セルロースファイバーが最強の断熱材と言われる7つの理由
〜プロも知らない家づくりに絶対失敗しないための断熱材の大切な話〜夏は涼しく、冬は暖か、健康を守り、お金がかからない家の秘密は「断熱材」にあり!新築住宅を建てるとき、皆さんは何に一番こだわりますか?間取り、デザイン、価格、室内整備などなど…。様々な答えがありますが、意外と知られていないですが、ぜひとも抑えておきたいポイントが断熱です。
「WELLENEST HOME創業者 早田宏徳が語るシリーズ-内断熱?外断熱?断熱材の特徴と違い|セルロースファイバーとグラスウールとロックウール」にて、セルロースファイバーに加え、繊維系断熱材であるグラスウール、ロックウールの特徴について、動画で詳しく解説しています。
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夏は涼しく、冬は暖か、健康を守り、お金がかからない家の秘密は「断熱材」にあり!
新築住宅を建てるとき、皆さんは何に一番こだわりますか?
間取り、デザイン、価格、室内整備などなど…。様々な答えがありますが、意外と知られていないですが、ぜひとも抑えておきたいポイントが「断熱(だんねつ)」です。
断熱とは、外壁や屋根や窓などから、熱の侵入や流出を防ぐことを言います。具体的には冬なら暖かさを逃さないように、夏なら暑さが入らないようにすることです。
多くの方が驚く事実をお話します。断熱性能が優れた良い家では、外部の環境に関係無く、冷暖房の力をほとんど借りずに、快適な室温と湿度を家中で1日中キープできます。
例えば30℃以上ある真夏日。一般の家庭では、エアコンをガンガンにつけたリビングは涼しくても、部屋を一歩出ればムワッと蒸し暑く、廊下や2階に行くのが嫌になるほどです。でも、断熱性能が優れた家では、冷房器具の力をほとんど借りずに、玄関も廊下もトイレもロフトも2階も、家の中の全ての場所を一定の温度と湿度に保つことができるんです!
つまり、断熱性能の高い家を建てることで、快適で、健康的で、エコな生活を実現できます。
ではどのようにすれば断熱性能の高い家を建てることができるのかを紹介していきたいと思います。
断熱性能の高い家を建てるうえで、「どの断熱材にするのか?」は重要なポイントです。
断熱材の種類
断熱材と一言で言っても、セルロースファイバー、グラスウール、ロックウール、現場発泡系ウレタンフォーム、羊毛断熱材、フェノールフォーム、押出法ポリスチレンフォーム(XPS)、発泡スチロール(ビーズ法ポリスチレンフォーム EPS)、硬質ウレタンフォーム(板状)など、断熱材の種類には色んな種類があります。
それぞれの断熱材にメリット・デメリットがありますが、機能住宅の分野で国内外数千棟の住宅作りに関わり、エネルギー分野、建築分野のプロフェッショナル集団であるウェルネストホームが一押しするのが最強の断熱材「セルロースファイバー」です!
セルロースファイバーが最強の断熱材と言われる7つのメリット
セルロースファイバーは、天然繊維(パルプ)で出来た断熱材です。新聞紙をリサイクルして作っているので、住む人と地球環境に優しく、アメリカでは最も使用されています。
ウェルネストホームがセルロースファイバーをおすすめする理由は、セルロースファイバーが、高い断熱機能だけでなく以下のような数多くの付加機能を持っているからです!
- 高い断熱効果により、夏は涼しく冬は暖かい家を実現する
- 地球や人に優しいエコロジー資源である
- 湿気を吸うので快適な温度をキープできる
- 結露やカビを予防でき、家が腐ることを防ぐ
- シロアリやゴキブリといった害虫予防ができる
- 高い防音性能で静かな家を実現できる
- 高い防火性能で火事に強い
つまり、セルロースファイバーを断熱材に採用するだけで、断熱性能のほかにも、自然素材ならではの嬉しい付加価値がたくさんあるんです!
