「気密性」が必須な8つの理由【高気密・高断熱はハウスメーカー任せではダメ!】

「気密性」が必須な8つの理由【高気密・高断熱はハウスメーカー任せではダメ!】

快適な住宅をつくるため、断熱性能とセットで欠かせないのが「気密性」です。
気密性とは、「どれだけ隙間のない家か」ということ。
「風通しの良い家の方が良いんじゃない?」とお考えの方もいらっしゃると思いますが、
すき間のある家は、温まりにくく、底冷えし、花粉や有害な科学物質が入り込んでいる可能性があります。
高気密な家にすべき8つの理由を、ポイントを絞ってお伝えしていきます。

「WELLNEST HOME創業者 早田宏徳が語るシリーズ③-日本人の98%が知らない本当に快適で健康な家」にて、弊社代表の早田宏徳が気密性について詳しくYouTubeチャンネルの動画で解説しています。こちらの記事と合わせてご覧いただけると、より理解が深まります。

contents

失敗しない住宅選びで
大事なポイント「高気密」とは?

室内と屋外の間で隙間風が生じないように、隙間を減らすことを、「住宅の気密化」と呼びます。
具体的には、寸法誤差の少ない高品質建材を使用し、建材と建材の接合部分を気密シートや気密テープなどで隙間なく施工していくことを指します。

気密性を高めるためには、通常よりも多くの専用部材と、隙間なく丁寧な施工を行うための高い施工技術が必要となります。手間やコストはかかりますが、高気密で快適な住宅をつくるためには絶対に見逃せません。

戸建て住宅の気密性の必要性は、国も重く受け止めています。
気密性を表す数値としては、「隙間相当面積 C(シー)値」という値があります。
C値とは、建物の床面積1m2あたりの隙間面積を表す値で、小さいほどに気密性が高いことになります。
例えば、床面積100m2の家で、C値が1.0の場合、建物全体の隙間を集めると100cm2(正方形10×10cm相当)あるという意味です。

参照:気密性(きみつせい)とは – コトバンク

国が考える高気密な住宅が
必要な4つの理由

気密性が必要な理由は以下の4つと明記されています。(国土交通省の外郭団体IBEC(財団法人 建築環境・省エネルギー機構)から出版されている「住宅の改正省エネルギー基準の解説」*2)

①漏気負荷を減らし省エネルギー化と室内温度環境の快適性向上を図る
②壁体通気を抑制し、断熱性能の低下を防止する
③壁体内結露を防止する
④計画換気の性能保持

分かりやすく言い換えると、国が提唱する「気密性が必要な理由」は以下の4つです。

気密性が必要な理由①「省エネルギーで部屋の温度を快適する」

気密性が低いと夏は蒸し暑く、冬は寒くて不快な家になります。冬は暖房をつけても、暖かい空気が屋根から外に漏れ、漏れた分だけ床下の冷たい空気が家に流れ込んでしまいます。すると、足元が冷えて不快感が増していきます。夏は蒸し暑い外気が入ってきてしまうため、エアコンをガンガン回すことになえい、電気代かさみます。住む人々の快適性と省エネを考えて、家の隙間は可能な限り少なくすることが必要です。

気密性が必要な理由②「断熱性能の低下を防ぐ」

グラスウールなどの断熱材は綿状でできているため、隙間があると風が入り込んでしまいます。例えるならば、断熱は「あたたかいセーター」で、気密は「ウインドブレーカー」です。真冬の凍えるような強風に備えるためには、分厚いセーター(断熱)の上に風を通さないウインドブレーカー(気密)を羽織る必要があるように、断熱性能が本来の力を発揮するためには、気密性が欠かせないのです。

気密性が必要な理由③「壁の中がびしょ濡れになるのを防ぐ」

冬の乾燥した外気と比べると、家の中は湿気が大量に発生しています。そのため、外壁や床などに隙間があると、隙間から湿気が壁の中や床下に流れ込んでしまい、壁の中が結露して柱を腐らせ、壁の中をカビだらけにしてしまいます。家の腐敗を防ぐため、隙間は可能な限り少なくしましょう。

