【防音対策】静かな家を建てるために知っておきたい騒音特性と遮音性能

長く暮らせる家の大切な条件の1つが、「静かである」ことです
静かな家では周囲のざわめきに邪魔されることなく、
家族の会話が自然に弾み、
趣味や好きなことに没頭でき、
ふぅ、と一息つける居心地の良さを感じられます
騒音に悩まされない快適な家を実現させましょう

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住まいのストレスは騒音に有り!?

朝早く、車や電車などの交通音で起こされたり、夜に近所の犬の鳴き声が気になって眠れなかったり、そんな騒音に悩まされた経験はありませんか?

静かな暮らしが営めることは、長く暮らせる家の絶対条件にもかかわらず、残念ながら日本の家造りにおいて防音は標準外仕様、つまり「特殊なニーズ」とされ、多額の追加費用を出さなければ手に入れることが出来ません。そのため、騒音に悩まされない快適な家を建てるためには、防音性の高い建材の使用や間取りの工夫など、家の設計段階から音に対する十分な配慮を行う必要があります。

もし、電車などの公共交通に近接した土地や交通量の多い道路沿いの土地で家を建てる場合、たとえ昼間はあまり気にならなかったとしても、深夜や早朝に睡眠の妨げになってしまう、なんて話は枚挙に暇がありません。また、反対にこちら側から出る生活音が近隣に住む人に迷惑となる場合もありえます。

音にイライラする生活を送らないために、住宅の遮音・防音性能について考えていきましょう。

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騒音の特性を知って最適な防音を

まずは、なぜ音が聞こえるのかをご説明します。

「音」は、空気の振動です。

振動は物体の周りにある空気を押し出します。押し出された空気は圧縮され、空気の濃い部分ができます。するとその空気の濃い部分はさらに隣の空気を押し出します。このように順獣に空気の濃い部分と薄い部分(空気の圧力の変化)が交互に発生し、波となって放射線状に空気中を伝わって行きます。

この空気の圧力変化が、私たちの耳に届くと鼓膜を振動させ、その振動を「音」として感じています。この空気の圧力変化が大きいほどに私たちは大きな音として認識できます。

音はザックリ分けると、2種類の伝わり方があります。
1つ目は空気を通して直接耳に入ってくる「空気伝搬音」。2つ目は、床や壁などの建材を振動させて伝わる「個体伝搬音」です。

「空気伝搬音」と「個体伝搬音」は伝わり方が異なるため、防音対策も異なります。ゆえに、防音を検討する場合、対象となる雑音の特性を見極めることがとても重要となるのです。

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空気伝搬音の防音対策

空気を媒体として伝播する音を「空気伝搬音」と呼びます。空気伝搬音は音源から離れたり、壁や堀などの障害物があったりすると音は小さく聞こえます。そのため、空気伝搬音の遮音対策には、音源との距離や、気密性、遮蔽物の吸音性が大きく影響します。

空気伝搬音の公式は、音の強さI、音源出力W、距離dとして以下の通りです。
1点から発生する音の強さは「距離の二乗に反比例」するため、距離dが2倍になると音圧は6dB減少します。

また、道路のような通行人や自動車など多数の音源が線上に連続して並んでいる場合は、半径dの筒状の線状音源とみなして考えます。その場合の計算式は以下の通りです。

線状音源からの音の強さは「距離に反比例」するため、距離dが2倍になると音圧は3dB減少します。交通量の多い幹線道路沿いの騒音が強い理由は、こういった音の物理特性に基づいているため、しっかりと対策をとらないと、住み始めてから騒音に悩まされることになります。

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固体伝搬音の防音対策

「個体伝搬音」とは、壁や床などに伝わった振動が、広がった先の壁や床、天井などを直接振動させることで音として聞こえる現象です。

建物内の騒音としては床衝撃音、扉の開閉音、給排水の流れる音などの固体伝搬音が多くなります。固体伝搬音はその伝搬経路から、空気伝搬音よりも減衰しにくいため、遮音難易度はかなり高く、伝搬経路の固体の形状や素材、最終的に振動する床や壁の形状や素材によって大きく異なるため、振動原と構造的にいかに縁を切るかがポイントとなります。