じゃあ、日本の住宅のほとんどがセルロースファイバーを使っているかと言えば、そうではありません。実は、日本で最も利用されているのは「グラスウール系の断熱材」です。
セルロースファイバーとグラスウールの比較
グラスウールとは、ガラス繊維(細長いガラスと接着剤の混合繊維)でできた綿状の素材です。
グラスウールの特徴はとにかく安いことにあります。素材そのものの価格もさることながら、施工や輸送が簡単なためコストを抑え、とても安価に使用することができます。それゆえに、施工業者も扱い慣れているので、多くの住宅で使用され、あえて別の断熱材を使おうとしないほどです。日本では最もメジャーな断熱材がグラスウールと言えます。
更に、グラスウールの断熱性能は、セルロースファイバーの断熱性能と比較してもカタログスペック上はほぼ同等レベルです。断熱性能が同じでコストが安いのなら、グラスウールの方が良いのでは!?と思われるかもしれませんが、ここには落とし穴があります。なぜならば、カタログスペックは同等でも、グラスウールは施工精度によって実際の断熱性能が大きく低下する場合があるので注意が必要です。
断熱材の断熱性能と施工の関係
そもそも論ですが、断熱材が本来のパワーを発揮するためには、当然断熱材が正しく機能していることが前提条件となります。そのためには「施工の精度」、つまりどれだけ隙間なく丁寧に断熱材を施工できているかが重要になります。どんなに高性能な断熱材を使っても、断熱材に隙間があれば本来の断熱効果が発揮されません。
グラスウールが100%力を出すためには、隙間なく、歪みも、弛みなくピシッと施工する必要があります。しかし、グラスウールは現場で切断しながら施工するため、施工の際に職人の技術力に比例して隙間が必ずと言ってよいほどできてしまいます。それは、粉末状のセルロースファイバーは、壁の間に簡単に隙間なく充填できるのに対して大きな差となり、カタログスペックでは同等でも、実際の暖かさ(断熱性能)が全然違う大きな理由の一つです
また、湿気に弱いグラスウールは室内から発生する大量の湿気を吸うと、重さで下に偏ってしまうことがあります。すると、壁の中いっぱいに押し詰めたはずの断熱材に隙間ができてしまうため、壁の上部では断熱材欠損状態になってしまうことがあるため、室内側の防湿層の高い施工精度(気密性)が求められます。
対して、セルロースファイバーは細かい断熱材を壁の空洞に詰め込むため、グラスウールと比較すると、圧倒的に隙間を作らずに施工することができます。また、セルロースファイバーは高密度で施工されているうえに、グラスウールと比較しても湿気容量が極端に大きく、水をほとんど吸いませんので、湿気によって壁の中で落ちるということもありません。断熱材を知り尽くし、高い施工力をもつウェルネストホームならセルロースファイバーが持つ高い断熱性能を、長期にわたって安定的に発揮することができます。
さらにウェルネストホームでは一般的な施工よりも多くのセルロースファイバーを使用することで、隙間をさらに発生させないように施工しております。それでも10年単位で見れば、わずかな隙間はできてくるので、セルロースファイバーの再充填のフォローも行っています。ここまで、丁寧かつ熱心に断熱のことを考え、施工できる業者はほとんど無いのではないかと自負しております。
セルロースファイバーには防湿機能や害虫予防、防火性能などの付加価値もあるので、最強の断熱材としてウェルネストホームではセルロースファイバーをおすすめしています。
断熱材「セルロースファイバー」とは?