気密性が必要な理由④「換気を効率よく行って、嫌な臭いが発生するのを防ぐ」

人が生活していると、水蒸気や二酸化炭素、匂い成分など様々な汚染物質が室内で発生します。
これらの汚染物質を速やかに屋外に排出するためには定期的な換気が必要です。

昔の住宅は常に窓を開けているような状態だったので、換気の大切さはあまり注目されていませんでした。
ところが、最近の大壁造り(柱を石膏ボードなどで完全に隠して作る方法)の住宅では部分的に隙間の多い部屋と、隙間の少ない部屋が混在しています。気密性が低すぎる場所があると、換気扇でうまく換気することができません。汚染物質が溜まってよどんだ場所を造らないためには、家の隙間はどの部屋であっても可能な限り少なくし、24時間換気扇を回す必要があるのです。
換気
実は、上記の4つは最低限必要な理由に留まっています。
ウェルネストホームでは更に4つの気密化の目的があるので、ご紹介します。

ウェルネストホームが考える
高気密な住宅が必要な4つの理由

⑤室内の上下温度差の解消
⑥安定した室内の湿度管理
⑦外気汚染物質の侵入防止
⑧施工精度の確認

気密性が必要な理由⑤「床の底冷えを防ぐ」

あなたのご自宅やご実家の1階の床は、凍るように冷えていませんか?
一戸建ての床付近の温度が異常に低い理由の1つが「家の隙間」です。暖かい空気は上昇する性質(気球が飛ぶ原理)があります。

隙間の多い家で暖房すると、暖かな空気は天井へと昇り、屋根の隙間から外へと勢い良く漏れ出します。漏れた分だけ床下の隙間から冷たい空気が侵入するため、暖房すればするほど上下で温度差が拡大していくのです。

隙間の少ない家では、暖めた空気が屋根から抜けにくく、床に冷たい空気が侵入してきません。気密性の向上は床の底冷えにも効果があるのです。

気密性が必要な理由⑥「湿度を安定させ、不快感を防ぐ

従来の隙間の多い家では、湿度コントロールが十分にできませんでした。夏場は外から多湿な空気が侵入し続けるために蒸し暑く、冬場は室内の湿気が壁の中で結露するため部屋の湿度が乱高下します。

隙間の少ない家は外気の湿度の影響を殆ど受けません。わずかなエネルギーと最小限の冷暖房器具で、快適で安定した湿度を手に入れることができるのです。

気密性が必要な理由⑦「外気汚染物質の侵入を防ぐ」

「外の空気は新鮮である」というのは昔の話です。大陸からの黄砂やPM2.5、花粉など、健康を害する有害物質が多く飛散する時間帯が年々増えてきています。

隙間の多い家では換気口にフィルターを付けても、隙間風の量に比例して微粒子状の汚染物質が室内にガンガン侵入してきます。

隙間の少ない家は、適切な外気フィルターを導入することで、24時間いつでも新鮮できれいな空気の部屋にすることができるのです。

気密性が必要な理由⑧「家が腕の良い職人によって建てられているか見極められる」

腕の良い職人が高性能建材を施工すると、狂いの少ない良い家を造ることが出来ます。腕の悪い職人が施工すると、どんなに高性能な建材でも、施工精度が低く隙間の大きな家になります。どんなに高性能な建材を使っていても、現場の施工精度が低いとその能力を十分に発揮できません。ということは、家の隙間を測定することで、その家の施工精度を確認することができるのです。

いかがでしょうか?様々な理由があって気密性を高める必要があったのが、ご理解いただけたと思います。
では、断熱性能だけを重視して、気密性を放っておくとどうなるのでしょうか?北海道で起きた悲劇をご紹介して説明いたします。

高気密にしなかった結果、
家を腐らせるキノコが大量発生!?

ちょうど高度経済成長の真っ只中の1970年代では、庶民の暖房器具といえば、灯油ストーブでした。エアコンの普及率は約1割と高嶺の花。そんな庶民の生活を一変させたのがオイルショックです。1970年代に起きた2度のオイルショックをきっかけに、日本人の間には「省エネ意識」が芽生え始めました。特に冬の灯油使用量が膨大な北海道では、壁の中に断熱材を入れて省エネ化を目指す工務店が現れ始めました。

ただし、現在のように気密工事をせず、断熱材をそのまま壁の中に押し込んでいたのが実態でした。
当時の断熱材といえば、RC造の結露の防止が主な目的です。木造住宅の壁の中に断熱材だけ入れると何が起こるのか、など誰も知る由もありませんでした。

灯油の節約が目当てで壁の中に断熱材を入れた木造住宅は、思ったほど灯油の削減ができませんでした。それどころか、ナミダタケというキノコが大量発生して、たった数年で住宅の基礎や床下の木を腐らせるという大問題が起こってしまったのです。

北海道ナミダダケ事件は何故起こったのか?