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dB(デシベル)とHz(ヘルツ)を知って、難解な防音性能を読み解こう

騒音の種類をご理解いただけたところで、次は防音の話をするには欠かせない「音の大きさ」と「音の高さ」についてご説明します。

まずは、dB(デシベル)で表される音の大きさからです。

聴覚にはかなり個人差があり、体調や精神状態も大きく影響するため、音の感覚はできる限り数値化して考えたほうが良いです。

そこで、音の強さ(エネルギーの大きさ)を数値化したものを音圧と呼び、単位はdB(デシベル)で表します。
一例をあげると図書館の音の大きさが約40dB、一般的な会話が約60dB、電車内が約80dBと、dBは大きくなるほどに音が大きくうるさい状態になります。

例えば、40dBの図書館で会話(60dB)をすると20dBの音圧差が生まれるということになります。では、この20dBの音圧差はどの程度の差なのでしょうか?

上の図はデシベルと実際の音の大きさの一覧表です。例えば10dB差は3.16倍、20dB差は10倍もの差になります。図書館でおしゃべりすると怒られるのは、図書館よりも10倍うるさくなってしまうからですね。

因みに、室内外を問わず、私たちが生活している空間には常に音が存在しています。とても静かで何にも音がしないと感じていても、実際には30dB(デシベル)程度は何らかの音があったりします。(30dBを切るような無音状態になると、あまりの静けさで逆に耳に不安をもたらすような違和感を覚えます。)

次にHz(ヘルツ)で表される音の高さについてご紹介します。
音の波が1秒で何回波打つのかを数値化したものを「周波数」と呼び、単位はHz(ヘルツ)で表します。周波数の低い音が低い低音、高い音が高音です。また、人間が聞くことが出来る周波数(可聴音)は約20Hz~20,000Hzあたりであり、20Hzより低い音を超低周波音、20,000Hzより高い音を超音波といいます。

ちなみに、音階で表すと、周波数が倍になると1オクターブ高い音ということになり、63H 、125Hz・・・という周波数の倍数をオクターブバンドと呼び、騒音などの分析時によく使われます。

このdB(デシベル)とHz(ヘルツ)が理解できると、ウェルネストホームの標準仕様であるユーロサッシの性能が分かりやすく把握できると思います。

ウェルネストホームのユーロサッシは500Hz以上の中高音域を約40dB削減できます。つまり、外の音を100分の1に縮小して室内に伝えることができるという意味です。

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どの程度から騒音になるの?

最近では、ピアノ音(騒音)などで事件にまで発展してしまうこともあり、どの程度までの音なら一般的に許容されるかを考える必要があります。まずは公的基準を見てみましょう。

環境省では、最低限度の騒音に係る環境基準というものが以下の通りに定められています。なお、ウェルネストホームでは、環境基準値は最低限度を規制しているものであり、良質な住環境のためには、余裕をもって下回る必要があると考えております。

また、住宅内で不快に感じる音の大きさというのは、場所によって大きく異なります。(生活するにあたって自ら発生させる音の大きさが異なるため)

下の表は各部屋で外部から発生する音が不快に感じない音圧レベルの目安です。例えば、幹線道路沿い(70db)に住宅を建設する場合、リビングや寝室の許容範囲は以下に抑えるためには最低30dB以上遮音する必要があるということになります。(目安であり、個人差があります。)

ウェルネストホームでは、標準で高い遮音性能を持っているため、幹線道路沿いなどの日常的に騒音が多い場所でも、静寂な住環境を実現できます。

以下のグラフは幹線道路沿いに建設されたウェルネストホームにて実測した遮音性能グラフ*1)です。紫色が室内で聞こえる交通騒音レベル、グレーの部分がウェルネストホームによって遮音された音圧レベル、紫+グレーの合計が、外部における交通騒音レベルです。