セルロースファイバーとは、天然繊維(パルプ)で出来た断熱材の一種です。1950年代にアメリカで開発されて以来、その断熱性能の高さから世界中に普及しています。(アメリカでは最も使用されている断熱材です)
新聞紙をリサイクルして作る再生品であるため、資源の枯渇の心配もなく、製造時エネルギーがほとんど必要ありません。セルロースファイバーは、住む人と地球環境にやさしいエコロジーかつ高性能な断熱材と言われています。
出典:インターセル調査(アメリカ)
セルロースファイバーは新聞紙を裁断・攪拌し、難燃剤としてホウ酸を添加して作ります。主原料のパルプ繊維の持つ大小様々な隙間に、様々な太さのパルプ繊維が絡みあうことで細かい空気の層が形成されています。これらの無数の微細な空気層が非常に高い断熱性能を可能にしています。
セルロースファイバーのメリット・デメリット
グラスウールやロックウール、発泡スチロール系の断熱材と比較して、セルロースファイバーのすごいところは、断熱機能だけでなく、吸放湿性能や防音、防火、防虫性能など、数多くの付加機能を持っている点です。
つまり、セルロースファイバーを断熱材に採用するだけで、断熱性能のほかにも、自然素材ならではの吸放湿性によって適度な湿度を保つことができ、室内や壁体内部の結露やカビ予防に繋がります。
さらに防火性能を高めるために配合したホウ酸の効果で、シロアリやゴキブリ等の害虫も寄せ付けません。
また、セルロースファイバーは非常に高い防音性能を持っています。(アメリカでは空港周辺の住宅で防音材として使用されているほど)
さらに、難燃剤としてホウ酸を添加しているため熱に強く、ガスバーナーで直接燃やしても表面が炭化するのみで燃え広がりません。断熱材の中でも極めて高い防火性能を誇っており、準不燃材料としての認定まであるほどです。
この様に、セルロースファイバーは、断熱性能だけでなく、多様な機能を兼ね備えた「スーパー断熱材」なのです。
セルロースファイバーのメリット
- 高い断熱効果により、夏は涼しく冬は暖かい家を実現する
- 地球や人に優しいエコロジー資源である
- 湿気を吸うので快適な温度をキープできる
- 結露やカビを予防でき、家が腐ることを防ぐ
- シロアリやゴキブリといった害虫予防ができる
- 高い防音性能で静かな家を実現できる
- 高い防火性能で火事に強い
ウェルネストホームでは、このスーパー断熱材「セルロースファイバー」をメインの断熱材として使用しており、健康で快適な夢の住環境を実現いたします。
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セルロースファイバーのデメリット
- コストがグラスウールと比較すると高い
(断熱以外の付加価値が高いので、そちらまで考慮すると安いと判断しています。) - 施工時に専用機械と専門職人が必要
(全棟標準採用することで、専門性の高い職人集団を形成しております) - パンパンに詰めるので、ボードが膨らんでしまう
(室内側に緩和空間を設け(電線スペースとして利用)ボードの膨らみを防止しています) - 長期的には沈下して上部に隙間ができてしまう
(55k以上にパンパンに吹き込むため沈下はほとんど発生しませんが、念のため上部に付加断熱します。)
セルロースファイバーの持つ「高い断熱効果」
低い熱伝導率
断熱材の断熱効果を表す数値として、熱伝導率※という数値があります。熱伝導率が低ければ低いほど、断熱材としての性能が高いという意味です。
下記の表は住宅でよく利用される素材の熱伝導率をまとめたものです。
素材名 | 熱伝導率 |
---|---|
アルミニウム | 237 |
鉄 | 30 |
コンクリート | 1.4 |
土壁 | 0.59 |
ALC | 0.15 |
石膏ボード | 0.19 |
木 | 0.1 |
グラスウール | 0.05 |
セルロースファイバー | 0.04 |
発泡スチロール(EPS) | 0.032 |
ウレタンフォーム | 0.024 |
フェノールフォーム | 0.02 |
単位: W/mK
上記の表のグラスウール以下は、断熱材として利用されている素材です。セルロースファイバーは断熱材としてはグラスウールと発泡スチロールの中間ぐらいの性能を持つ断熱材です。「なんだ、セルロースファイバーは大した事ないじゃないか」とお考えの方、もうしばらくお付き合いくださいませ。なぜなら、断熱材が高い断熱性能を発揮するかは、熱伝導率の他に、「断熱材の厚み」「施工の精度」が大事だからです!