なぜ家にキノコが大繁殖したのでしょうか?
当時の研究者が調査した結果「断熱材で発生した結露」が原因であったことが分かり、業界に衝撃が走りました。暖房で暖められて湿気を含んだ空気は、壁や床下に詰め込まれていたグラスウールの中に侵入して大量の結露水を発生させます。

結露のおかげでキノコはスクスクと育ち、わずか数年で床が抜けるほど木をグズグズに腐らせてしまったのです。防湿という概念が無かったために起こった悲劇でした。
このナミダタケ事件を二度と起こさないために、結露防止の観点から「高断熱」にする場合には必ず「高気密」もセットで行うようになりました。

忘れてはいけません、住宅の気密化の最大の目的は、木を腐らせてしまう「内部結露の防止」なのです。

知らないと怖い、柱や土台を腐らせる「内部結露」とは?


結露で最も怖いのは、「内部結露」と呼ばれる現象です。冬場の暖かい空気は、外気と比較すると大量の水蒸気を含んでいます。そのため、室内の水蒸気は比湿の高い室内から低い外気へと壁を通過していきます。

水蒸気は0.0004μmという微小粒子なので、木や石膏ボードなどのほとんどの建材を通り抜けてしまいます。室内の湿気が断熱材の内部に侵入し、水蒸気を含むことができる限界の温度を下回った場所で発生します。この現象を「内部結露」と呼びます。

サッシやガラス部分に結露が発生する「表面結露」は目視で確認できるため、ある程度の対応が可能です。ところが「内部結露」の場合、知らない間に壁の中がびしょ濡れになり、カビが発生することによる健康被害や建物の劣化、断熱性能の低下などの具体的な被害が発生するまで気が付くことが出来ません。

特に厄介なのは「内部結露」が発生する状態が長引くと、柱や土台の木材を腐らせる原因となることです。柱や土台が腐ってしまっては、建物に必要な強度が失われてしまい、大きな地震がくるとひとたまりもありません。

窓の正しい結露対策!工務店・住宅メーカーでは教えてくれない結露に強い窓設計とは

窓の結露対策は、窓枠とガラスだけではダメ!? 皆さんは、窓の断熱性能を高め、結露を出にくくする方法をご存知ですか?多くの方が誤解するのは、窓枠を樹脂にして、ガラスをペアガラスまたはトリプルガラス、さらにはLow-E膜を採用すれば解決するだろうということです。もちろん、窓枠やガラ ...

2018.7.31

高気密・高断熱住宅で頑丈な家を

内部結露を防ぐためには、外壁に室内から水蒸気を入れないことが1番です。特に水蒸気を通しやすいグラスウールなどの繊維系の断熱材の場合、高い気密性(室内側の防湿シートの切れ目ない丁寧な施工)が必要になります。

ところが、一般的なハウスメーカーでは防湿材の施工を切れ目なく丁寧に行っている会社は非常に少ないのが実情です。高断熱にのみ力を入れて、気密性を疎かにした結果、隙間風が発生したり、床が冷たくなったり(そういう家では床暖房が使われています)、家の内部にカビができたりしてしまうのです。

ウェルネストホームでは、年間を通して壁の中で温度や湿度がどのように変化するかを、コンピューターシミュレーションで分析し、結露しないことはもちろんのこと、湿度80%を下回るように十分に考慮して断熱仕様を決定しています。

また、施工時に防湿気密シートを丁寧に施工し、その施工精度の確認のために気密施工完了直後に1回、竣工時に2回目の気密測定を行います。平均C値0.2という隙間のない超高レベルの施工精度を担保することで、壁の中に水蒸気が混入しないように細心の注意を払っています。そのため家を腐らせたり、カビによる健康被害を生み出したりすることがありません。

「WELLNEST HOME創業者 早田宏徳が語るシリーズ⑥-外からでは分からない壁の構造の違い|通気層とサイディングと防水透過シートの不都合な関係」にて、気密性を取るための壁の中の構造について、WELLNEST HOME代表の早田宏徳が解説しています。こちらの記事と合わせてご覧いただけると、より理解が深まります。