ご覧の通り、快適なリビングに必要な40dBをすべての周波数においても大幅に上回っています。あまりに遮音性能が高いので、雨が降っていることに気が付かないほどです。ぜひお近くのモデルハウスでこの静けさをご体感ください。

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セルロースファイバーで高い防音効果を

遮音を考えるにあたっての基本的なスタンスは、外部の音源から流入する音を目的の室内伝達音圧となるまで遮音(音を遮る)する、又は、室内から意図的に発生させる音を、隣接する別室や近隣に対して迷惑にならないように遮音することです。

建築では遮音性能の評価には「D値」または「T値(サッシ)」という値で表現します。
D値とは2室間の遮音性能を表す数値です。
125Hz、250Hz、500Hz、1000Hz、2000Hz、4000Hzの6帯域を個別に測定し、遮音基準曲線にあてはめて6帯域のすべての測定値が、基準曲線の内に収まる最大値を「D値」と呼びます。

音源音圧 測定音圧 遮音性能
80dB – 30dB = 50dB

また、JIS A 1419-1では周波数特性に適合した音圧レベル差を「Dr値(音圧レベル差等級)」と呼んでおり、日本建築学会の「D値」は、JIS規格のDr値に相当します。

具体的には、70dBクラスの幹線道路沿いでの遮音設計ではD-30以上、ピアノ室を作る場合には、さらに高いD-50以上を目指して遮音設計を行います。

ウェルネストホームでは、外壁に遮音性の高いセルロースファイバーをはじめ、高い遮音性能を持つ高性能建材を標準採用しているため、特別な対応をせずともD-30~D-50の高い遮音性能を誇っております。

ただし、実際には音の感じ方には個人差があるため、上記はあくまでも目安に過ぎず、実際の周辺環境や人間関係などの諸事情等を含めて考える必要があります。

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住宅の防音性能は、サッシで決まる

住宅の外皮の中で最も音が伝わりやすい部位は、窓です。遮音性能は厚みや密度で決まるため、どうしても壁と比較して薄い窓は遮音性能が低くなってしまいます。そのため、サッシの防音性能が住宅の遮音性能を決定しているといっても過言ではありません。

サッシの遮音性能に影響するのは、ガラス自体の遮音性能、そしてサッシ枠の遮音性能、そして気密性能(隙間から音が漏れるため)です。中でも最も影響が大きいのが、最も面積の大きなガラス自体の遮音性能、次いで気密性能、サッシ枠の遮音性能となります。

また、遮音性能を考えるうえで特に注意したいのが、複層ガラスです。ペアガラスは、間の空気層の特性として500~2,000Hz付近で共振(密閉空気層が悪さをして太鼓のように音を増幅してしまう)を起こすため、遮音性能が単板ガラスより低下する傾向があります。

ウェルネストホームではこの共振現象を防ぐために、ペアガラスではなく重量のあるトリプルガラス(5mm×3枚)の10チャンバー(サッシ枠の空気層が10層)の超高性能サッシを標準採用しております。そのため、幹線道路沿いなどの過酷な建設地でも約40dB以下の理想的な住環境を実現いたします。*2)

*1)測定 浦安モデルハウスで小野測器 LA-3560によりA特性にて測定。
*2)測定 浦安モデルハウスでRION NA-29によりZ特性にて測定。
本表の値はモデルハウスでの実測値を示したもので、各製品の性能を保証するものではありません。

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この記事を書いた人

今泉太爾
一般社団法人 日本エネルギーパス協会 代表理事 / 住宅の省エネ・快適性などに関する専門家。その他住宅に関する幅広い知見を持つ。国土交通省や長野県など、中央官庁や地方自治体の環境・住宅政策の専門委員を歴任。

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