※ 熱伝導率とは1mの素材の中を、1時間にどれくらいの熱量が流れて行くのかを表した数字です。熱伝導率が低ければ低いほど、断熱材として性能が高いことになります。
断熱材の厚み
高い断熱性能を発揮するために重要な要素が「断熱材の厚み」です。
断熱材をどの程度の厚みで施工するのかで断熱性能は変化します。つまり、「断熱材の種類」と「厚み」が決まると、断熱性能を数字で評価することができます。
断熱性能は「熱貫流率(以下U値※1)」と呼ばれるもので表すことできます。
U値とは、1時間に1平米当たりから熱が逃げる量です。U値が小さいほどに熱が逃げにくい=断熱性能が高いという意味となります。
計算式は以下の通りとなります。
U値 = 1 ÷ (厚み ÷ 熱伝導率 + 0.015)
このU値計算から「熱伝導率の低い(断熱性能の高い)断熱材を、出来るだけ分厚く確保する事が重要」であるということが分かります。つまり、断熱材を選ぶときは「分厚く」て「性能が良い」ものがオススメです。
どんなに高性能でも、ペラペラでは断熱性能は期待できませんし、逆に断熱性能が低い素材をいくら分厚くしても高い断熱性能は期待できません。
下記表は、素材別に必要な厚みをまとめたものです。(同一の断熱性能とした場合)※2
標準的な外壁の断熱性能であるU値0.53W/m2Kの壁を作るためには、アルミニウムだと厚みは447m、コンクリートだと2.6m、木材でも189mmも必要です。これではとても壁の中には納まりません。
一方断熱材では、グラスウールでは87㎜、セルロースファイバーは74mm、発泡スチロールでは56mmで実現できます。いずれも105mmの柱間に収まる寸法ですね。
素材名 | 熱伝導率 | U値 | 厚み |
---|---|---|---|
アルミニウム | 237 | 0.53 | 412m |
鉄 | 30 | 0.53 | 52m |
コンクリート | 1.4 | 0.53 | 2.4m |
土壁 | 0.59 | 0.53 | 1.0m |
ALC | 0.15 | 0.53 | 261mm |
石膏ボード | 0.19 | 0.53 | 330mm |
木 | 0.1 | 0.53 | 174mm |
グラスウール | 0.05 | 0.53 | 87mm |
セルロースファイバー | 0.04 | 0.5 | 74mm |
発泡スチロール(EPS) | 0.032 | 0.53 | 56mm |
ウレタンフォーム | 0.024 | 0.53 | 42mm |
フェノールフォーム | 0.02 | 0.53 | 35mm |
※1 U値(熱貫流率)は、素材の熱伝導率と厚みで決まります。数値が低いほど断熱性能が高い。(計算式にある0.015は内外表面熱伝達率Rse=0.04とRsi=0.11の合計)
※2 単純比較するために、計算条件 Rsi=0.11,Rse=0.04、その他の素材は無しとして計算。実際の断熱性能の評価には、柱部分の熱橋や石膏ボードなど、その他の素材の断熱性能を考慮して計算する必要があります。
断熱材の隙間
高い断熱性能を確保するためには「低い熱伝導率」と「厚み」が重要であることがご理解いただけたと思います。最後にもう一つ重要な要素として「隙間が無い施工」というものがあります。実は、どんなに高性能な断熱材を分厚くしても、断熱材に隙間があると本来あるはずの断熱効果が期待できなくなってしまいます。
例えば、グラスウールや発泡スチロール等のマット状や板状の断熱材は、筋交いやコンセントボックス、配管などの周辺に、施工の際に必ず無数の隙間が発生してしまいます。施工後の実際の断熱性能は施工技術レベルによって大きく変動します。