気密性はC値でチェック

気密性は隙間相当面積(C値)という数値で表現します。C値とは、家中の隙間を集めた隙間面積(cm2)を延べ床面積(m2)で割ったもので、単位はcm2/m2で表します。

C値の値が小さいほど隙間が少なく、気密性が高い事を表しています。ちなみに、現在は基準値としては明記されなくなりましたが、平成14年までは地域ごとに、以下の最低基準が定義されておりました。

区分 地域 C値(単位 :cm2/m2)
1 北海道 2
2 青森県・岩手県・秋田県 2
3 宮城県・山形県・福島県・茨城県・栃木県・群馬県・新潟県・ 富山県・石川県・福井県・山梨県・長野県・岐阜県・滋賀県 5
4 埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県・静岡県・愛知県・三重県・京都府・大阪府・兵庫県・奈良県・和歌山県・鳥取県・島根県・岡山県・広島県・山口県・徳島県・香川県・愛媛県・高知県・福岡県・佐賀県・長崎県・熊本県・大分県 5
5 宮崎県・鹿児島県 5
6 沖縄県 5

平成11年次世代省エネ基準における気密性能基準
平成9年に発行された「住宅の新省エネルギー基準と指針」*1)においても、C値5c㎡/㎡は気密住宅とするには隙間が大きいと指摘されているほどであり、外国の基準を見渡すと、カナダR2000では0.9 c㎡/㎡、スウェーデン基準では0.6~0.7c㎡/㎡以下とされており、かなりの後れを取っています。

参照:知っておいて欲しいC値・Q値を考える

最低基準C値5.0c㎡/㎡とはどういう状態か?

寒冷地以外の最低基準であるC値5.0 c㎡/㎡とは、いったいどのような状況なのでしょうか。下の図は左が漏気回数、右が外部風速及び外気温度の判別用グラフです。

このグラフを元にC値5.0 c㎡/㎡の漏気量を求めると、0.8回/h(赤線)となりました。(風速4m/s、外気温5℃、周辺空地の場合)現在の機械換気の基準量0.5回/hを超えておりますので、換気量としては問題ありません。
ただし、漏気は外部風速に依存した換気であり、もし風速が1m/sの場合、換気量は0.3回/h(青線)となるため、確実な換気量の確保のためには機械換気を別途用意することが望まし状況です。

そして、周辺に建物が密集した状況の場合の換気量は、0.25回/h(緑)となるため、常時換気不足となる可能性が高くなります。このようにC値5.0c㎡/㎡の住宅に限らず、風速と室内と外気の温度差による漏気換気は、換気量のコントロールが難しいことが分かります。

快適な室内空気を維持するためには、機械換気が必要となる理由は、換気量の確保がそれこそ「風まかせ」になってしまうからにほかなりません。

気密性に国の基準が無い理由とその弊害

驚くことに、現在のところ日本には国の基準としてC値基準がありません。
平成14年までは寒冷地でC値2.0c㎡/㎡、その他地域ではC値5.0 c㎡/㎡という基準値が存在しました。ところが、「施工前に確認できない」「施工後に検査に手間とコストがかかる」などの理由から途中で削除されてしまいました。国が基準を設けていない以上、頑張って気密性を高めることに意味を感じなくなってしまっているように感じます。

今では、建築のプロフェッショナルのはずのハウスメーカーですら、気密の重要性を理解している技術者は少数派になってしまいました。良質な家づくりをするという目標から離れ、デフレマインドに侵されてコストダウンに邁進しすぎた業界の闇の一つではないかと思います。

気密性は「気密測定」という検査方法が確立されているため、検査で実測することが出来ます。意外に思われるかもしれませんが、実際の性能を確認できる項目は気密性ぐらいです。
例えば、断熱性能は熱損失計算していても、実際にその断熱性能が出ているかを確認する方法は確立されていませんし、測定を行うこともありません。

耐震性能も、計算上の性能であり、実際にその耐震性能が担保されているかは、実際に地震が来てみないとわかりません。つまり、言い方は悪いですが、断熱や耐震性能は計算上の数値だけで話が終わるので、施工精度を問われにくい性能値であるともいえます。

しかし、気密性だけは、設計時に仕様や計算で求めるものではなく、必ず実測しなければ数値が得られません。もし、C値0.5c㎡/㎡以下と仕様書に明記があるにもかかわらず、測定してみたらC値が2.0c㎡/㎡とオーバーしてしまった場合、工事のやり直しが必要になってしまいます。

