燃料に頼らない、持続可能な脱炭素社会の実現を目指し、これからも挑戦を続けてまいります。