日本で最も普及しているグラスウールで断熱した場合、aのように丁寧に施工できる技術者はほとんど存在せず(一部の高気密高断熱住宅を専門とするスーパー工務店にはグラスウール施工技術レベルの高い職人さんがついてます)、大抵はbやc,dの状態になっているのが実情です。つまり、カタログ上では高断熱仕様なのですが、高い施工品質を要求されるあまり、施工後は断熱性能が半減している場合が多くなるのが、グラスウールなどのマット状の断熱材の最大の欠点です。
一方セルロースファイバーは、細かい断熱材を壁の空洞に詰め込む断熱材のため、マット状・板状断熱材と比較すると、圧倒的に隙間を作らずに施工する事ができます。
なお、板状の発泡系の断熱材は隙間が大量に出ざる負えないため、外断熱※3にすることが多くなります。外断熱も外側にグルっと断熱材を回すため、断熱材の隙間が発生する可能性が低く、安定して断熱性能を発揮する事が出来ます。
※3 外断熱
外断熱のほうがグラスウール断熱よりもU値が高い(熱が逃げやすい)にもかかわらず、外断熱のほうが温かいといわれる理由は、隙間による断熱性能の低下によるものです。(ただし外断熱の場合、隙間問題は解決できますが、今度は厚み制限がかかってしまうので、超高断熱にするのが難しい)
以上、「熱伝導率」「厚み」「隙間のない施工」3つ合わせてバランスよく(ついでにコストも合わせると4つ)、高い断熱性能を安定的に発揮でき、その他多数の付加機能を持っているのが、セルロースファイバーなのです。(高性能住宅を提供している超工務店にセルロースファイバーユーザーが多い理由は、断熱性能と高付加価値性能によります。)
素材 | 熱伝導率 | 厚み | 隙間の 無い施工 |
コスト | 総合評価 |
---|---|---|---|---|---|
セルロースファイバー(充填) | 〇 | 〇 | ◎ | 〇 | ◎ |
グラスウール系(袋入り 充填) | △ | 〇 | × | ◎ | △ |
グラスウール系(丁寧に施工 充填) | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
発泡スチロール系(充填) | ◎ | 〇 | × | 〇 | △ |
発泡スチロール系(プレカットシステム) | ◎ | 〇 | ◎ | × | 〇 |
発泡スチロール系(外断熱) | ◎ | × | ◎ | × | 〇 |
セルロースファイバーが多機能断熱材と言われる所以
断熱材としての断熱性能のバランスが最も良いのがセルロースファイバーの特徴ですが、その他にも他の断熱材と違い、断熱機能以外にも住環境を向上させる多くの機能を持っているのもセルロースファイバーの魅力です。(スーパー断熱材と呼ばれる所以)
セルロースファイバーの極めて高い防火性能
セルロースファイバーはホウ酸により、充分な防燃処理がなされており、準不燃材料に合格しています。このセルロースファイバーが燃えにくいメカニズムは、燃焼時に表面が炭化される事で、その炭化層が酸素と熱から内部木材を保護するからです。これだけ燃えにくい断熱材には、正直あまりお目にかかることはありません。(発泡スチロール系は70~130℃で融解し始め、グラスウールは燃えこそしませんが、350℃前後で溶けてしまいます。)
また、万が一燃えても、シアン化合物などの有害物質を発生しませんので、燃え広がるまえに安全に逃げる時間を稼ぐことができます。
セルロースファイバーの高い防音性能で静かな生活を
吸音剤としても優れた性能を持っており、隙間のできない施工によって、外からの騒音だけでなく、室内から外へ逃げるプライベートな音も外に漏らしません。
軽いピアノやカラオケ程度の音であれば、近隣にほとんど迷惑をかける心配はありません。
また、大きな道路に近い住まいでも静かな住環境を実現できます。その防音性能の高さから、アメリカでは空港周辺の防音材としても使用されている実績があるほどです。
各モデルハウスでは、セルロースファイバーの持つ高い防音性能を体感できる実験セットが用意されていますので、音が気になるお施主様はぜひご体感ください。