後で手直ししないためにも、気密性は丁寧な施工と高い施工技術が必要となる性能値なのです。
つまり、手間とコストの塊が気密性です。現場ごとに検査するために、手抜きや誤魔化しが効きません。

気密化の向上に前向きでないのは、プレハブ系住宅を手掛ける大手ハウスメーカーや、パワービルダーと呼ばれる建売系、ローコスト系、そしてデザイン系の住宅を手掛けるハウスメーカーが多いです。

着工棟数の大きなハウスメーカーやローコスト住宅系の共通の課題は、現場管理者の技術不足、そして職人の技術不足です。

ローコスト系はそもそも単価が低いため腕のある職人を使用することが出来ません。そして、ハウスメーカーはそもそも半工業化したシステムのため、今さら職人のレベルが必要性な気密は変更が難しいという問題を抱えています。

いずれにせよ、気密性を高めるためには、職人と現場管理者の技術力が必要なため、手間とコストがかかります。気密性の向上に後ろ向きなハウスメーカーが多いのは、気密性を上げること=コストアップであることが大きな要因といえます。

なぜ、ハウスメーカーは
高気密・高断熱に前向きではないのか?

断熱性を上げることは、断熱材の厚みを厚くするか、断熱材の熱伝導率を下げることで容易に実現できます。
そして、実測方法が確立されていないため、施工精度を図るような現場での実測検査というものがありません。(明らかな隙間があっても現場検査をパスしてしまうことがあるぐらい)

そのため、計算値=断熱性というのが一般的な状況です。つまり、建材の設計仕様に関するのが断熱性能であり、必ずしも現場で作る職人の技術力や施工精度を高める必要がありません。うがった見方をすれば、現場施工精度に自信のないハウスメーカーでも、断熱性能は比較的取り組みやすい性能といえます。

一方、断熱性能と比べて、気密性を上げるためには、必ず現場の職人の技術力、そして狂いの少ない高い施工精度が必要となります。そのため、高気密住宅を施工するためには、施工時間がかるし、技術力が高い(単価の高い)職人を投入する必要があります。この点が、プレハブ住宅(工場であらかた作って現場でプラモデルみたいに作る)を得意とするハウスメーカーでは対応が難しい理由です。

ハウスメーカーの気密レベルを見抜く、
覚えておきたい質問とは?

気密性は、現場の施工精度と同意義となります。気密性が悪い又は高さを測定しないのは、現場の施工精度に自信がない証拠となります。

もし、これから家を建てる予定のある方は、必ず注文先のハウスメーカーには目標となる気密性能を明示させてください。そしてその証拠となる気密測定を中間で1回、完成で1回の合計2回行ってもらうことを要求してください。

完成時の1回だけだと、目標値を下回っていた場合に是正が出来ません。ゆえに中間で気密測定し、目標値を下回っている場合には気密再施工を繰り返して目標値以上の気密性を確保してから内装工事を進めなければ、高い気密性能は担保できません。

上記の要望を受け付けないようなハウスメーカーや工務店は、技術力不足の可能性が高いので、避けることをお勧めいたします。なお、一般的な住宅のC値は10~20前後であることが多く、建物全体の隙間を集めてみると1,000~2,000c㎡(B4~B3用紙)ぐらいです。

平成14年まで存在していた国のC値基準値は北海道でC値=2.0以下、その他の地域で5.0以下とされています。C値=2.0とは200c㎡(はがき1.3枚相当)、C値=5.0とは500c㎡(はがき3.3枚相当)です。

ウェルネストホームの平均気密実績はC値=0.2です。つまり、100m2の住宅であれば20cm2(消しゴムサイズ)しか隙間の無い、最高峰の施工精度を保証しています。北海道基準の10倍の超高気密を実現するために、ウェルネストホームでは、腕利きの職人を育成し、技術力向上のための研修を施しています。

また、現場管理を行う現場監督の技術レベル向上のために、隔月で技術向上のための勉強会を2日間にわたって継続的に行っています。もちろん気密測定は中間と完成で2回必ず行うことで、高い施工精度を保証いたします。

参考文献
*1) 財団法人住宅・建築省エネルギー機構 住宅の新省エネルギー基準と指針
*2) 財団法人住宅・建築省エネルギー機構 住宅の改正省エネルギー基準の解説

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