不眠症の原因は家が寒いから?

1日8時間眠るとすると、
私たちは人生80年のうち27年を眠って過ごします
寝ている時間もれっきとした人生の一部
スッと眠りに落ちたあとは、
カーテンから差し込む爽やかな朝の光、
一日の始まりを告げるフレッシュな空気、
朝の気持ちよさを感じて、スッキリと目覚めたいものです

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日本人の3人に1人は不眠症に悩まされている


突然ですが、みなさまは、快眠できていますか?
快眠とは、寝つきが良く、朝スパッと起きられ、そして前日の心身の疲れがしっかりと回復できる睡眠を指します。快眠の反対は不眠です。

残念なことに、日本の成人3人のうち1人に、「寝つきが悪い」「睡眠中に目が覚める」などの不眠症状に悩んでいるという調査結果があります。※1)

不眠の問題は「眠れない」という夜間の苦痛だけではなく、日中の眠気増加や、体のだるさ、集中力低下など、体と心に多くの悪影響を及ぼします。

実は、寝室の温度が20~23℃と安定したウェルネストホーム家に住んだら、よく眠れるようになったという声を多く耳にします。

住宅のプロフェッショナルとしては、高性能住宅の特徴として快眠が挙げられることは驚くことではないのですが、一般の方からすると意外なようです。

では、なぜ温かい家は快眠できるのか?そのメカニズムをご紹介いたします。

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快眠のカギは寝る前の温度調節

サーカディアンリズム
私たち人間の体温は一日を通して一定のバイオリズムで変動しています。このバイオリズムは「サーカディアンリズム」と呼ばれ、睡眠と密接に関係していると考えられています。

サーカディアンリズムの特徴として、日中の活動時には内臓などの体の中の温度(深部温度)を上昇させて活動を促すことが挙げられます。そして、就寝時には深部温度を下げて内臓を休めています。

寝る前になると深部温度を下げるため、手や足などの皮膚表面に張り巡らされている毛細血管を広げて血流を促し、皮膚表面温度を上げて放熱量を拡大させています。

この睡眠時の深部温度低下は起床するまで続きます。就寝時の放熱量が多いほどに眠りにつくまでにかかる時間が短く、良質な睡眠が得られやすくなります。

深部体温が下がりきらないと、臓器が十分に休むことが出来ないため、深い睡眠ができなかったり、睡眠が浅くて途中で目覚めてしまったりします。

冷え性の人が眠りにくいのは、手足などの末端四肢の血流が滞っており、熱放射がうまくいかず、深部体温が下がらないことが大きく影響しています。*2) そのため、寒い家にお住まいの方は良質な睡眠を上手くとることが出来ず、睡眠障害で悩むことが多くなる傾向にあります。

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あなたの不眠症対策は間違っている?

布団メーカーの推奨温度は、寝具内温度33±1℃、室温は16~27℃湿度50%とされています。冬季は羽毛布団1枚、夏季はタオルケットを1枚で寝具内温度を33℃前後に保てる温熱環境です。温度が高すぎたり低すぎたりすると、深部温度を十分に下げることが出来なくなります。

また、湿度が低く乾燥しすぎると、喉や鼻の粘膜が乾燥して快眠を妨げてしまいます。ただし、湿度が高すぎると、夏季は蒸し暑くて深部温度の低下を妨げてしまい、冬季はサッシなどが結露してしまいます。結露が発生するとカビが生え、喘息などのアレルギー症状の悪化により睡眠が妨げられてしまいます。

冬季に羽毛布団と厚手の毛布をダブル、それでも足りなければ羽毛布団ダブルにすれば、寝室の温度が低くても33℃にすることは可能です。そのため日本の多くのご家庭で冬季になると横行するのが「重ね布団」です。

ところが、この「重ね布団」は快眠の大きな妨げになります。

まず、布団を重ねすぎると重くなるため、就寝中の寝返りが妨げられます。寝返りは、寝具内温度が上昇しすぎたときのクールダウンや湿気の調整のために行われています。また、睡眠の段階を替える機能も併せ持っています。

人間の体は、長時間同じ姿勢のままだと体の一部に過剰な負荷がかかります。特に睡眠時にはとれる姿勢が制限されるため、筋肉が強張り血流も滞りやすくなります。そのため「重ね布団」で布団が重くて寝返りが十分に出来ないと疲労感が抜けにくく、睡眠の質が大幅に低下してしまいます。

良質な睡眠を取得したければ、「重ね布団」はNGです。布団の重さはできるだけ1kgに近づけることをお勧めいたします。つまり、布団の重量1kg以下から逆算した最低室温は15℃以上、余裕を見ると18℃以上が寝室の推奨室温となります。

このように自由な寝返りの観点からも、寒い寝室では良質な睡眠を得ることは非常に難しいといえます。

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快適な家は夏バテにも効果あり

「私はちゃんと8時間眠れているので不眠症じゃありません!」

そうおっしゃる方も、次の症状は見に覚えがあるのではないでしょうか?夏季になると増える、十分睡眠を摂ったはずなのに、なぜか体がだるーい。いわゆる「夏バテ」です。

冬季は冷え性の影響で快眠が妨げられますが、暑い夏は夏で、今度は暑さが原因で快眠が妨げられてしまいます。夏季の場合は温湿度が高すぎる場合、就寝中に基礎代謝で発生する熱を放熱しきれなくなり、深部体温を十分に下げられなくなる場合があります。

暑い寝苦しい家にお住まいの方は、これまた良質な睡眠を上手くとることが出来ず、睡眠障害で悩む方が多くなります。

夏冬問わず、寝室の温湿度を快眠できる温熱環境に整えることは、非常に重要といえます。そのため、ウェルネストホームでは、最適な快眠環境を実現させるために、温度、湿度、気流、騒音レベル、照度、色温度など様々な要素を考慮して、最適な睡眠を享受できる環境を1年中実現いたします。

・健康を守る家づくりについてはこちら
【不調の理由は家にある?】ヒートショック、PM2.5、カビ、アレルギーを予防できる住宅の秘訣は東洋医学

・住宅の防音対策についてはこちら
【騒音被害】静かな家を建てるために知らないと損する防音対策

参考文献

※1) Furihata R et al. Sleep Med 2012;13 (7):831-837.
※2) Krauchi K et al . Warm feet promote the rapid onset of sleep (1999) Nature.

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この記事を書いた人

今泉太爾
一般社団法人 日本エネルギーパス協会 代表理事 / 住宅の省エネ・快適性などに関する専門家。その他住宅に関する幅広い知見を持つ。国土交通省や長野県など、中央官庁や地方自治体の環境・住宅政策の専門委員を歴任。

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