呼吸する断熱材(セルロースファイバーの調湿効果で結露防止)
セルロースファイバーのもつ最大の特長ともいえる、防露性能(結露発生を防止)。
パルプ繊維の持つ高い吸放湿性能を、細かい繊維にすることでさらに高めています。そのため、断熱材のもつ吸放湿効果によって、室内の表面結露、内部結露を防ぐのに大きな効果があります。
結露はカビを発生させたり、結露の水分を吸い重くなった断熱材のずり落ち、構造体である木を腐らせる、シロアリの被害の発生を引き起こすなど、大切な住宅の寿命を縮めてしまいます。まさに結露は、家にとっては天敵といえる現象です。家一軒で使用するセルロースファイバーの総量は約1.5~2トン程度で、諸条件にもよりますが約400kg前後の湿気を吸う能力を持っています。通常の住宅1軒あたりの水蒸気量は10kg前後なので、なんと家50軒分の湿気を吸い取る事ができる計算となります。除湿機に換算すると一般的な除湿機100台分の除湿能力を持っています。ほんとスゴいですよね。
調湿効果で健康で快適な生活
人が快適と感じることには、温度だけではなく湿度が大きく影響しています。
夏の多湿や冬の乾燥が不快なのは皆さんご存知の通り、人が快適であると感じる快適指数は、湿度と温度のバランスが重要なのです。
一般的に人に快適であり、かつ健康的である湿度は約40%~60%の間であると言われています。また、カビやダニ、ウィルスなどの発生が起きにくい状態も湿度は約40%~60%の間です。元々は木材などの植物由来のセルロースファイバーは害虫やカビなどにやられない様に、湿度60%前後に調湿する能力を持っています。まさに自然界の知恵と工夫で、カビやダニ、ウィルスの発生を抑え、健康で快適な生活を実現する事が出来ます。
快適な家づくりの第一条件は、湿度管理です。そう申し上げても言い過ぎではありません。なぜならば、湿度を管理できない家は、不快なだけでなく、人間の健康や家の耐久性に悪影響を及ぼすからです。残念ながら、日本の家のほとんどは、湿度をコントロールできる力を持っていません。それでは、湿度を適 ...
天然健康素材で体に優しい(セルロースファイバー=紙)
セルロースファイバーは植物繊維です。自然素材のため、万が一体内に入るようなことがあっても、蓄積されずにそのまま排出されるため、人体への影響はありません。また、接着剤は本工法には一切使用しておりませんので、接着剤成分によるシックハウスの心配はありません。
混ぜ込んだホウ酸に関しても、ごく普通のありふれた自然素材であり、眼科治療において目の消毒に使われているように人体への害はほとんどない安全性の高い天然素材です。
また、(米国ボラックス社の技術資料による)形状は粉末状で、揮発したり、壁内で化学変化を起こす可能性も考えられず、経年変化で効果がなくなることはほとんどありません。
また、セルロースファイバーは目に見えるほど粒子が大きいため、アスベストのように飛散して発癌効果を発生させることもありませんので、安心ですね。
地球環境にもやさしい断熱材(新聞からのリサイクル100%)
セルロースファイバーは天然素材でできた断熱材です。ガラスを原材料とした鉱物系断熱材であるグラスウールや、石油から製造する化学発泡プラスチック系等の断熱材と比較して、製造時のエネルギー消費やCO2排出量が数十~数百分の一です。
素材 | 一次エネルギー(kWh/m3) | CO2(kg/m3) |
---|---|---|
グラスウール | 100~700 | 55~385 |
発泡スチロール | 600~700 | 330~385 |
硬質ウレタン | 1500~1600 | 825~880 |
木質繊維ボード | 500~600 | 275~330 |
炭化コルク | 80~100 | 44~50 |
セルロースファイバー | 10~20 | 5.5~11 |
出典:建築技術No.648
防虫効果でゴキブリにサヨナラを!
セルロースファイバーにはホウ素が配合されてるため、基本的に害虫が付きません。ゴキブリ退治で有名なホウ酸ダンゴと同じ成分がほんの少し含まれており、ゴキブリなどが嫌う防虫(殺菌)効果があります。
壁や天井裏には防虫効果の高いセルロースファイバーが詰まっておりますので、ゴキブリなどの活動範囲は大幅に減少します。そのため、活動範囲が給排水管などの隙間に限定されますが、ウェルネストホームでは、配管などの穴回りには防蟻シーリングを徹底しておりますので、高い防虫効果を実現しています。
また、防虫のみならず、カビ、ダニ、虫類、ネズミなどを防ぎ、この殺菌力は眼科の殺菌洗眼にも幅広く使用されているほどです。もちろん、ホウ酸の安全基準はクリアしています。
その他の断熱材の特徴まとめ
各断熱材のメリットとデメリット
これ以上素晴らしい断熱材は無いんじゃないかというほど、多機能なセルロースファイバーですが、残念ながら、ハウスメーカーによっては採用できない場合もあります。
そこで、最後におまけで、セルロースファイバー以外の断熱材の特徴も簡単にまとめておきますので、参考にしてください。
グラスウール
熱伝導率=0.032~0.05W/mK
【メリット】
- 価格が最も安い、これに尽きる。
- 袋入りの場合はタッカーで簡単に施工できるため、施工費も安い。
- 圧縮して小さく丸めて輸送できるので輸送コストが安い。
- 簡単に切断・曲げなど自由に現場で加工することができる。
- セルロースファイバーとは比較にならないが、多少の防音性能がある。
【デメリット】
-
- 隙間なく施工するのがかなり難しい。(施工技術レベルが低いと断熱性能が大きく下がる)
- 袋入りでは気密性能が確保できない(別に防湿気密施工が必要)
- 吸水性が高いので、漏水や結露で濡れると中々乾かない。
(濡れたグラスウールの断熱性能はほとんどない)
- 接着剤成分を多く含んでおり、ホルムアルデヒド飛散リスクあり。
(常温では微量だが、加熱されると大量に発生する) - グラスウールには調湿効果が殆どない。
- 製造エネルギーが高い素材。
- 350℃程度で溶けてしまうため、耐火性能はそこそこ。
- 施工時にチクチクする。
ロックウール
熱伝導率=0.04W/mK前後
【メリット】
- 600℃まで形状を維持できる、高い耐火性能。
(鉄骨や配管の防火被覆にも用いられるほど) - 吸水性が低いので、グラスウールと比較して水に強い。
- グラスウールと比較して形状変化が小さく、ヘタリにくい。
- 高密度化できるため、外壁下地材としても利用できる。
- セルロースファイバーとは比較にならないが、グラスウールよりも防音性能がある。
【デメリット】
現場発泡系ウレタンフォーム
熱伝導率= 0.04 W/mK
【メリット】
- 現場で吹き付けて発泡させるため、隙間なく施工することができる。
- 価格が比較的安い(グラスウールよりは若干高い)
- 気密性能も確保できる
- ホルムアルデヒドの飛散が無い
【デメリット】
- 耐火性能はない。
- 延焼した際は黒煙を発生。
- 湿気を通しやすいので、コストダウンで防湿層の施工を省くと寒冷地では壁体内結露リスクがある。
- 発泡するため、施工時に外壁側の通気層をつぶして壁が腐るリスクがある
(コストダウンで外壁側の構造用面材を省略して透湿防水シートだけにした場合に発生し易い) - 他の断熱材と異なり、家の伸縮や振動に弱く、割れや痩せによる隙間や、へこみによる断熱性能の劣化リスクがある。
- 調湿性はほとんどない。
- 石油系化学物質を原料とするため、持続可能性は低い。
- 製造時エネルギーは高い。
- 解体時の分別が大変(解体コストアップのリスクあり)
硬質ウレタンフォーム(板状)
熱伝導率= 0.021~0.024 W/mK
【メリット】
- 断熱性能が高い(熱伝導率が低い)
- 吸水性が極めて低いため、漏水や結露時の断熱性能低下リスクは低い。
- カッターで簡単に切断でき、自由に現場で加工することができる。
- ホルムアルデヒドの飛散が無い。
【デメリット】
- コストが高い
- 耐火性能はない。300℃で引火する。
- 連続使用可能温度は100℃。
- 延焼した際は黒煙、シアン等の有毒ガスを発生する。
- 経年劣化で断熱性能が劣化していく。(中のガスが抜けるため)
- 他の断熱材と異なり、家の伸縮や振動に弱く、潰れによる隙間や、へこみによる断熱性能の劣化リスクがある。
- 隙間なく施工するのがかなり難しい。(充填断熱は不向きで、外断熱が基本)
- 石油系化学物質を原料とするため、持続可能性は低い。
- 製造時エネルギーは非常に高い。
発泡スチロール(ビーズ法ポリスチレンフォーム EPS)
熱伝導率= 0.034~0.04 W/mK
【メリット】
-
- 外断熱では最も安価な断熱材。
(1957年に建築された南極観測基地はEPS製で、40年間ほとんど断熱性能の低下はなかった。)
- 外断熱では最も安価な断熱材。
- 断熱性能の経年劣化が殆どない。
- 吸水性が極めて低いため、漏水や結露時の断熱性能低下リスクは低い。
(よくある発泡スチロールは大体このEPSである。) - カッターで簡単に切断でき、自由に現場で加工することができる。
- ホルムアルデヒドの飛散が無い。
【デメリット】
- コストが高い
- 耐火性能はない。350℃程度で引火する。
- 連続使用可能温度は80℃。
(外断熱系の大規模火災の多くはEPSが延焼したことによるものが多い) - 延焼した際は黒煙を発生する。
- 隙間なく施工するのがかなり難しい。(充填断熱は不向きで、外断熱が基本)
- 調湿性はほとんどない。
- 石油系化学物質を原料とするため、持続可能性は低い。
- 製造時エネルギーは高い。
押出法ポリスチレンフォーム(XPS)
熱伝導率= 0.022~0.04 W/mK
【メリット】
- 断熱性能が高い(熱伝導率が低い)
- 吸水性が極めて低いため、漏水や結露時の断熱性能低下リスクは低い。
- カッターで簡単に切断でき、自由に現場で加工することができる。
- ホルムアルデヒドの飛散が無い
【デメリット】
- コストが高い
- 耐火性能はない。350℃程度で引火する。
- 連続使用可能温度は80℃。
- 延焼した際は黒煙を発生する。
- 経年劣化で断熱性能が劣化していく。(中のガスが抜けるため)
- 他の断熱材と異なり、家の伸縮や振動に弱く、潰れによる隙間や、へこみによる断熱性能の劣化リスクがある。
- 隙間なく施工するのがかなり難しい。
(充填断熱は不向きで、外断熱が基本) - 石油系化学物質を原料とするため、持続可能性は低い。
- 製造時エネルギーは非常に高い。
フェノールフォーム
熱伝導率= 0.02~0.022 W/mK
【メリット】
- 断熱性能が最も高い(熱伝導率が低い)
- 断熱性能の経年劣化が発泡系の中ではゆっくりな部類に入る。
- カッターで簡単に切断でき、自由に現場で加工することができる。
- ホルムアルデヒドの飛散が無い
【デメリット】
- コストが高い
- 耐火性能はないが、発泡スチロール系では最も耐熱性が高い。
- 連続使用可能温度は130℃。
- 延焼した際は黒煙を発生する。
- 経年劣化で断熱性能が劣化していく。(中のガスが抜けるため)
- 衝撃に弱い。
- 他の断熱材と異なり、家の伸縮や振動に弱く、潰れによる隙間や、へこみによる断熱性能の劣化リスクがある。
- 隙間なく施工するのがかなり難しい。
(充填断熱は不向きで、外断熱が基本) - 石油系化学物質を原料とするため、持続可能性は低い。
- 製造時エネルギーは非常に高い。
羊毛断熱材
【メリット】
- 高い調湿性能を持つ。
- 自然素材である。
【デメリット】
断熱材を断熱性能だけで判断してはいけません。たしかに、断熱材のカタログを見れば熱伝導率も載っています。断熱材ごとの値段も調べることができます。しかし、断熱性能があるかどうか、値段が安いかどうかという単純な考えて断熱材を選ぶべきではありません。 「こんなはずじゃなかった」 「断 ...